登録販売者試験第4章「薬事に関する法規と制度」では、医薬品の販売制度や広告規制だけでなく、「医薬品を適正に販売するためのルール」も重要な学習テーマです。
特に、「医薬品の組み合わせ販売」「懸賞・景品による広告」「指定濫用防止医薬品の販売ルール」「薬事監視員による立入検査」「苦情・相談窓口」は、試験で問われやすいポイントです。
また、2026年5月1日からは、指定濫用防止医薬品について新たな販売ルールが施行されています。
本記事では、医薬品の適正な販売方法から行政による監視指導まで、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・医薬品の適正な販売方法
・医薬品の組み合わせ販売
・懸賞・景品による広告のルール
・指定濫用防止医薬品の販売ルール
・薬事監視員による立入検査
・行政による改善命令・業務停止等
・医薬品販売に関する苦情・相談窓口
・試験で間違えやすいポイント
医薬品の適正な販売方法とは
薬局や店舗販売業、配置販売業では、医薬品を単に販売すればよいわけではありません。
医薬品の販売には、許可された業務の範囲やリスク区分に応じた販売方法、情報提供、陳列などについて細かなルールがあります。
特に、購入者の利便性を理由として複数の医薬品などを組み合わせて販売する場合には、適正な使用を妨げないよう注意が必要です。
まずは、試験で押さえておきたいポイントを確認しましょう。
| 項目 | ルール | 試験でのポイント | 医薬品の組み合わせ販売 | 情報提供が十分にできる範囲で、組み合わせる合理性が必要 | 効能・効果が重複する組合せなどは不適当 | 懸賞・景品による広告 | 医薬品を懸賞や景品として授与することは原則不可 | 「医薬品を景品にする」はNG | 指定濫用防止医薬品 | 年齢・購入状況・他の医薬品の使用状況などを確認し、必要な情報提供を行う | 2026年5月1日から新制度 | 監視指導 | 薬事監視員による立入検査・報告徴収・収去など | 販売業者の適正な業務を確認 | 苦情・相談 | 薬務主管課・保健所・薬事監視事務所等で相談を受け付け | 問題があれば行政による指導等につながる |
この表を先に押さえておくと、細かなルールを整理しやすくなります。
医薬品の組み合わせ販売
購入者の利便性を考えて、複数の医薬品や、医薬品と他の商品を組み合わせて販売すること自体がすべて禁止されているわけではありません。
ただし、組み合わせた医薬品について、購入者に必要な情報提供を十分に行える程度の種類・範囲であり、かつ、組み合わせることに合理性が認められる必要があります。
例えば、効能・効果が重複する医薬品を組み合わせたり、相互作用によって健康被害が生じるおそれがある組み合わせは不適当です。
ポイント
・組み合わせ販売そのものが一律に禁止されているわけではない
・情報提供を十分に行える範囲であること
・組み合わせることに合理性があること
・効能・効果が重複する組み合わせは不適当
・相互作用による健康被害のおそれがある組み合わせは不適当
「セット販売なら何でもOK」と考えないことが重要です。
懸賞・景品による医薬品の広告
医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていません。
試験では、「販売促進のために医薬品を景品として授与することができる」といった選択肢に注意しましょう。
指定濫用防止医薬品とは
指定濫用防止医薬品は、濫用のおそれがある成分を含む一般用医薬品について、適正な使用を確保するために販売時の確認や情報提供などを強化したものです。
2026年5月1日から、指定濫用防止医薬品について新たな販売制度が施行されています。
登録販売者試験でも、今後重要になる可能性が高い分野です。
指定濫用防止医薬品の販売時に確認すること
販売時には、薬剤師または登録販売者が、購入者の状況を確認したうえで、適正使用のために必要な情報提供を行います。
主な確認事項は次のとおりです。
・若年者の場合などにおける氏名・年齢の確認
