登録販売者試験第4章「薬事関係法規・制度」では、販売ルールに続いて「医薬品の広告規制」も重要な学習テーマです。
医薬品は人の健康に直接関わるため、一般の商品と同じように自由な広告が認められているわけではありません。
特に押さえておきたいのが、「虚偽・誇大広告の禁止」「承認前の医薬品の広告禁止」「広告に該当するための3つの要件」です。
本記事では、医薬品の広告規制について、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・医薬品広告の基本ルール
・虚偽・誇大広告の禁止
・承認前の医薬品の広告禁止
・広告に該当する3つの要件
・インターネットやSNSと広告規制の関係
・試験で間違えやすいポイント
医薬品の広告規制とは
薬機法では、医薬品等について虚偽・誇大な広告を行うことや、承認前の医薬品について名称・効能・効果などを広告することを禁止しています。
広告の内容が不適切であれば、消費者が医薬品の効果や安全性を誤って認識し、適正な使用が妨げられるおそれがあるためです。
まずは、広告規制の全体像を確認しましょう。
| 規制 | 内容 | 試験でのポイント |
| 虚偽広告 | 事実と異なる内容の広告は禁止 | 「事実と違う」=NG |
| 誇大広告 | 効能・効果などを実際以上によく見せる広告は禁止 | 「絶対」「確実」などの断定に注意 |
| 保証と誤解される広告 | 医師等が効能・効果などを保証したと誤解される広告は禁止 | 「医師も効果を保証」などはNG |
| 承認前の広告 | 承認前の医薬品について、名称・効能・効果などを広告することは禁止 | 「まだ販売していないから広告できる」は誤り |
| 広告の3要件 | 顧客誘引性・特定性・一般認知性 | 3つすべてを満たすと広告に該当 |
この表を先に押さえておくと、その後の内容を整理しやすくなります。
虚偽・誇大広告の禁止
薬機法では、医薬品の名称、製造方法、効能、効果、性能について、虚偽または誇大な広告をすることが禁止されています。
単に事実と違う内容だけでなく、実際よりも効果が高いように見せる表現も規制対象になります。
具体的に注意したい表現
例えば、次のような表現には注意が必要です。
・「絶対に治る」
・「100%安全」
・「どんな症状にも効く」
・「副作用は一切ない」
このように、効能・効果や安全性を過度に強調したり、保証したりするような表現は認められません。
また、医師などが効能・効果を保証したと誤解されるような広告も、虚偽・誇大広告に該当します。
承認前の医薬品の広告禁止
承認を受ける前の医薬品について、その名称、製造方法、効能、効果、性能などを広告することは禁止されています。
ここで重要なのは、**「まだ販売していなければ広告してもよい」というわけではない**ことです。
例えば、
「発売予定の商品だから宣伝しておく」
「販売開始前なので効能だけ紹介する」
といった考え方は誤りです。
試験では、「販売していなければ広告できる」という形で出題されることがあるため、販売の可否と広告の可否を混同しないようにしましょう。
広告に該当する3つの要件
医薬品について何か情報を発信したからといって、すべてが薬機法上の広告になるわけではありません。
薬機法上の広告に該当するかどうかを判断する際には、次の3つの要件が重要です。
| 要件 | 意味 |
| 顧客誘引性 | 顧客の購入意欲を高める意図があること |
| 特定性 | 特定の医薬品等の商品名が明らかにされていること |
| 一般認知性 | 一般の人が認識できる状態にあること |
この3つは、顧客誘引性・特定性・一般認知性としてセットで覚えておきましょう。
① 顧客誘引性
顧客を誘引する、つまり購入意欲を高める意図があることです。
単なる学術的な情報提供などとは異なり、商品を購入してもらうことを目的とした内容であれば、顧客誘引性が問題になります。
② 特定性
特定の医薬品等の商品名が明らかになっていることです。
商品名などが具体的に示されている場合は、この要件に該当するかを考える必要があります。
③ 一般認知性
一般の人が認識できる状態にあることです。
テレビ、新聞、チラシ、ホームページ、SNSなど、一般の人が見ることのできる媒体も対象になり得ます。
