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登録販売者試験 第3章完全攻略⑳|高コレステロール改善薬の働き・代表成分・生活習慣改善と受診勧奨

高コレステロール改善薬とは

コレステロールは、細胞の構成成分であるほか、胆汁酸や副腎皮質ホルモンなどの生理活性物質の産生にも関わる、人体に不可欠な物質です。

コレステロールの産生や代謝は、主として肝臓で行われます。

コレステロールは水に溶けにくいため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質として存在しています。

その代表が、LDL(低密度リポタンパク質)HDL(高密度リポタンパク質)です。

高コレステロール改善薬は、血中コレステロール異常の改善や、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、しびれ)の緩和などを目的として使用されます。

LDLとHDLの違い

種類 働き
LDL コレステロールを肝臓から末梢組織へ運ぶ
HDL 末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へ運ぶ

LDLが多く、HDLが少ない状態では、コレステロールの運搬が末梢組織側に偏って蓄積し、心臓病、肥満、動脈硬化症などの生活習慣病につながる危険性が高くなります。

このため、LDLコレステロールを「悪玉コレステロール」、HDLコレステロールを「善玉コレステロール」と呼ぶことがあります。

脂質異常症の検査値

血漿中のリポタンパク質のバランスが乱れても、生活習慣病が生じる以前の段階では、通常、自覚症状を伴いません。

そのため、自分で異常に気づいて受診するより、健康診断などで偶然指摘されたり、生活習慣病を発症してから指摘されたりすることが多くあります。

医療機関で測定する検査値として、次のいずれかに該当する状態を脂質異常症といいます。

  • LDLコレステロールが140mg/dL以上
  • HDLコレステロールが40mg/dL未満
  • 中性脂肪が空腹時150mg/dL以上

試験では、「LDL 140以上」「HDL 40未満」「空腹時中性脂肪150以上」という数字が重要です。

高コレステロール改善薬の働き

高コレステロール改善薬には、さまざまな作用を持つ成分が配合されています。

代表的な作用として、

  • 腸管からのコレステロール吸収を抑える
  • 肝臓におけるコレステロールの代謝を促す
  • LDLなどの異化・排泄を促す
  • HDLの産生を高める
  • 末梢血行を促進する

などがあります。

① 大豆油不けん化物(ソイステロール)

大豆油不けん化物(ソイステロール)は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える作用があるとされています。

高コレステロール改善薬に配合される代表的な成分の一つです。

② リノール酸

リノール酸は、コレステロールと結合して代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促すことを期待して用いられます。

植物油などに含まれる脂肪酸としても知られています。

③ ポリエンホスファチジルコリン

ポリエンホスファチジルコリンも、リノール酸と同様にコレステロールと結合して代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロール代謝を促す目的で用いられます。

④ パンテチン

パンテチンは、LDLなどの異化・排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、HDL産生を高める作用があるとされています。

「パンテチン=LDLを減らす方向+HDLを増やす方向」と整理すると覚えやすくなります。

高コレステロール改善成分の副作用

高コレステロール改善成分では、主として消化器系の副作用が現れることがあります。

  • 悪心(吐きけ)
  • 胃部不快感
  • 胸やけ
  • 下痢

このため、服用後に消化器症状が現れた場合には、症状の程度や継続状況を確認する必要があります。

⑤ ビタミンB2

高コレステロール改善薬には、ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステル等)が配合される場合があります。

リボフラビンは体内で活性化され、フラビン酵素の補酵素として、糖質や脂質などの代謝に広く関与します。

また、コレステロールの生合成抑制、排泄・異化促進、中性脂肪抑制、過酸化脂質分解などの作用があるとされています。

ビタミンB2で尿が黄色くなる

ビタミンB2を摂取すると、尿が黄色くなることがあります。

これはビタミンB2の色によるもので、通常、使用を中止する必要がある副作用などの異常ではありません。

「尿が黄色い=危険な副作用」と判断しないことがポイントです。

⑥ ビタミンE

ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)は、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされています。

