登録販売者試験第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」では、医薬品そのものの作用だけでなく、使用する人の心理的な状態が医薬品の効果に影響することについても理解する必要があります。
特に、
・プラセボ効果とは何か
・プラセボ効果が生じる仕組み
・医薬品の薬理作用との違い
・心理的な作用が医薬品の効果に影響すること
・登録販売者が情報提供を行う際の注意点
は、登録販売者試験で押さえておきたいポイントです。
本記事では、プラセボ効果について、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・プラセボ効果とは何か
・プラセボ効果が生じる理由
・医薬品の薬理作用との違い
・心理的な作用が医薬品の効果に影響する理由
・プラセボ効果と医薬品の有効性の関係
・登録販売者が理解しておくべきポイント
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題
プラセボ効果とは
プラセボ効果とは、医薬品を使用したとき、医薬品そのものの薬理作用によらない作用が生じることをいいます。
医薬品を使用したことによる期待や安心感、条件付け、時間の経過による自然な変化などが関係して生じると考えられています。
プラセボ効果によって、症状の改善などの望ましい変化がみられることがあります。一方で、不都合な症状が現れることもあります。
つまり、医薬品を使用した後にみられる変化には、医薬品そのものの薬理作用だけでなく、薬理作用によらない作用が影響する場合があります。
プラセボ効果は「薬が効いた」と感じることとは違う
プラセボ効果を理解するときに重要なのは、単純に「薬を飲んだら症状がよくなった」という現象すべてをプラセボ効果と考えないことです。
医薬品には、それぞれの成分が持つ薬理作用があります。
一方、プラセボ効果は、医薬品そのものの薬理作用とは別に、使用する人の心理的な作用などによって生じる効果です。
そのため、
医薬品の薬理作用=プラセボ効果
ではありません。
ここは試験でも区別して覚えておきましょう。
プラセボ効果が生じる理由
プラセボ効果には、使用する人の心理状態が関係しています。
例えば、
「この薬を飲めば症状がよくなる」
「この薬なら安心できる」
といった期待や安心感が、症状の感じ方などに影響する場合があります。
このように、医薬品を使用する人の心理的な要因が、医薬品を使用した後の状態に影響することがあります。
医薬品の効果は心理状態にも影響される
医薬品の効果を考える場合には、成分による薬理作用だけを考えればよいわけではありません。
使用する人の、
・期待
・安心感
・不安
・緊張
・医薬品に対する信頼
などの心理的な要因が、症状の感じ方などに影響することがあります。
そのため、同じ医薬品を使用しても、使用する人によって感じ方が異なる場合があります。
プラセボ効果は「偽薬が病気を治す」という意味ではない
プラセボ効果について、
「偽薬でも病気そのものを治療できる」
と考えるのは適切ではありません。
プラセボ効果は、医薬品そのものの薬理作用とは別に、使用する人の心理的な作用などによって症状の改善などがみられる現象です。
したがって、プラセボ効果があるからといって、必要な治療を受けなくてもよいということにはなりません。
登録販売者もプラセボ効果を理解しておく
登録販売者は、医薬品を販売する際に、購入者の心理状態が医薬品の使用に影響することについても理解しておく必要があります。
購入者が医薬品に対して過度な期待を持っている場合には、医薬品の効果を過大に説明するのではなく、適切な情報提供を行うことが重要です。
医薬品について正しい情報を伝え、購入者が適切に使用できるよう支援することが登録販売者の重要な役割です。
試験で覚えておきたいポイント
第1章④では、次のポイントを押さえておきましょう。
①プラセボ効果
医薬品そのものの薬理作用とは別に、使用する人の心理的な作用などによって症状の改善などがみられることがあります。
②心理的な要因が影響する
医薬品を使用したことによる期待感や安心感などが、症状の感じ方などに影響する場合があります。
