登録販売者試験第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」では、医薬品を使用する人の年齢や身体的な状態によって、医薬品の作用や安全性に違いが生じることを理解する必要があります。
特に、
・小児に対する医薬品の使用
・高齢者に対する医薬品の使用
・妊婦・妊娠している可能性がある人への配慮
・授乳婦への配慮
・基礎疾患がある人への注意
・使用する人の状態に応じた情報提供
は、登録販売者試験で重要なポイントです。
本記事では、年齢や身体的な状態によって医薬品の作用や安全性にどのような違いが生じるのかを、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・小児の医薬品使用で注意する理由
・乳幼児への医薬品使用
・小児と大人で医薬品の作用が異なる理由
・高齢者の医薬品使用で注意する理由
・高齢者における副作用のリスク
・妊婦・妊娠している可能性がある人への配慮
・授乳婦への配慮
・基礎疾患がある人への注意
・使用する人の状態を確認する重要性
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題
小児に医薬品を使用するときの注意
小児は、成人と比べて身体の機能が十分に発達していないため、医薬品を使用する際には特別な配慮が必要です。
特に、乳幼児では肝臓や腎臓などの機能が十分に発達していないため、医薬品の代謝や排泄に影響が生じることがあります。
そのため、成人と同じように考えて医薬品を使用することは適切ではありません。
小児に医薬品を使用する場合には、年齢や体重などを確認し、用法・用量を守ることが重要です。
小児は医薬品の影響を受けやすい
小児では、身体の各機能が発達途中であるため、医薬品の作用が成人とは異なる場合があります。
また、乳幼児では、自分で症状を正確に伝えることが難しい場合があります。
そのため、保護者などから、
・子どもの年齢
・体重
・症状
・いつから症状があるか
・現在使用している医薬品
・過去の副作用やアレルギー
などを確認することが重要です。
小児に成人用医薬品を使用しない
成人用として販売されている医薬品を、自己判断で小児に使用することは適切ではありません。
小児には、小児用として用法・用量が設定されている医薬品を使用する必要があります。
「大人の半分くらいなら大丈夫」といった自己判断で使用するのではなく、製品に定められた対象年齢や用法・用量を確認することが重要です。
乳幼児への使用は特に注意
乳幼児は、身体の機能が未発達であるだけでなく、錠剤やカプセルなどを適切に服用することが難しい場合があります。
また、誤飲や過量使用などの事故にも注意が必要です。
登録販売者は、乳幼児に使用する医薬品について相談を受けた場合、対象年齢や使用方法を確認し、適切な情報提供を行う必要があります。
高齢者の医薬品使用
高齢者も、医薬品を使用する際には注意が必要です。
加齢によって、肝臓や腎臓などの機能が低下している場合があります。
その結果、医薬品の代謝や排泄が遅れ、医薬品の作用が強く現れたり、副作用が生じやすくなったりすることがあります。
そのため、高齢者では成人と同じように医薬品を使用すればよいとは限りません。
高齢者は複数の医薬品を使用していることがある
高齢者では、複数の疾病の治療などのために、複数の医薬品を使用している場合があります。
複数の医薬品を使用していると、医薬品同士の相互作用や、同じような作用を持つ医薬品の重複使用などに注意する必要があります。
登録販売者が高齢者から相談を受けた場合には、
・現在使用している医薬品
・医療機関で治療を受けているか
・他に使用している医薬品があるか
・過去に副作用が起きたことがあるか
などを確認することが重要です。
高齢者では症状の訴えにも注意する
高齢者の場合、症状を自覚していても、それを正確に伝えられないことがあります。
また、加齢による身体機能の変化によって、副作用による症状を別の原因だと考えてしまう場合もあります。
そのため、本人からの訴えだけで判断するのではなく、症状や使用状況を丁寧に確認することが重要です。
妊婦・妊娠している可能性がある人への配慮
妊婦や妊娠している可能性がある人が医薬品を使用する場合には、胎児への影響などについて注意が必要です。
医薬品によっては、妊娠中に使用することで胎児に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、妊婦や妊娠している可能性がある人から相談を受けた場合には、妊娠の可能性や妊娠時期などを確認し、必要に応じて医師や薬剤師への相談を勧めることが重要です。
妊娠中は自己判断で医薬品を使用しない
「市販薬だから安全」「以前使ったことがある薬だから大丈夫」と自己判断することは適切ではありません。
妊娠中に使用できる医薬品であるかどうかは、医薬品の種類や妊娠時期などによって異なります。
そのため、妊婦から相談を受けた場合には、製品の添付文書などを確認し、必要に応じて医師や薬剤師への相談を勧めることが重要です。
授乳婦への配慮
授乳中に医薬品を使用する場合にも注意が必要です。
母親が服用した医薬品の成分が母乳中に移行し、授乳によって乳児がその成分を摂取する可能性があります。
そのため、授乳婦についても、医薬品を使用する際には注意が必要です。
授乳中であることを確認したうえで、必要に応じて医師や薬剤師への相談を勧めることが重要です。
基礎疾患がある人にも注意
医薬品を使用する人が、すでに疾病の治療を受けている場合にも注意が必要です。
例えば、
・高血圧
・心臓病
・腎臓病
・肝臓病
・糖尿病
・喘息
