漢方薬は、症状に合わせて複数の処方を使うことがあります。
しかし、漢方薬を複数使う場合には、同じ生薬が重複することがあります。特に甘草など、複数の漢方処方に含まれる生薬については注意が必要です。
また、漢方薬だけでなく、一般用医薬品や医療用医薬品などを使用している場合には、併用について確認したほうがよい場合があります。
この記事では、漢方薬を併用するときに注意したいポイントや、生薬の重複、飲み合わせについて解説します。
漢方薬は一緒に使っても大丈夫?
漢方薬だからといって、複数の商品を自由に併用してよいとは限りません。
漢方薬には、それぞれ複数の生薬が配合されています。そのため、異なる漢方薬を一緒に使用すると、同じ生薬を重複して摂取することがあります。
実際に、医療用漢方製剤の添付文書でも、他の漢方製剤などを併用する場合は、含有生薬の重複に注意するよう記載されています。
そのため、複数の漢方薬を使用したい場合は、商品名だけで判断せず、配合されている生薬まで確認することが大切です。
漢方薬の併用で注意したい「生薬の重複」
漢方薬の飲み合わせを考えるときに重要なのが、生薬の重複です。
例えば、2種類の漢方薬を使用していて、それぞれに同じ生薬が含まれていれば、その生薬を重複して摂取することになります。
漢方薬の処方によって配合されている生薬は異なるため、複数の漢方薬を使用する場合には、それぞれの添付文書や商品情報を確認しましょう。
特に、複数の処方に使用される生薬については、重複による影響に注意する必要があります。
甘草を含む漢方薬の併用には特に注意
漢方薬の重複で特に確認しておきたい生薬の一つが甘草です。
甘草は多くの漢方処方に使用されている生薬で、複数の漢方薬を組み合わせると甘草が重複する場合があります。
甘草を含む製剤では、低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、体重増加などを伴う偽アルドステロン症や、ミオパチーなどについて注意が必要な場合があります。
一般用漢方製剤の使用上の注意でも、甘草を一定量以上含む製剤について、偽アルドステロン症やミオパチーなどへの注意が設定されています。
そのため、甘草を含む漢方薬を複数使用するときは、自己判断で組み合わせず、薬剤師または登録販売者に相談することが大切です。
漢方薬と一般用医薬品を一緒に使う場合
漢方薬だけでなく、かぜ薬、胃腸薬、鎮痛薬などの一般用医薬品を使用している場合にも、併用について確認したほうがよいことがあります。
医薬品によっては、同じような作用を持つ成分が重複したり、特定の成分や生薬との組み合わせに注意が必要になったりする場合があります。
また、一般用医薬品の中には、漢方処方や生薬を含む製品もあります。
複数の医薬品を使用している場合は、「漢方薬だから別の薬と関係ない」と考えず、現在使用している薬をすべて伝えて確認することが重要です。
漢方薬と医療用医薬品を併用する場合
病院から処方された医療用医薬品を使用している人が、自己判断で漢方薬を追加する場合にも注意が必要です。
漢方薬にも生薬が含まれているため、医療用医薬品との組み合わせについて確認が必要になることがあります。
医師の治療を受けている人については、一般用漢方製剤でも、服用前に医師、薬剤師または登録販売者へ相談するよう記載されている製品があります。
病院から薬を処方されている場合は、漢方薬を追加する前に、現在使用している薬を医師または薬剤師に伝えて確認しましょう。
「漢方薬同士なら問題ない」は間違い
漢方薬は自然由来の生薬を使用していますが、複数の漢方薬を組み合わせても必ず安全とは限りません。
漢方薬を併用すると、同じ生薬が重複する可能性があります。
特に甘草など、複数の漢方処方に含まれる生薬については、重複による影響に注意が必要です。
漢方薬の添付文書でも、他の漢方製剤などを併用する場合は、含有生薬の重複に注意するよう示されています。
こんな場合は薬剤師や登録販売者に相談
次のような場合には、自己判断で漢方薬を追加せず、薬剤師や登録販売者などに相談しましょう。
- すでに別の漢方薬を使用している
- 複数の一般用医薬品を使用している
- 病院から薬を処方されている
- 複数の症状に対して漢方薬を使いたい
- 甘草を含む漢方薬を複数使用したい
- どの漢方薬を組み合わせればよいか分からない
相談するときは、現在使用している医薬品やサプリメントなどをまとめて伝えると、併用について確認しやすくなります。
漢方薬を併用していて気になる症状が出たら
漢方薬を併用しているときに、これまでになかった症状が現れた場合には、副作用の可能性も考える必要があります。
特に、手足のだるさ、脱力感、筋肉痛、むくみ、血圧上昇などが現れた場合は、甘草を含む製剤による影響にも注意が必要です。
また、息苦しさ、空せき、発熱など、重篤な副作用が疑われる症状が現れた場合には、服用を中止して医師の診療を受けることが重要です。
漢方薬の副作用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
漢方薬を併用するときは「処方」だけでなく「生薬」を確認
漢方薬の飲み合わせを考えるときは、漢方薬の名前だけを見るのではなく、どのような生薬が含まれているかを確認することが重要です。
特に複数の漢方薬を使用する場合には、同じ生薬が含まれていないか確認しましょう。
また、漢方薬以外の医薬品を使用している場合にも、併用について確認が必要になることがあります。
自己判断で複数の漢方薬を組み合わせるのではなく、使用している商品を薬剤師や登録販売者に見せて相談すると安心です。
まとめ
漢方薬は、複数の処方を使用することがありますが、漢方薬同士なら必ず安全に併用できるとは限りません。
複数の漢方薬を使うと、同じ生薬が重複することがあります。
特に甘草は多くの漢方処方に含まれるため、重複による影響に注意が必要です。甘草を含む製剤では、偽アルドステロン症やミオパチーなどへの注意が必要な場合があります。
また、漢方薬と一般用医薬品や医療用医薬品を併用する場合にも、組み合わせについて確認したほうがよいことがあります。
複数の医薬品を使用している場合や、漢方薬を追加したい場合は、自己判断せず、薬剤師または登録販売者などに相談しましょう。

