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登録販売者の他店応援は勤務実績になる?80時間は自店だけ?

登録販売者として働いていると、「1か月80時間以上働かないと業務経験にならない」「所属している自店で80時間以上勤務する必要がある」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、登録販売者の実務・業務経験における80時間のルールは、すべての登録販売者に対して「自店で80時間」と決められているわけではありません。

特に、同じ会社の別店舗へ応援勤務する場合は、その登録販売者がどの経験区分に該当するかによって、勤務時間の扱いが変わります。

登録販売者の「実務経験」と「業務経験」の違いについては、登録販売者の実務経験とは?実務経験と業務経験の違いでも詳しく解説しています。

登録販売者の「月80時間」は何のための基準?

登録販売者の実務・業務経験は、店舗管理者になるための要件などを確認する際に重要になります。

その際、一定の区分では、1か月に80時間以上従事した月を1か月として扱います。

例えば、ある月に90時間勤務した場合、その月は80時間以上の条件を満たします。

一方、70時間だった場合は、80時間以上という基準だけで見ると、その月は該当しません。

ただし、80時間未満の月がある場合でも、過去5年間の従事期間と合計時間数によって別の扱いになる場合があります。

80時間・1,920時間・24か月の関係については、登録販売者の実務経験は何時間必要?80時間・1,920時間・24か月を解説で詳しく解説しています。

「自店で80時間必要」は登録販売者全員に当てはまる?

いいえ。

ここは登録販売者の経験年数によって扱いが分かれるため、注意が必要です。

厚生労働省の「登録販売者制度に関するQ&A」では、一般従事者と、過去5年間の実務・業務経験が通算2年に満たない登録販売者について、同一月の実務・業務は同一業者の同一店舗で行い、1か月80時間以上従事した場合に、その月を実務経験・業務経験とすることができるとされています。

つまり、経験が通算2年未満の登録販売者については、単純に「自店と同じ会社の他店を合算して80時間」と考えることはできません。

この区分では、同一月について同一業者の同一店舗で80時間以上という考え方が基本になります。

では、他店応援の勤務時間は実績にならない?

これも一律に「ならない」と考えるのは正しくありません。

厚生労働省のQ&Aでは、過去5年間の実務・業務経験が通算2年に満たない登録販売者以外の登録販売者(店舗管理者を除く)について、同一月中に同一業者の複数店舗で合計80時間以上業務に従事した場合、その月を業務経験とすることができるとされています。

そのため、一定の経験がある登録販売者であれば、同じ会社の別店舗への応援勤務も、業務経験の計算に含められる場合があります。

「他店応援だから勤務実績にならない」というわけではなく、登録販売者の経験区分によって扱いが変わるという点が重要です。

自店60時間+他店応援30時間なら?

例えば、同じ会社で次のように勤務したとします。

勤務先 勤務時間
所属店舗 60時間
同じ会社の応援先店舗 30時間
合計 90時間

この場合、その登録販売者がどの経験区分に該当するかによって結果が変わります。

過去5年間の実務・業務経験が通算2年未満の登録販売者であれば、同じ会社の他店応援30時間を足して「合計90時間だから、その月は業務経験」とすることはできません。

一方、過去5年間の実務・業務経験が通算2年に満たない登録販売者以外の登録販売者(店舗管理者を除く)であれば、同一月中に同じ会社の複数店舗で合計80時間以上業務に従事した場合、その月を業務経験とすることができます。

同じ会社なら、他店応援をいつでも合算できるわけではない

「同じ会社の店舗なら、自店と応援先の勤務時間を全部合算できる」と覚えてしまうのも間違いです。

重要なのは、自分がどの登録販売者の経験区分に該当するかです。

区分 同一月の勤務時間の考え方
一般従事者 同一業者の同一店舗で80時間以上が基本
過去5年間の実務・業務経験が通算2年未満の登録販売者 同一業者の同一店舗で80時間以上が基本
過去5年間の実務・業務経験が通算2年未満ではない登録販売者(店舗管理者を除く) 同一業者の複数店舗で合計80時間以上でも可

店舗管理者になるための条件全体については、登録販売者が店舗管理者になるには?実務・業務経験の条件を解説でも詳しく解説しています。

つまり、「登録販売者なら全員、他店応援の時間を合算できる」というわけでも、「他店応援は絶対に勤務実績にならない」というわけでもありません。

「他店応援に行った時間を勤務実績として残せない」は正しい?

