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登録販売者試験 第3章完全攻略⑩|鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分・主な副作用

 

鎮暈薬(乗物酔い防止薬)とは

めまい(眩暈)は、身体の平衡を感知して保持する平衡機能に異常が生じて起こる症状です。

乗物酔い(動揺病)では、乗物の揺れなどによって、目から入る情報と内耳の前庭器官などから入る情報との間にずれが生じることで、めまい、吐きけ、頭痛などが起こります。

鎮暈薬(乗物酔い防止薬)は、こうした乗物酔いによるめまい、吐きけ、頭痛を予防・緩和するために使用される医薬品です。

登録販売者試験では、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分、局所麻酔成分、カフェイン類など、それぞれの働きや副作用が重要です。

 

乗物酔いが起こる仕組み

乗物に乗ると、加速や減速、上下・左右への揺れなどによって、内耳の前庭器官が刺激されます。

一方、目から入る視覚情報が実際の身体の動きと一致しないことがあります。

このような情報のずれが、平衡感覚をつかさどる神経系に影響し、吐きけやめまいなどの乗物酔いの症状につながります。

 

① 抗ヒスタミン成分

鎮暈薬で中心となる成分の一つが抗ヒスタミン成分です。

抗ヒスタミン成分は、延髄にある嘔吐中枢への刺激や、内耳の前庭における自律神経反射を抑えることで、乗物酔いによるめまいや吐きけなどを防止・緩和します。

また、抗ヒスタミン成分の多くは抗コリン作用も持っており、その作用も乗物酔いによるめまいや吐きけの防止・緩和に寄与すると考えられています。

 

ジメンヒドリナート

ジメンヒドリナートは、乗物酔い防止薬に専ら配合される抗ヒスタミン成分です。

めまいを抑える作用に加えて、嘔吐中枢を抑制することで鎮吐作用を示します。

 

メクリジン塩酸塩

メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比較して作用が現れるのが遅く、持続時間が長いことが特徴です。

メクリジン塩酸塩も、専ら乗物酔い防止薬に配合されています。

 

プロメタジンを含む成分

プロメタジン塩酸塩など、プロメタジンを含む成分については、外国で乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があります。

そのため、15歳未満の小児では使用を避ける必要があります。

 

その他の抗ヒスタミン成分

このほか、乗物酔い防止薬にはクロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩などが配合されることがあります。

抗ヒスタミン成分に共通する副作用として、眠気、口渇、目のかすみ、排尿困難などが現れることがあります。

 

② 抗コリン成分

鎮暈薬には、抗ヒスタミン成分のほかに抗コリン成分が配合されることがあります。

抗コリン成分は、アセチルコリンの働きを抑制することで、前庭器官からの刺激が中枢へ伝達される過程に影響し、乗物酔いによるめまいや吐きけを抑える働きを示します。

代表的なものとして、スコポラミン臭化水素酸塩水和物などがあります。

 

抗コリン作用による副作用

抗コリン作用が強い成分では、口渇、目のかすみ、動悸、排尿困難などが現れることがあります。

特に、緑内障や前立腺肥大などの疾患がある人では症状を悪化させるおそれがあるため、使用前に相談することが重要です。

 

③ 局所麻酔成分

乗物酔いによる吐きけを抑えるために、アミノ安息香酸エチルなどの局所麻酔成分が配合されることがあります。

アミノ安息香酸エチルは、消化管粘膜などの知覚神経を麻痺させることで、吐きけなどの不快な感覚を抑える働きがあります。

 

アミノ安息香酸エチルと年齢制限

アミノ安息香酸エチルを含有する製剤では、6歳未満の乳幼児は使用してはいけません。

年齢制限は成分ごとに異なるため、単純に「乗物酔い薬は○歳から」と一括して覚えないことが重要です。

 

④ カフェイン類

鎮暈薬には、眠気を抑えたり、中枢神経系を刺激したりする目的でカフェイン類が配合される場合があります。

代表的なものとして、カフェイン、無水カフェインなどがあります。

ただし、抗ヒスタミン成分などによる眠気を完全に打ち消すものではありません。

 

⑤ ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)

ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)が、乗物酔い防止薬に配合されることがあります。

ビタミンB6は、鎮暈薬において補助的な成分として配合されています。

 

眠気に注意

乗物酔い防止薬では、抗ヒスタミン成分などの影響によって眠気が現れることがあります。

そのため、服用後は自動車の運転や、危険を伴う機械の操作をしてはいけません。

「乗物酔いを防ぐために飲んだ薬だから、眠気が出ても運転できる」という考え方は誤りです。

 

口渇・目のかすみなどの抗コリン作用

抗ヒスタミン成分や抗コリン成分では、抗コリン作用によって口渇、目のかすみ、排尿困難などが現れることがあります。

特に排尿障害のある人や緑内障のある人では、症状の悪化に注意する必要があります。

 