などの疾病がある場合、使用する医薬品によっては症状や治療に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、登録販売者は、購入者が医療機関で治療を受けているかどうかを確認することが重要です。
使用する人の状態を確認する
医薬品を販売するときには、「何の薬を買うか」だけを見るのではなく、「誰が使用するのか」を確認することが重要です。
特に、
・小児
・高齢者
・妊婦
・妊娠している可能性がある人
・授乳婦
・基礎疾患がある人
・医療機関で治療を受けている人
・他の医薬品を使用している人
については、特に注意して確認する必要があります。
試験で覚えておきたいポイント
第1章③では、次のポイントを押さえておきましょう。
①小児は身体の機能が発達途中
成人とは医薬品の作用が異なる場合があるため、対象年齢や用法・用量を確認する。
②成人用医薬品を自己判断で小児に使用しない
小児には対象年齢などを確認して適切に使用する。
③高齢者は肝臓・腎臓などの機能低下に注意
医薬品の代謝や排泄に影響し、副作用が生じやすくなる場合がある。
④高齢者は複数の医薬品を使用している場合がある
相互作用や重複使用に注意する。
⑤妊婦は胎児への影響に注意
妊娠中は医薬品を自己判断で使用せず、必要に応じて専門家に相談する。
⑥授乳婦は母乳への移行に注意
医薬品の成分が母乳中に移行する可能性がある。
⑦基礎疾患がある人にも注意
治療中の疾病や使用中の医薬品を確認する。
⑧医薬品は「誰が使うのか」が重要
年齢、妊娠・授乳、疾病、使用中の医薬品などを確認して適切な情報提供を行う。
試験で間違えやすいポイント
「小児は成人と同じ用量で医薬品を使用できる」
→誤り
小児には小児用として設定された用法・用量があり、対象年齢などを確認する必要があります。
「高齢者は医薬品の副作用が起こりにくい」
→誤り
加齢による身体機能の低下などによって、副作用が生じやすくなる場合があります。
「高齢者が複数の医薬品を使用していても、相互作用を確認する必要はない」
→誤り
複数の医薬品を使用している場合には、相互作用や重複使用に注意する必要があります。
「妊婦は市販薬であれば自由に使用できる」
→誤り
妊娠中は医薬品によって胎児への影響が生じる可能性があるため、注意が必要です。
「授乳婦が使用した医薬品の成分が母乳に移行することがある」
→正しい
医薬品の成分によっては母乳中に移行する可能性があります。
「医薬品を販売するときは、使用する人の年齢や身体の状態を確認する必要はない」
→誤り
使用する人の年齢、妊娠・授乳、基礎疾患、他の医薬品の使用状況などを確認することが重要です。
予想問題
問1
小児の医薬品使用について、正しいものはどれか。
① 成人用医薬品を成人の半量にすれば、小児にも使用できる
② 小児は成人と同じように医薬品を使用できる
③ 小児には対象年齢や用法・用量を確認して使用することが重要である
④ 小児は医薬品の影響を受けない
答え:③
解説
小児は身体の機能が発達途中であり、成人とは医薬品の作用が異なる場合があります。対象年齢や用法・用量を確認して使用することが重要です。
問2
高齢者の医薬品使用について、正しいものはどれか。
① 高齢者は副作用が起こりにくい
② 高齢者では肝臓や腎臓などの機能低下に注意する必要がある
③ 高齢者は複数の医薬品を使用していても相互作用を考慮する必要がない
④ 高齢者には医薬品の情報提供を行う必要がない
答え:②
解説
高齢者では加齢による身体機能の低下などにより、医薬品の作用や副作用に注意が必要です。
問3
妊婦の医薬品使用について、正しいものはどれか。
① 市販薬であれば妊娠中でも自由に使用できる
② 妊娠中は医薬品による胎児への影響を考慮する必要がある
③ 妊娠中は医薬品の成分が胎児に影響することはない
④ 妊娠している可能性があっても確認する必要はない
答え:②
解説
妊娠中は医薬品によって胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠の可能性や時期などを確認することが重要です。
問4
授乳婦の医薬品使用について、正しいものはどれか。
① 医薬品の成分が母乳に移行することはない
② 授乳中はどのような医薬品でも使用できる
③ 医薬品の成分によっては母乳中に移行する可能性がある
④ 授乳中であることを確認する必要はない
答え:③
解説
医薬品の成分によっては母乳中に移行し、乳児に影響する可能性があります。そのため、授乳中であることを確認することが重要です。
問5
医薬品を販売する際の確認事項として、適切なものはどれか。
① 使用する人の年齢や身体の状態は確認しなくてよい
② 他に使用している医薬品について確認する必要はない
③ 妊娠・授乳の状況や基礎疾患などを確認することが重要である
④ 購入者が希望すれば、使用者の状態に関係なく販売する
答え:③
解説
医薬品の適正使用のためには、使用する人の年齢、妊娠・授乳、基礎疾患、他の医薬品の使用状況などを確認することが重要です。
まとめ
登録販売者試験第1章③では、医薬品は使用する人によって作用や安全性が異なる場合があるという点を理解しておきましょう。
特に重要なのは、
① 小児は身体の機能が発達途中である
② 小児には対象年齢や用法・用量を確認する
③ 高齢者は身体機能の低下などに注意する
④ 高齢者は複数の医薬品を使用している場合がある
⑤ 妊婦は胎児への影響に注意する
⑥ 授乳婦は母乳への移行に注意する
⑦ 基礎疾患がある人は疾病や治療状況を確認する
⑧ 医薬品を使用する人の年齢・身体状態・使用状況を確認する
というポイントです。
医薬品は「何を使うか」だけでなく、「誰が使うのか」まで考えることが重要です。
第1章では、この後さらに、医薬品の品質、プラセボ効果、医薬品による健康被害などについて学習していきます。