他店応援の勤務時間を業務経験として扱える区分に該当する場合は、応援先での勤務時間についても適切に記録・証明できるようにしておくことが重要です。

厚生労働省のQ&Aでは、業者や店舗を変更した場合、それぞれの店舗における証明が必要とされています。

そのため、他店応援をしている場合は、応援先で登録販売者として業務に従事した時間が、会社の勤務記録や業務経験の証明に適切に反映されているかを確認しておきましょう。

実務・業務経験の証明については、登録販売者の実務・業務経験証明書とは?転職時に確認したい書類を解説でも詳しく解説しています。

「80時間」は応援勤務の上限ではない

もう一つ注意したいのが、「80時間」という数字の意味です。

80時間は、他店への応援勤務を80時間までしかしてはいけないという上限ではありません。

登録販売者の実務・業務経験を月単位で計算するときに使われる基準です。

そのため、

「他店応援は月80時間まで」

という意味ではありません。

80時間未満の月はすべて無効になるわけではない

現在の制度では、一定の登録販売者について、80時間に満たない月があっても、過去5年間の従事期間と合計時間数によって要件を満たす扱いがあります。

例えば、過去5年間において、月当たりの時間数にかかわらず従事した期間が通算2年以上あり、かつ合計1,920時間以上従事している場合には、1か月80時間以上の月が24か月に達していなくても、通算2年以上の登録販売者として扱うことができるとされています。

詳しい条件は、登録販売者の実務経験は何時間必要?80時間・1,920時間・24か月を解説で確認できます。

転職すると他店応援の勤務実績はどうなる?

転職を予定している場合は、過去の勤務実績を証明できるようにしておくことも重要です。

登録販売者としての業務経験については、過去5年間の勤務実績が店舗管理者要件などに関係するため、転職前の勤務先でどのような業務に従事していたのかを確認できるようにしておきましょう。

転職時の実務・業務経験については、登録販売者の実務経験は転職するとどうなる?勤務実績の証明方法を解説で詳しく解説しています。

登録販売者の他店応援と80時間を整理

疑問 答え
登録販売者は毎月自店で80時間働く必要がある? 一律ではありません
80時間は応援勤務の上限? いいえ
経験2年未満の登録販売者なら、自店+他店応援を合算できる? 原則できません
一定の経験がある登録販売者なら、同じ会社の複数店舗を合算できる? できます
他店応援だから勤務実績にならない? 一律にはいえません
80時間未満の月は必ず経験として無効? 合計時間による別の扱いがあります

まとめ

登録販売者の実務・業務経験について、「月80時間」という基準だけを見て「所属している自店で毎月80時間働かなければならない」と考えるのは正確ではありません。

一方で、「同じ会社の店舗なら、誰でも自店と応援先の勤務時間を合算できる」という理解も正しくありません。

特に重要なのは、過去5年間の実務・業務経験が通算2年未満かどうかです。

経験が通算2年未満の登録販売者については、同一月に同一業者の同一店舗で80時間以上という扱いが基本です。

一方、経験が通算2年に満たない登録販売者以外の登録販売者(店舗管理者を除く)については、同一月中に同一業者の複数店舗で合計80時間以上業務に従事した場合、その月を業務経験とすることができます。

つまり、「自店で80時間」というルールだけで判断するのではなく、自分がどの経験区分に該当するのかを確認することが大切です。

参考:厚生労働省

登録販売者制度に関するQ&Aについて(厚生労働省)

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等について(厚生労働省)

登録販売者制度の取扱い等について(厚生労働省)

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