・他の薬局・店舗等での指定濫用防止医薬品の購入状況
・他の医薬品等の使用状況
・購入しようとする数量
・規定数量を超えて購入しようとする場合の購入理由
また、適正な使用を確保できないと認められる場合には、販売してはいけません。
18歳未満への販売
指定濫用防止医薬品については、18歳未満の者に対して、大容量製品や複数個を販売することはできません。
また、18歳未満の者に小容量製品を販売する場合には、対面または映像・音声によるオンラインでの情報提供が必要です。
さらに、18歳未満の者については氏名の確認も必要となります。
指定濫用防止医薬品の重要ポイント
・薬剤師または登録販売者が必要な情報提供を行う
・若年者の場合などに氏名・年齢を確認する
・他の薬局・店舗等での購入状況を確認する
・他の医薬品等の使用状況を確認する
・購入しようとする数量を確認する
・規定数量を超える場合は購入理由を確認する
・情報提供を受けた者が、その内容を理解したことや質問の有無を確認する
・適正な使用を確保できないと認められる場合は販売してはいけない
・18歳未満の者には大容量製品・複数個を販売できない
・18歳未満の者への小容量製品1個の販売では、対面またはオンラインによる情報提供が必要
・18歳未満の者については氏名を確認する
なお、指定濫用防止医薬品については、販売等の手順を定めた「指定濫用防止医薬品販売等手順書」の作成も求められています。
薬事監視員による監視指導
医薬品が適正に販売されているかを確認するため、行政による監視指導が行われています。
薬事監視員は、薬局や医薬品販売業者に対して、必要な報告を求めたり、医薬品を取り扱う場所への立入検査を行ったりすることができます。
また、必要に応じて帳簿書類等の検査や関係者への質問、試験のために必要な最少分量の医薬品等の収去を行うこともあります。
試験で押さえるポイント
薬事監視員による監視指導では、
・報告を求める
・立入検査を行う
・帳簿書類等を検査する
・関係者に質問する
・必要な物品を収去する
といった権限がポイントです。
「薬事監視員は医薬品を販売する人」という意味ではありません。
行政による改善命令・業務停止等
監視指導の結果、問題が認められた場合には、行政による処分等が行われることがあります。
例えば、
・構造設備の改善命令
・施設の使用禁止
・業務体制の整備命令
・業務運営の改善命令
・管理者の変更命令
・業務停止命令
・許可の取消し
・医薬品の廃棄・回収等の命令
などがあります。
試験では「違反があっても行政は指導できない」という誤った選択肢に注意しましょう。
医薬品販売に関する苦情・相談窓口
医薬品の販売方法や広告などについて問題がある場合、一般の生活者から行政機関などへ苦情・相談が寄せられることがあります。
主な相談先として、
・薬務主管課
・保健所
・薬事監視事務所
・消費生活センター
・国民生活センター
などがあります。
苦情や相談の内容から法令違反などの疑いが見つかった場合には、行政による立入検査や指導、処分につながることがあります。
試験での重要ポイント
① 組み合わせ販売
複数の医薬品等を組み合わせて販売することが一律に禁止されているわけではありません。
ただし、
「情報提供を十分に行える範囲」+「組み合わせる合理性」
が重要です。
効能・効果が重複するものや、相互作用によって健康被害のおそれがあるものは不適当です。
② 医薬品を景品にする
医薬品そのものを懸賞や景品として授与することは、原則として認められていません。
「販売促進のためなら医薬品を景品にしてもよい」という選択肢は誤りです。
③ 指定濫用防止医薬品
2026年5月1日から新しい販売ルールが施行されています。
特に、
「年齢確認」
「購入状況の確認」
「数量の確認」
「適正使用目的の確認」
「必要な情報提供」
をセットで覚えておきましょう。
④ 薬事監視員
薬事監視員は、医薬品の販売等が適正に行われているかを確認するため、立入検査や報告徴収、質問、収去などを行います。
⑤ 苦情・相談窓口
