耳の働きとは
登録販売者試験第2章「人体の働きと医薬品」では、感覚器官の構造と働きを理解することが重要です。
第2章⑦では、音を感じる聴覚と、身体の位置や動きを感じる平衡感覚に関係する耳の構造と働きについて学びます。
耳は、
・音を感じる
・身体の傾きや回転を感じる
・身体の平衡を保つ
などの重要な働きをしています。
特に、
・外耳、中耳、内耳
・耳介と外耳道
・鼓膜
・耳小骨
・耳管
・蝸牛
・聴細胞
・前庭
・耳石器官
・半規管
・乗り物酔い
は、登録販売者試験で重要なポイントです。
本記事では、耳の構造と働きについて、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・耳の基本的な働き
・外耳の構造
・耳介と外耳道
・耳垢の役割
・中耳の構造
・鼓膜
・耳小骨
・耳管
・内耳の構造
・蝸牛と聴覚
・前庭と平衡感覚
・耳石器官
・半規管
・乗り物酔い
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題
耳は聴覚と平衡感覚に関係する
耳は、聴覚情報と平衡感覚を感知する器官です。
耳は左右に一対あり、音を聞くだけでなく、身体の位置や動きを感じ取る働きもあります。
耳は大きく、
・外耳
・中耳
・内耳
の3つに分けられます。
外耳の構造
外耳は、耳介と外耳道から構成されています。
耳介は、顔の側面から外側へ突出している部分で、周囲から音を集める働きをしています。
集められた音は外耳道を通って鼓膜へ伝わります。
耳介
耳介は、軟骨組織が皮膚で覆われた構造になっています。
耳介によって音が集められ、外耳道へ導かれます。
外耳道
外耳道は、耳介から鼓膜まで続く音の通り道です。
外耳道の軟骨部には耳毛が生えており、空気中のほこりなどが奥へ入り込むのを防いでいます。
また、外耳道には耳垢腺や皮脂腺があります。
これらの分泌物にほこりや外耳道上皮の老廃物などが混じることで、耳垢ができます。
中耳の構造
中耳は、外耳と内耳をつなぐ部分です。
中耳は、
・鼓膜
・鼓室
・耳小骨
・耳管
から構成されています。
鼓膜
外耳道を伝わってきた音は鼓膜を振動させます。
鼓膜は、音の振動を中耳の耳小骨へ伝える重要な部分です。
耳小骨
中耳には、互いに連結した3つの小さな骨があります。
これらを耳小骨といい、鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝えます。
耳管
鼓室は、耳管によって鼻腔や咽頭とつながっています。
耳管には、中耳と外気の気圧差を調整する働きがあります。
飛行機の離着陸やエレベーターなどによって急激な気圧変化が起こると、鼓膜の内外に気圧差が生じ、耳がつまったような不快感や痛みが生じることがあります。
このような場合、あくびや唾液を飲み込むなどの耳抜き動作によって耳管が開くと、気圧の均衡が戻って症状が改善することがあります。
子どもは中耳の感染に注意する
小さな子どもでは、耳管が太く短く、走行が水平に近いという特徴があります。
そのため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入して中耳に感染が起こりやすいとされています。
このため、子どもでは中耳炎に注意する必要があります。
内耳の構造
内耳は、
・蝸牛
・前庭
の2つの部分から構成されています。
蝸牛は聴覚に関係し、前庭は平衡感覚に関係しています。
蝸牛と聴覚
蝸牛は、渦巻き状をした器官です。
内部はリンパ液で満たされています。
中耳の耳小骨から伝わった振動がリンパ液を振動させ、その振動によって聴細胞が刺激されます。
聴細胞の刺激は聴神経を介して脳へ伝えられ、音として認識されます。
聴覚の流れ
音は、
外耳道 → 鼓膜 → 耳小骨 → 内耳 → 蝸牛 → 聴神経 → 脳
という流れで伝わります。
この順番を覚えておくと、試験問題にも対応しやすくなります。
前庭と平衡感覚
前庭は、身体の位置や動きを感じ取る平衡器官です。
前庭には、
・耳石器官
・半規管
があります。
耳石器官
耳石器官は、身体の直線的な動きを感じ取る部分です。
水平・垂直方向の加速度を感知し、身体がどの方向へ動いているのかを把握することに関係しています。
半規管
半規管は、身体の回転や傾きを感じ取る部分です。
頭部が回転すると、半規管内部のリンパ液が動き、その動きが感覚細胞を刺激します。
この情報が脳へ伝えられ、身体の回転や傾きが認識されます。
乗り物酔いが起こる仕組み
乗り物酔いは、医学的には動揺病と呼ばれます。
乗り物に乗っているときには、身体に繰り返し加速度や揺れが加わります。
その際、前庭から伝えられる平衡感覚の情報と、目から入る視覚情報などとの間にずれが生じることで、感覚が混乱し、吐き気やめまいなどの症状が生じることがあります。
乗り物酔いは、身体の平衡感覚と深く関係しています。