そのため、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、しびれ)の緩和などを目的として用いられます。

⑦ ガンマ-オリザノール

ガンマ-オリザノールが、高コレステロール改善薬に配合される場合があります。

ビタミンEと同様に、末梢血行障害の緩和などを期待して用いられる成分として整理しておきましょう。

高コレステロール改善薬だけで改善しない

高コレステロール改善薬による対処は、あくまで食事療法や運動療法の補助的な位置づけです。

高コレステロール改善薬を使用すれば、生活習慣を変えなくても改善できるというわけではありません。

コレステロールは、食事から摂取された糖や脂質から主に産生されます。

そのため、糖質や脂質を多く含む食品の過度な摂取を控えるとともに、日常生活に適度な運動を取り入れるなど、生活習慣を改善することが重要です。

高コレステロール改善薬は痩せる薬ではない

高コレステロール改善薬は、結果的に生活習慣病の予防につながることがあります。

しかし、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とした医薬品ではありません。

「コレステロールを下げる薬だから体脂肪も減る」と考えるのは誤りです。

生活習慣病を予防するためには、医薬品の使用だけでなく、食生活や運動習慣を見直すことが重要です。

メタボリックシンドロームとの関係

生活習慣病を生じるリスクは、血中コレステロールだけでなく、腹囲などの身体的指標とも関係します。

手引きでは、目安としてウエスト周囲径(腹囲)が男性85cm、女性90cm以上の場合、生活習慣病を生じるリスクが高まるとされています。

そのため、メタボリックシンドロームの予防では、血中コレステロール値にも注意することが重要です。

1~3か月使用しても改善しない場合

生活習慣の改善を図りながら、しばらくの間、1~3か月高コレステロール改善薬を使用しても検査値に改善がみられない場合には、使用を漫然と継続しないことが重要です。

このような場合には、遺伝的要因や内分泌的要因が関係している可能性があります。

そのため、いったん使用を中止して医師の診療を受けるなどの対応が必要です。

高コレステロール改善薬の重要ポイント一覧

項目 重要ポイント
コレステロール 細胞の構成成分。胆汁酸や副腎皮質ホルモンなどの産生にも重要
産生・代謝 主として肝臓で行われる
LDL 肝臓から末梢組織へコレステロールを運ぶ
HDL 末梢組織からコレステロールを取り込み、肝臓へ運ぶ
脂質異常症 LDL 140mg/dL以上、HDL 40mg/dL未満、空腹時中性脂肪150mg/dL以上のいずれか
大豆油不けん化物 腸管でのコレステロール吸収を抑える
リノール酸 コレステロールエステルを形成し、肝臓での代謝を促す
ポリエンホスファチジルコリン リノール酸と同様、肝臓でのコレステロール代謝を促す
パンテチン LDL等の異化・排泄を促進、HDL産生を高める
ビタミンB2 コレステロール代謝などに関与。尿が黄色くなることがある
ビタミンE 過酸化脂質の生成抑制、末梢血行促進
副作用 悪心、胃部不快感、胸やけ、下痢など
生活習慣 高コレステロール改善薬は食事療法・運動療法の補助
痩身効果 ウエストを減少させることを目的とした薬ではない
腹囲 目安として男性85cm、女性90cm以上で生活習慣病リスクが高まる
1~3か月 生活習慣改善+使用でも検査値が改善しなければ受診

ここは絶対に覚えたい!

