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登録販売者試験 第3章完全攻略㊱|胃の不調に用いる漢方処方製剤4選|安中散・人参湯・平胃散・六君子湯

胃の不調に用いる漢方処方製剤

漢方処方製剤には、胃炎、胃腸虚弱、消化不良、食欲不振、胃痛、腹痛、嘔吐などの胃腸症状に用いられるものがあります。

令和8年4月版の手引きでは、胃の不調を改善する目的で用いられる代表的な漢方処方製剤として、安中散、人参湯(理中丸)、平胃散、六君子湯が挙げられています。

これら4処方はいずれもカンゾウを構成生薬として含むこと、また比較的長期間、1か月位服用されることがある点も共通しています。

安中散

安中散(あんちゅうさん)は、体力中等度以下で、腹部は力がなく、胃痛又は腹痛があり、ときに胸やけ、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、吐きけ、嘔吐などを伴う人に適するとされます。

主な適応は、

  • 神経性胃炎
  • 慢性胃炎
  • 胃腸虚弱

です。

安中散の覚え方

安中散では、「体力中等度以下+腹部の力がない+胃痛・腹痛」を軸に覚えると整理しやすくなります。

そこに、胸やけ、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、吐きけ、嘔吐などの胃腸症状が加わります。

人参湯(理中丸)

人参湯(にんじんとう)は、別名理中丸(りちゅうがん)とも呼ばれます。

体力虚弱で、疲れやすく、手足などが冷えやすい人の胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急性・慢性胃炎などに適するとされます。

人参湯の重要ポイント

人参湯は、今回の4処方の中でも「体力虚弱+冷えやすい」という特徴が重要です。

また、下痢や嘔吐に用いる場合には漫然と長期使用しないことが重要です。

1週間位使用しても症状の改善がみられない場合には、いったん使用を中止して専門家に相談する必要があります。

平胃散

平胃散(へいいさん)は、体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、ときに吐きけ、食後に腹が鳴って下痢の傾向がある人に適するとされます。

主な適応は、

  • 食べすぎによる胃のもたれ
  • 急性・慢性胃炎
  • 消化不良
  • 食欲不振

です。

平胃散の覚え方

平胃散では、「食べすぎによる胃もたれ+消化不良」を中心に覚えましょう。

「胃がもたれる」という点では安中散とも似ていますが、平胃散は体力中等度以上で、食べすぎによる胃もたれや消化不良という点がポイントです。

平胃散の使用期間

平胃散を急性胃炎に用いる場合には、漫然と長期の使用を避けます。

5~6回使用しても症状の改善がみられない場合には、いったん使用を中止して専門家に相談するなどの対応が必要です。

六君子湯

六君子湯(りっくんしとう)は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい人に適するとされます。

主な適応は、

  • 胃炎
  • 胃腸虚弱
  • 胃下垂
  • 消化不良
  • 食欲不振
  • 胃痛
  • 嘔吐

です。

六君子湯の重要ポイント

六君子湯では、「胃腸が弱い+食欲がない+みぞおちがつかえる+疲れやすい」という特徴を押さえましょう。

さらに、貧血性で手足が冷えやすいというしばりも重要です。

六君子湯の重篤な副作用

六君子湯では、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることが知られています。

4処方の違いを比較

処方 体力 特徴 主な適応 重要な注意
安中散 中等度以下 腹部に力がない、胃痛・腹痛 神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱 カンゾウを含む
人参湯(理中丸) 虚弱 疲れやすい、手足が冷えやすい 胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎 下痢・嘔吐で1週間位改善しなければ相談
平胃散 中等度以上 胃もたれ、消化不良、食後に腹が鳴る 食べすぎによる胃もたれ、急・慢性胃炎、消化不良、食欲不振 急性胃炎で5~6回改善しなければ相談
六君子湯 中等度以下 胃腸が弱い、食欲不振、みぞおちのつかえ、疲れやすい 胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐 肝機能障害

「胃もたれ」だけで処方を決めない

安中散と平胃散はいずれも胃の不調に用いられますが、適する人の状態は異なります。

安中散 → 体力中等度以下・腹部に力がない・胃痛や腹痛

平胃散 → 体力中等度以上・胃もたれ・消化不良・食べすぎ

という違いを覚えておきましょう。

同じ胃腸症状でも、体力や症状の組み合わせによって適する処方が異なるため、症状名だけで漢方薬を選ばないことが重要です。

「体力」で4処方を整理

体力 処方
体力虚弱 人参湯
体力中等度以下 安中散、六君子湯
体力中等度以上 平胃散

「虚弱」「中等度以下」「中等度以上」の違いを意識すると、4処方の区別がしやすくなります。

4処方はすべてカンゾウを含む

安中散、人参湯、平胃散、六君子湯は、いずれも構成生薬としてカンゾウを含みます。

そのため、これらを使用する際には、ほかのカンゾウ含有医薬品との生薬の重複に注意する必要があります。

カンゾウを含む医薬品を重複して使用すると、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなるおそれがあります。

