グリチルリチン酸二カリウムとは?
グリチルリチン酸二カリウムは、市販薬に使われている成分のひとつです。
目薬や鼻炎薬、のどの薬、皮膚用薬など、さまざまな種類の医薬品に配合されています。
名前だけを見ると、どのような働きをする成分なのか分かりにくいかもしれませんが、主に炎症を抑える目的で配合される成分として知られています。
ただし、同じグリチルリチン酸二カリウムでも、配合されている薬の種類や使用部位によって目的は異なります。
この記事では、グリチルリチン酸二カリウムがどのような成分なのか、市販薬ではどのように使われているのか、注意したい点まで分かりやすく解説します。
グリチルリチン酸二カリウムは何に使われる成分?
グリチルリチン酸二カリウムは、甘草(カンゾウ)などに含まれるグリチルリチン酸の塩の一種です。
市販薬では、炎症を抑える目的でさまざまな製品に配合されています。
厚生労働省の一般用医薬品に関する資料でも、グリチルリチン酸二カリウムは、アレルギー用薬、みずむし・たむし用薬、化膿性疾患用薬、含嗽薬、健胃薬、口腔咽喉薬など、複数の医薬品区分で使用されています。
そのため、グリチルリチン酸二カリウムは「この症状だけに使う成分」というものではありません。
実際の商品では、ほかの有効成分と組み合わせて配合されているケースも多く、薬全体として何を目的にした商品なのかを見ることが大切です。
グリチルリチン酸二カリウムの主な特徴
炎症を抑える目的で使われる
グリチルリチン酸二カリウムは、炎症を抑える目的で市販薬に配合されています。
そのため、目の炎症や充血、のどの炎症、皮膚の炎症などを対象とする製品に含まれていることがあります。
ただし、「グリチルリチン酸二カリウムが入っているから、どのような炎症にも使える」という意味ではありません。
医薬品にはそれぞれ効能・効果が定められているため、実際に使用するときは商品の添付文書に記載された効能・効果を確認する必要があります。
ほかの成分と組み合わせて使われることが多い
市販薬では、グリチルリチン酸二カリウム単独ではなく、ほかの有効成分と一緒に配合されている商品があります。
例えば目薬では、抗ヒスタミン成分や血管収縮成分などと組み合わせられている製品があります。
そのため、薬を選ぶときはグリチルリチン酸二カリウムだけを見るのではなく、ほかにどの成分が入っているかまで確認することが重要です。
グリチルリチン酸二カリウムが使われる市販薬
目薬
グリチルリチン酸二カリウムは、目薬にも使われています。
目の炎症や充血などを対象とする目薬に配合されることがあり、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分と組み合わせられている製品もあります。
例えば、目のかゆみを抑える目薬では抗ヒスタミン成分、充血を対象とする製品では血管収縮成分など、商品によって組み合わせが異なります。
そのため、目薬を選ぶときは「グリチルリチン酸二カリウムが入っているか」だけではなく、自分の症状に合った成分構成になっているかを確認しましょう。
目薬について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
市販の目薬の選び方|目の疲れ・乾き・かゆみ・充血など症状別に解説
目のかゆみに使う市販目薬の選び方|抗ヒスタミン・抗アレルギー成分の違い
充血に使う市販目薬の選び方|血管収縮成分の特徴と使いすぎの注意点
鼻炎薬
グリチルリチン酸二カリウムは、鼻炎用の市販薬にも配合されています。
鼻炎薬には、抗ヒスタミン成分、血管収縮成分など、さまざまな成分が使われています。
グリチルリチン酸二カリウムは、そのような成分と組み合わせて配合されることがあります。
鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどがある場合は、グリチルリチン酸二カリウムだけで薬を選ぶのではなく、症状に対応する成分が含まれているかを確認することが大切です。
のどの薬・口腔咽喉薬
グリチルリチン酸二カリウムは、のどの炎症を対象とする市販薬にも使われています。
のどの薬には、炎症を抑える成分のほか、殺菌・消毒を目的とする成分などが配合されることがあります。
「のどが痛い」という症状だけでも、原因や症状の程度によって適した薬は異なります。
そのため、成分名だけで判断せず、商品の効能・効果を確認して選ぶようにしましょう。
皮膚用薬
グリチルリチン酸二カリウムは、皮膚に使用する市販薬にも配合されることがあります。
皮膚用薬では、抗炎症成分のほか、抗真菌成分、殺菌消毒成分、かゆみを抑える成分など、目的に応じてさまざまな成分が使われています。
例えば、かゆみのある皮膚症状でも、虫刺され、湿疹、かぶれ、水虫などでは使用する薬が異なります。
グリチルリチン酸二カリウムが含まれていることだけを理由に、すべての皮膚トラブルに使用できるわけではありません。
グリチルリチン酸二カリウムとグリチルリチン酸の違い
市販薬の成分表示を見ていると、「グリチルリチン酸」「グリチルリチン酸二カリウム」「甘草」など、似た名前を目にすることがあります。