乗物酔い防止薬の副作用まとめ

成分・作用 主な注意点
抗ヒスタミン成分 眠気、口渇、目のかすみ、排尿困難など
抗コリン成分 口渇、目のかすみ、動悸、排尿困難など
プロメタジン含有成分 15歳未満の小児では使用を避ける
アミノ安息香酸エチル 6歳未満の乳幼児には使用しない
カフェイン類 過量摂取による中枢神経系・循環器系への影響に注意

 

乗物酔い防止薬を使用する人への確認

乗物酔い防止薬を販売する際には、年齢だけでなく、ほかに使用している医薬品、持病、妊娠の有無などを確認することが重要です。

特に抗ヒスタミン成分や抗コリン成分を含む製品では、緑内障や前立腺肥大などの疾患がある人への使用に注意します。

また、他の医薬品との併用によって眠気や抗コリン作用が強く現れる可能性があるため、使用中の薬を確認することが重要です。

 

試験で狙われやすいポイント

ポイント 覚え方
ジメンヒドリナート 専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分
メクリジン塩酸塩 作用発現が遅く、持続時間が長い
プロメタジン 15歳未満の小児では使用を避ける
アミノ安息香酸エチル 6歳未満の乳幼児には使用しない
抗ヒスタミン成分 嘔吐中枢への刺激や前庭の自律神経反射を抑える
抗コリン成分 口渇、目のかすみ、排尿困難などに注意
服用後 自動車の運転や危険な機械操作をしない

 

ここは絶対に覚えたい!

鎮暈薬では、まず「乗物酔いによるめまい・吐きけ・頭痛を予防・緩和する薬」と覚えましょう。

次に、抗ヒスタミン成分は「嘔吐中枢+前庭の自律神経反射」を抑えることが重要です。

そして、成分ごとの年齢制限を確実に押さえます。

プロメタジンを含む成分 → 15歳未満は使用を避ける

アミノ安息香酸エチル → 6歳未満は使用しない

さらに、抗ヒスタミン・抗コリン作用による眠気、口渇、目のかすみ、排尿困難も重要なポイントです。

 

予想問題

問1

抗ヒスタミン成分は、延髄にある嘔吐中枢への刺激や、内耳の前庭における自律神経反射を抑えることで、乗物酔いによるめまいや吐きけを防止・緩和する。

解説

正しい。抗ヒスタミン成分は、嘔吐中枢への刺激や前庭における自律神経反射を抑える作用を示します。

問2

ジメンヒドリナートは、専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分である。

解説

正しい。ジメンヒドリナートは、専ら乗物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分です。

問3

メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが速く、持続時間が短い。

解説

誤り。メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く、持続時間が長いことが特徴です。

問4

プロメタジンを含む成分は、15歳未満の小児にも安全に使用できる。

解説

誤り。プロメタジンを含む成分については、外国で乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避けます。

問5

アミノ安息香酸エチルを含有する乗物酔い防止薬は、6歳未満の乳幼児にも使用できる。

解説

誤り。アミノ安息香酸エチルを含有する製剤では、6歳未満の乳幼児は使用してはいけません。

問6

抗ヒスタミン成分を含む乗物酔い防止薬を服用した後は、眠気が生じることがあっても自動車を運転してよい。

解説

誤り。抗ヒスタミン成分によって眠気が現れることがあるため、服用後は自動車の運転や危険を伴う機械の操作をしてはいけません。

問7

抗コリン作用によって、口渇、目のかすみ、排尿困難などが現れることがある。

解説

正しい。抗ヒスタミン成分や抗コリン成分の抗コリン作用によって、口渇、目のかすみ、排尿困難などが現れることがあります。

問8

抗コリン作用を持つ乗物酔い防止薬は、緑内障や前立腺肥大のある人でも特に注意する必要はない。

解説

誤り。抗コリン作用によって、緑内障や前立腺肥大に伴う排尿障害などを悪化させるおそれがあります。使用前に相談することが重要です。

問9

乗物酔い防止薬に含まれるカフェインは、抗ヒスタミン成分による眠気を必ず完全に打ち消す。

解説

誤り。カフェイン類が配合されていても、抗ヒスタミン成分などによる眠気を完全に打ち消すとは限りません。服用後の運転や危険な機械操作は避けます。

問10

乗物酔い防止薬を販売する際には、購入者が使用している他の医薬品や持病などを確認することが重要である。

解説

正しい。他の医薬品との併用や、持病との関係によって副作用や症状悪化のリスクが変わるため、販売時には使用中の医薬品や健康状態を確認することが重要です。

 

まとめ

鎮暈薬(乗物酔い防止薬)は、乗物酔いによるめまい・吐きけ・頭痛の予防・緩和に使用されます。

試験では、特に抗ヒスタミン成分の働き、ジメンヒドリナート、メクリジン塩酸塩、プロメタジン、アミノ安息香酸エチル、抗コリン作用による副作用が重要です。

年齢制限については、プロメタジンを含む成分は15歳未満では使用を避ける、アミノ安息香酸エチルは6歳未満では使用しないという違いを確実に覚えておきましょう。

また、抗ヒスタミン成分などによる眠気があるため、服用後の自動車運転や危険を伴う機械操作は禁止です。

 

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

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