医薬品の販売に関する苦情や相談は、薬務主管課、保健所、薬事監視事務所などの行政機関のほか、消費生活センターや国民生活センターなどにも寄せられます。
⑥ 医薬品の競売
医薬品を競売に付して販売することは禁止されています。
「インターネットオークションなら販売できる」という考え方は誤りです。
⑦ 許可を受けた場所以外での販売
薬局や店舗販売業では、許可を受けた薬局・店舗以外の場所を拠点として医薬品を販売することはできません。
また、配置販売業では「先用後利」による販売が基本であり、現金売りを行うことは配置販売による販売には当たりません。
予想問題
問1
医薬品の組み合わせ販売について、正しいものはどれか。
① 複数の医薬品を組み合わせて販売することはすべて禁止されている
② 効能・効果が重複する医薬品でも自由に組み合わせて販売できる
③ 情報提供を十分に行える範囲で、組み合わせることに合理性が認められる場合は組み合わせ販売が可能である
④ 相互作用による健康被害のおそれがあっても販売できる
答え:③
解説
複数の医薬品等を組み合わせて販売する場合は、十分な情報提供が可能な範囲であり、組み合わせることに合理性が必要です。
効能・効果が重複するものや、相互作用によって健康被害のおそれがある組み合わせは不適当です。
問2
懸賞・景品による医薬品の広告について、正しいものはどれか。
① 医薬品を懸賞の景品として自由に授与できる
② 医薬品を景品として授与することは原則として認められていない
③ 医薬品を購入した人には必ず別の医薬品を景品として提供しなければならない
④ 医薬品は景品表示法の対象外なので自由に提供できる
答え:②
解説
医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていません。
問3
指定濫用防止医薬品について、正しいものはどれか。
① 購入者の年齢を確認する必要はない
② 購入数量を確認する必要はない
③ 適正使用を確保できない場合でも販売できる
④ 購入者の年齢や購入状況などを確認し、必要な情報提供を行う
答え:④
解説
指定濫用防止医薬品では、購入者の年齢、購入・譲受け状況、他の医薬品等の使用状況、数量、購入理由などを確認し、適正使用のために必要な情報提供を行います。
問4
薬事監視員について、正しいものはどれか。
① 医薬品を製造する者である
② 医薬品の販売を行う者である
③ 医薬品販売等の適正化のため、立入検査や報告徴収などを行う
④ 医薬品の価格を決定する者である
答え:③
解説
薬事監視員は、医薬品の販売等が適正に行われているかを確認するため、必要な報告を求めたり、立入検査や質問、収去などを行います。
問5
医薬品販売に関する苦情・相談について、正しいものはどれか。
① 一般の生活者は行政機関へ相談できない
② 保健所や薬務主管課などに相談することができる
③ 医薬品販売の相談は医療機関だけが受け付ける
④ 消費生活センターでは相談を受け付けていない
答え:②
解説
医薬品の販売方法や広告などについて、保健所、薬務主管課、薬事監視事務所などへ相談することができます。また、消費生活センターや国民生活センターなどにも相談が寄せられています。
まとめ
医薬品の適正な販売では、単に「販売できるかどうか」だけでなく、どのような方法で販売するかまで理解しておくことが重要です。
特に第4章⑥では、次のポイントを押さえておきましょう。
① 医薬品の組み合わせ販売には合理性が必要
② 医薬品を景品として授与することは原則不可
③ 指定濫用防止医薬品は年齢・購入状況・数量などを確認する
④ 薬事監視員は立入検査や報告徴収などを行う
⑤ 医薬品販売に関する苦情・相談は行政機関等で受け付けている
特に、2026年5月1日から施行された指定濫用防止医薬品の販売ルールは、今後の登録販売者試験でも重要になると考えられます。
第4章の販売制度・広告規制とあわせて、「適正な販売を確保するためにどのようなルールがあるのか」を一連の流れとして理解しておきましょう。
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