試験で覚えておきたいポイント
第2章⑦では、次のポイントを押さえておきましょう。
① 耳は聴覚と平衡感覚に関係する
② 耳は外耳、中耳、内耳に分かれる
③ 外耳は耳介と外耳道から構成される
④ 鼓膜は音の振動を受け取る
⑤ 耳小骨は鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝える
⑥ 耳管は中耳と鼻腔・咽頭をつなぐ
⑦ 蝸牛は聴覚に関係する
⑧ 聴細胞が刺激を受けることで聴覚情報が伝えられる
⑨ 前庭は平衡感覚に関係する
⑩ 耳石器官は水平・垂直方向の加速度を感知する
⑪ 半規管は身体の回転や傾きを感知する
⑫ 乗り物酔いは平衡感覚の混乱などによって起こる
試験で間違えやすいポイント
「耳は音を聞くためだけの器官である」
→誤り
耳は聴覚だけでなく、平衡感覚にも関係しています。
「外耳は耳介と外耳道から構成される」
→正しい
耳介で音を集め、外耳道を通して鼓膜へ伝えます。
「耳小骨は鼓膜の振動を内耳へ伝える」
→正しい
中耳の耳小骨は、鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝えます。
「耳管は中耳と鼻腔や咽頭をつないでいる」
→正しい
耳管によって中耳と外気との気圧差が調整されます。
「蝸牛は平衡感覚を受け取る器官である」
→誤り
蝸牛は聴覚に関係する器官です。平衡感覚には前庭が関係します。
「半規管は身体の回転や傾きを感知する」
→正しい
半規管は身体の回転や傾きを感知します。
「耳石器官は水平・垂直方向の加速度を感知する」
→正しい
耳石器官は直線的な運動に伴う加速度を感知します。
「小さな子どもでは中耳に感染が起こりにくい」
→誤り
小さな子どもでは耳管が太く短く、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入して感染が起こりやすくなります。
予想問題
問1
耳について、正しいものはどれか。
① 耳は聴覚だけに関係する
② 耳は聴覚と平衡感覚に関係する
③ 耳は外耳と内耳の2つに分かれる
④ 耳には神経が存在しない
答え:②
解説
耳は、音を感じ取る聴覚と、身体の位置や動きを感じ取る平衡感覚の両方に関係する器官です。
問2
中耳について、正しいものはどれか。
① 中耳には鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管がある
② 中耳には蝸牛がある
③ 中耳では平衡感覚を直接受容する
④ 中耳には耳小骨が存在しない
答え:①
解説
中耳は、鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管から構成されます。耳小骨は鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝えます。
問3
蝸牛について、正しいものはどれか。
① 蝸牛は平衡感覚を受け取る器官である
② 蝸牛は聴覚に関係する器官である
③ 蝸牛は中耳に存在する
④ 蝸牛は耳管の一部である
答え:②
解説
蝸牛は内耳にある渦巻き状の器官で、内部のリンパ液の振動を介して聴細胞が刺激され、聴覚情報が伝えられます。
問4
平衡感覚について、正しいものはどれか。
① 平衡感覚には前庭が関係する
② 平衡感覚には蝸牛だけが関係する
③ 半規管は音を感じ取る器官である
④ 耳石器官は聴覚を受容する器官である
答え:①
解説
前庭は平衡器官で、耳石器官は水平・垂直方向の加速度、半規管は身体の回転や傾きを感知します。
問5
乗り物酔いについて、正しいものはどれか。
① 平衡感覚とは関係がない
② 身体に加わる揺れや加速度によって平衡感覚が混乱して生じる
③ 聴覚だけによって起こる
④ 乗り物に乗らなくても必ず発生する
答え:②
解説
乗り物酔いは動揺病ともいい、乗り物に乗っているときに繰り返される加速度や動揺によって平衡感覚が混乱し、吐き気やめまいなどが生じます。
まとめ
登録販売者試験第2章⑦では、耳は聴覚だけでなく平衡感覚にも関係する器官であることを理解しておきましょう。
特に重要なのは、
① 耳は聴覚と平衡感覚を感知する
② 耳は外耳、中耳、内耳に分かれる
③ 外耳は耳介と外耳道から構成される
④ 鼓膜は音の振動を受け取る
⑤ 耳小骨は鼓膜の振動を増幅して内耳へ伝える
⑥ 耳管は中耳と鼻腔・咽頭をつなぐ
⑦ 蝸牛は聴覚に関係する
⑧ 前庭は平衡感覚に関係する
⑨ 耳石器官は水平・垂直方向の加速度を感知する
⑩ 半規管は身体の回転や傾きを感知する
⑪ 乗り物酔いは平衡感覚の混乱などによって起こる
というポイントです。
耳の構造を理解しておくと、次に学ぶ乗り物酔い防止薬など、医薬品が感覚器官にどのように関係するのかを理解しやすくなります。
第2章では、次に皮膚の構造と働きについて学習していきます。