グリチルリチン酸二カリウムは、グリチルリチン酸のカリウム塩です。
また、甘草は漢方薬などにも使用される生薬で、グリチルリチンを含んでいます。
ただし、これらは成分名として完全に同じものではありません。
特に内服薬では、グリチルリチン酸そのものだけでなく、甘草を含む漢方薬などとの重複にも注意が必要です。
グリチルリチン酸二カリウムの注意点
内服薬では過量・長期使用に注意
グリチルリチン酸やその塩類、甘草などを含む医薬品については、長期・大量使用によって偽アルドステロン症が生じることがあります。
偽アルドステロン症では、低カリウム血症、血圧上昇、むくみ、体重増加などがみられることがあります。
厚生労働省も、グリチルリチン酸等を含む医薬品について、長期大量使用による偽アルドステロン症について注意喚起しています。
厚生労働省「グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて」
甘草を含む漢方薬との重複にも注意
グリチルリチン酸二カリウムを含む内服薬を使用している場合、別の薬や漢方薬に含まれる甘草などとの重複にも注意が必要です。
特に複数の市販薬を同時に使用するときは、同じような成分が重複していないか確認しましょう。
漢方薬にも甘草を含むものがあるため、漢方薬と市販薬を併用するときは、薬剤師や登録販売者に相談すると安心です。
漢方薬の併用・飲み合わせ|一緒に使うときの注意点と生薬の重複
外用薬と内服薬では注意点が異なる
グリチルリチン酸二カリウムは、目薬や皮膚用薬などの外用薬にも使用されます。
一方、偽アルドステロン症などについて特に注意が必要なのは、グリチルリチン酸等を含む内服薬などを使用する場合です。
そのため、「グリチルリチン酸二カリウムが入っている薬はすべて同じような副作用が起こる」と考えるのではなく、薬の種類・使用部位・用法用量を含めて確認することが大切です。
グリチルリチン酸二カリウムが入っている薬はどう選ぶ?
グリチルリチン酸二カリウムは、さまざまな市販薬に使われる成分なので、成分名だけを見て商品を選ぶのはおすすめできません。
例えば目のかゆみなら抗ヒスタミン成分、鼻水やくしゃみなら抗ヒスタミン成分、咳なら鎮咳成分、痰なら去痰成分など、症状に応じて必要な成分が異なります。
グリチルリチン酸二カリウムは、その薬の目的に応じて補助的に配合されている場合もあります。
市販薬を選ぶときは、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
- まず自分の症状を確認する
- その症状に対応する市販薬を探す
- 有効成分を確認する
- グリチルリチン酸二カリウム以外の成分も確認する
- ほかに使用している薬との成分重複を確認する
- 用法・用量や使用上の注意を確認する
特に複数の市販薬を使っている場合は、同じような成分が重複している可能性があるため注意しましょう。
グリチルリチン酸二カリウムについてよくある疑問
グリチルリチン酸二カリウムは何に効く?
グリチルリチン酸二カリウムは、炎症を抑える目的で市販薬に配合される成分です。
ただし、薬によって対象となる症状や効能・効果は異なります。目薬、鼻炎薬、のどの薬、皮膚用薬など、さまざまな製品に使われています。
グリチルリチン酸二カリウムが入っていれば炎症に使える?
成分が含まれていることだけを理由に、あらゆる炎症に使えるわけではありません。
市販薬にはそれぞれ効能・効果が定められているため、使用する薬の添付文書を確認してください。
グリチルリチン酸二カリウムは副作用がある?
内服薬などでグリチルリチン酸等を長期・大量に使用すると、低カリウム血症や血圧上昇、むくみなどを伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。
複数の薬を使用している場合や、治療中の病気がある場合は、使用前に薬剤師や登録販売者などに相談しましょう。
グリチルリチン酸二カリウムと甘草は同じ?
同じものではありません。
甘草は生薬で、グリチルリチンを含んでいます。一方、グリチルリチン酸二カリウムはグリチルリチン酸のカリウム塩です。
ただし、内服薬ではグリチルリチン酸等の重複に注意する必要があります。
まとめ
グリチルリチン酸二カリウムは、炎症を抑える目的で市販薬に配合される成分です。
目薬、鼻炎薬、のどの薬、皮膚用薬など幅広い種類の医薬品に使われているため、薬を選ぶときに成分表示で目にする機会も多い成分です。
一方で、内服薬などでは長期・大量使用による偽アルドステロン症などに注意が必要です。
グリチルリチン酸二カリウムが含まれているかだけで薬を選ぶのではなく、症状に対応するほかの有効成分や、使用している薬との重複まで確認することが大切です。
市販薬を複数使用する場合や、治療中の病気・服用中の薬がある場合は、購入時に薬剤師や登録販売者へ相談してください。
参考資料
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