高コレステロール改善薬では、まず「LDL=肝臓→末梢」「HDL=末梢→肝臓」を覚えましょう。

検査値は、LDL 140mg/dL以上、HDL 40mg/dL未満、空腹時中性脂肪150mg/dL以上です。

成分では、

大豆油不けん化物 → コレステロール吸収を抑える

リノール酸・ポリエンホスファチジルコリン → 肝臓での代謝を促す

パンテチン → LDL等の異化・排泄促進+HDL産生を高める

ビタミンB2 → コレステロール代謝などに関与・尿が黄色くなることがある

ビタミンE → 過酸化脂質の生成を抑え、末梢血行を促進

という形で整理しておきましょう。

そして非常に重要なのが、「高コレステロール改善薬は生活習慣改善の補助」という点です。

さらに、1~3か月使用しても検査値が改善しない → 使用中止+受診までセットで覚えておくと、受診勧奨の問題にも対応できます。

予想問題

問1

LDLは末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へ運び、HDLは肝臓から末梢組織へコレステロールを運ぶ。

解説

誤り。逆です。LDLは肝臓から末梢組織へコレステロールを運び、HDLは末梢組織から肝臓へコレステロールを運びます。

問2

LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、空腹時中性脂肪が150mg/dL以上のいずれかである場合、脂質異常症に該当する。

解説

正しい。手引きでは、LDL 140mg/dL以上、HDL 40mg/dL未満、空腹時中性脂肪150mg/dL以上のいずれかである状態を脂質異常症としています。

問3

大豆油不けん化物(ソイステロール)は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。

解説

正しい。大豆油不けん化物には、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされています。

問4

パンテチンは、LDLなどの異化・排泄を促進し、HDLの産生を高める作用があるとされる。

解説

正しい。パンテチンには、LDLなどの異化・排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めてHDL産生を高める作用があるとされています。

問5

ビタミンB2を服用して尿が黄色くなった場合は、重大な副作用なので直ちに使用を中止しなければならない。

解説

誤り。ビタミンB2を摂取すると尿が黄色くなることがありますが、これは使用の中止を要する副作用などの異常ではありません。

問6

ビタミンEは、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされる。

解説

正しい。ビタミンEには、過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管の血行を促進する作用があるとされ、手足の冷えやしびれなどの緩和に用いられます。

問7

高コレステロール改善薬を使用すれば、食事療法や運動療法を行わなくても十分な改善が期待できる。

解説

誤り。高コレステロール改善薬は、食事療法や運動療法の補助的な位置づけです。糖質や脂質を多く含む食品の過度な摂取を控え、適度な運動を取り入れるなど、生活習慣の改善が重要です。

問8

高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径を減少させる痩身効果を目的として使用する医薬品である。

解説

誤り。高コレステロール改善薬は、生活習慣病の予防につながることがありますが、ウエスト周囲径を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品ではありません。

問9

生活習慣の改善を図りながら高コレステロール改善薬を1~3か月使用しても検査値が改善しない場合には、漫然と使用を続ける。

解説

誤り。1~3か月使用しても検査値に改善がみられない場合には、遺伝的要因や内分泌的要因などが疑われます。いったん使用を中止して医師の診療を受けるなどの対応が必要です。

問10

高コレステロール改善薬では、悪心、胃部不快感、胸やけ、下痢などの消化器系副作用が現れることがある。

解説

正しい。高コレステロール改善成分では、悪心、胃部不快感、胸やけ、下痢などの消化器系副作用が現れることがあります。

まとめ

高コレステロール改善薬では、まずLDLとHDLの働きの違いを理解することが重要です。

LDLは肝臓から末梢組織へ、HDLは末梢組織から肝臓へコレステロールを運びます。

検査値では、LDL 140mg/dL以上、HDL 40mg/dL未満、空腹時中性脂肪150mg/dL以上を確実に覚えておきましょう。

代表的な成分では、大豆油不けん化物、リノール酸、ポリエンホスファチジルコリン、パンテチン、ビタミンB2、ビタミンEの作用を整理します。

また、高コレステロール改善薬は食事療法・運動療法の補助であり、痩身薬ではないことも重要です。

最後に、生活習慣を改善しながら1~3か月使用しても検査値が改善しない場合は、漫然と継続せず受診するという判断まで押さえておきましょう。

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

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