つまり、「インターネットだから広告規制の対象外」ということではありません。
インターネット・SNSも広告規制の対象になる
現在は、医薬品の情報発信がホームページやSNSなどでも行われています。
しかし、広告媒体がインターネットになったからといって、薬機法の広告規制から外れるわけではありません。
顧客誘引性・特定性・一般認知性の3要件をすべて満たせば、インターネット上の情報でも広告に該当する可能性があります。
試験では「広告=テレビやチラシだけ」と考えないことが重要です。
試験での重要ポイント
① 虚偽・誇大広告
医薬品の名称、製造方法、効能、効果、性能について、虚偽または誇大な広告をすることは禁止されています。
「実際よりもよく見せる」「効果を保証する」といった表現に注意しましょう。
② 承認前の医薬品
承認前の医薬品について、名称、効能、効果などを広告することは禁止されています。
「販売前なら広告できる」という考え方は誤りです。
③ 広告の3要件
広告に該当するかどうかを判断するときは、
顧客誘引性
+ 特定性
+ 一般認知性
の3つを確認します。
3つすべてを満たすことが、広告該当性を判断する基本です。
④ インターネットも対象
ホームページやSNSなどであっても、広告の3要件を満たせば広告に該当する可能性があります。
「ネット広告だから規制されない」という選択肢が出た場合は注意しましょう。
予想問題
問1
医薬品の広告について、正しいものはどれか。
① 効能・効果を実際よりも高く見せる広告は認められる
② 医師が効果を保証したと誤解される広告は禁止される
③ 虚偽の内容であっても販売目的でなければ広告できる
④ 医薬品の安全性を保証する表現は自由に使用できる
答え:②
解説
薬機法では、医薬品の効能、効果などについて、医師その他の者が保証したものと誤解されるおそれがある広告も禁止されています。
問2
承認前の医薬品について正しいものはどれか。
① 販売前であれば広告できる
② 効能・効果だけなら広告できる
③ 承認前の医薬品について名称や効能・効果などを広告することは禁止されている
④ インターネット上であれば広告できる
答え:③
解説
承認前の医薬品について、名称、製造方法、効能、効果、性能などを広告することは禁止されています。
問3
薬機法上の広告に該当するための要件として正しいものはどれか。
① 顧客誘引性・特定性・一般認知性
② 承認・販売・配送
③ 品質・価格・容量
④ 製造・流通・販売
答え:①
解説
広告該当性を判断する基本的な3要件は、「顧客誘引性」「特定性」「一般認知性」です。
問4
次のうち、医薬品の広告規制について正しいものはどれか。
① SNSであれば薬機法上の広告規制を受けない
② インターネット広告は広告規制の対象外である
③ 一般の人が認識できる状態であっても、広告には該当しない
④ インターネット上の情報でも、広告の3要件を満たせば広告に該当する可能性がある
答え:④
解説
広告媒体がインターネットやSNSであっても、顧客誘引性・特定性・一般認知性の3要件を満たせば、薬機法上の広告に該当する可能性があります。
問5
医薬品の広告として禁止されるものはどれか。
① 承認された効能・効果を表示する
② 用法・用量を適切に表示する
③ 「絶対に治る」と効能・効果を断定する
④ 使用上の注意を表示する
答え:③
解説
医薬品の効能・効果について、虚偽または誇大な表現をすることは禁止されています。「絶対に治る」のように効果を断定する表現は、適切な広告とはいえません。
まとめ
医薬品の広告規制では、まず次の3つを押さえておきましょう。
① 虚偽・誇大広告の禁止
② 承認前の医薬品の広告禁止
③ 広告の3要件
広告の3要件は、
顧客誘引性・特定性・一般認知性
です。
また、広告媒体はテレビやチラシだけではありません。ホームページやSNSなどでも、3要件を満たせば薬機法上の広告に該当する可能性があります。
広告規制は細かいルールを丸暗記するよりも、「何が禁止されているのか」「広告に該当するのはどのような場合か」を整理しておくと、選択肢を判断しやすくなります。
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