特に、ほかの漢方処方製剤や生薬製剤を併用している場合には、同じ生薬が含まれていないか確認することが重要です。

漢方処方製剤は比較的長期間使用されることがある

今回の4処方はいずれも、比較的長期間、1か月位服用されることがあります。

ただし、これは漫然と長期間使用してよいという意味ではありません。

特定の症状に用いる場合には、それぞれ使用期間に関する注意があります。

人参湯 → 下痢・嘔吐で1週間位

平胃散 → 急性胃炎で5~6回

と覚えておきましょう。

胃の症状が長く続く場合は受診

胃の不調には、単なる食べすぎや一時的な胃腸虚弱だけではなく、さまざまな疾患が隠れている可能性があります。

そのため、漢方処方製剤を使用しても症状が改善しない場合には、漫然と使用を継続せず、専門家への相談や医療機関の受診が必要です。

特に、今回の4処方では、使用目的に応じた1週間位・5~6回という具体的な目安を確実に覚えておきましょう。

重要ポイントまとめ

処方 一言で覚える
安中散 「中等度以下・腹部の力がない・胃痛/腹痛」
人参湯 「虚弱・冷え・下痢/嘔吐」
平胃散 「中等度以上・食べすぎ・胃もたれ/消化不良」
六君子湯 「中等度以下・胃腸虚弱・食欲不振・みぞおちのつかえ」

ここは絶対に覚えたい!

安中散 → 体力中等度以下 → 腹部に力がない → 胃痛・腹痛

安中散 → 神経性胃炎・慢性胃炎・胃腸虚弱

人参湯(理中丸) → 体力虚弱 → 疲れやすい・手足が冷えやすい

人参湯 → 下痢・嘔吐 → 1週間位で改善しなければ相談

平胃散 → 体力中等度以上 → 食べすぎによる胃もたれ・消化不良

平胃散 → 急性胃炎 → 5~6回で改善しなければ相談

六君子湯 → 体力中等度以下 → 胃腸が弱い・食欲がない・みぞおちがつかえる

六君子湯 → まれに肝機能障害

安中散・人参湯・平胃散・六君子湯 → すべてカンゾウを含む

4処方 → 比較的長期間(1か月位)服用されることがある

予想問題

問1

安中散は、体力中等度以下で、腹部は力がなく、胃痛又は腹痛がある人の神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱などに適するとされる。

解説

正しい。安中散は、体力中等度以下で、腹部は力がなく、胃痛又は腹痛があり、ときに胸やけ、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、吐きけ、嘔吐などを伴うものに適するとされます。

問2

人参湯(理中丸)は、体力が充実していて、手足が熱くなりやすい人の胃腸症状に適する。

解説

誤り。人参湯は体力虚弱で、疲れやすく、手足などが冷えやすい人に適するとされます。

問3

人参湯を下痢又は嘔吐に使用する場合、1週間位使用しても症状の改善がみられなければ、漫然と使用を継続せず、専門家に相談する。

解説

正しい。下痢又は嘔吐に用いる場合には漫然と長期使用を避け、1週間位使用しても改善しないときは、いったん使用を中止して専門家に相談します。

問4

平胃散は、体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、食べすぎによる胃のもたれなどに適するとされる。

解説

正しい。平胃散は、体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、ときに吐きけ、食後に腹が鳴って下痢の傾向があるものの食べすぎによる胃のもたれ、急・慢性胃炎、消化不良、食欲不振などに適するとされます。

問5

平胃散を急性胃炎に使用する場合、5~6回使用しても症状が改善しなくても、そのまま長期間使用を続ける。

解説

誤り。急性胃炎に用いる場合には漫然と長期使用を避け、5~6回使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談します。

問6

六君子湯は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすい人などに適するとされる。

解説

正しい。六君子湯は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐などに適するとされます。

問7

六君子湯では、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。

解説

正しい。六君子湯では、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることが知られています。

問8

安中散、人参湯、平胃散、六君子湯の4処方のうち、カンゾウを含むのは平胃散と六君子湯だけである。

解説

誤り。4処方はいずれも構成生薬としてカンゾウを含みます。

問9

安中散と平胃散はどちらも胃もたれに用いられることがあるため、体力や症状の違いを確認する必要はない。

解説

誤り。安中散は体力中等度以下で腹部に力がなく、胃痛や腹痛などを伴う人に適し、平胃散は体力中等度以上で、食べすぎによる胃もたれや消化不良などに適するとされています。体力や症状の特徴を確認して処方を選択することが重要です。

問10

胃の不調に用いられるこれら4処方は、いずれも比較的長期間、1か月位服用されることがある。

解説

正しい。手引きでは、安中散、人参湯、平胃散、六君子湯はいずれも比較的長期間、1か月位服用されることがあるとされています。

まとめ

胃の不調に用いる漢方処方製剤では、「体力+特徴的な胃腸症状」で処方を区別することが重要です。

安中散=中等度以下・腹部に力がない・胃痛/腹痛人参湯=虚弱・疲れやすい・冷えやすい・下痢/嘔吐平胃散=中等度以上・食べすぎ・胃もたれ/消化不良六君子湯=中等度以下・胃腸虚弱・食欲不振・みぞおちのつかえと整理しましょう。

さらに、4処方すべてカンゾウを含むこと、人参湯の下痢・嘔吐は1週間位、平胃散の急性胃炎は5~6回で改善しなければ相談することも重要です。

六君子湯については、まれに肝機能障害という重篤な副作用があることも確実に覚えておきましょう。

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

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