③薬理作用とプラセボ効果は別
医薬品の成分による薬理作用と、心理的な作用によるプラセボ効果を混同しないことが重要です。
④プラセボ効果=病気が治るではない
プラセボ効果があるからといって、必要な治療を受けなくてもよいということではありません。
⑤医薬品の効果だけで判断しない
医薬品を使用した人の心理的な状態などが、症状の感じ方に影響する場合があります。
試験で間違えやすいポイント
「プラセボ効果とは、医薬品の成分による薬理作用のことである」
→誤り
プラセボ効果は、医薬品そのものの薬理作用とは別に、使用する人の心理的な作用などによって症状の改善などがみられることをいいます。
「プラセボ効果には、使用する人の心理的な要因が関係する」
→正しい
医薬品に対する期待感や安心感などが、症状の感じ方などに影響する場合があります。
「プラセボ効果があるため、薬理作用を持たないものでも必要な治療の代わりに使用できる」
→誤り
プラセボ効果があることと、必要な治療を受けなくてもよいことは別です。
「医薬品の効果は、医薬品の成分による作用だけで決まる」
→誤り
使用する人の心理的な要因などが、症状の感じ方などに影響する場合があります。
「プラセボ効果と医薬品の薬理作用は同じ意味である」
→誤り
プラセボ効果と医薬品の成分による薬理作用は別のものです。
予想問題
問1
プラセボ効果について、正しいものはどれか。
① 医薬品の成分による薬理作用そのものである
② 使用する人の心理的な作用などによって症状の改善などがみられることがある
③ どのような疾病でもプラセボ効果によって治療できる
④ プラセボ効果は医薬品の使用とは無関係である
答え:②
解説
プラセボ効果とは、医薬品そのものの薬理作用とは別に、使用する人の心理的な作用などによって症状の改善などがみられることをいいます。
問2
プラセボ効果に関係するものとして、適切なものはどれか。
① 使用する人の期待感
② 医薬品の包装の重量だけ
③ 医薬品の価格だけ
④ 医薬品の製造年月日だけ
答え:①
解説
医薬品を使用することへの期待感や安心感など、使用する人の心理的な要因がプラセボ効果に関係する場合があります。
問3
プラセボ効果について、誤っているものはどれか。
① 心理的な要因が関係することがある
② 医薬品の薬理作用とは区別して考える
③ プラセボ効果があれば必要な治療を受けなくてもよい
④ 医薬品を使用した人の心理状態が影響する場合がある
答え:③
解説
プラセボ効果があるからといって、必要な治療を受けなくてもよいということにはなりません。
問4
医薬品の効果について、正しいものはどれか。
① 医薬品の成分による作用だけで決まる
② 使用する人の心理的な要因などが影響する場合がある
③ すべての人に必ず同じように現れる
④ 心理的な要因が影響することはない
答え:②
解説
医薬品の使用後にみられる症状の変化には、医薬品そのものの作用だけでなく、使用する人の心理的な要因などが影響する場合があります。
問5
プラセボ効果と医薬品の薬理作用について、正しいものはどれか。
① 両者は同じ意味である
② プラセボ効果は医薬品の成分による薬理作用である
③ プラセボ効果と薬理作用は区別して考える必要がある
④ 薬理作用がない医薬品は必ずプラセボ効果もない
答え:③
解説
プラセボ効果は、医薬品そのものの薬理作用とは別に、使用する人の心理的な作用などによって生じる効果です。
まとめ
登録販売者試験第1章④では、医薬品の効果には、医薬品そのものの薬理作用だけでなく、使用する人の心理的な要因などが影響する場合があるということを理解しておきましょう。
特に重要なのは、
① プラセボ効果という現象がある
② 使用する人の期待感や安心感などが影響する場合がある
③ プラセボ効果と薬理作用は別のものである
④ プラセボ効果があるからといって必要な治療を省いてよいわけではない
⑤ 医薬品の効果を考える際には、使用する人の心理的な要因も関係する場合がある
というポイントです。
第1章では、この後、医薬品の品質について学習していきます。
医薬品は「どのような成分が入っているか」だけでなく、「どのような状態で保管・使用されるか」も重要です。

