皮膚に用いる薬とは
皮膚に用いる薬には、きず口等の殺菌消毒、痒み・腫れ・痛み等の緩和、肌の角質化やかさつきの改善、抗菌、抗真菌、頭皮・毛根への作用などを目的とするさまざまな外用薬があります。
第3章では、それぞれの症状に対してどのような成分が配合され、どのような作用を示すのか、また使用上どのような注意が必要なのかが問われます。
皮膚に用いる薬は、症状を抑えることだけでなく、感染症など別の疾患が隠れていないか、長期連用していないか、患部の状態が適切かを見極めることも重要です。
外皮用薬に共通する主な副作用
外皮用薬では、適用した部位に発疹・発赤、痒みなどの局所性の副作用が現れることがあります。
これらは、もともとの皮膚症状と区別することが難しい場合があります。
そのため、外皮用薬を一定期間使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せず、副作用の可能性も考慮して専門家に相談することが重要です。
きず口等の殺菌消毒成分
殺菌消毒薬は、日常生活で生じる比較的小さなきり傷、擦り傷、掻き傷等の創傷面の化膿を防止すること、または手指・皮膚を消毒することを目的として使用されます。
配合成分や濃度、効能・効果などが定められた範囲内の製品には、医薬部外品として販売されているものもあります。
ただし、火傷や化膿した創傷面の消毒、口腔内の殺菌・消毒などを併せて目的とする製品は医薬品として扱われます。
アクリノール
アクリノールは、一般細菌類の一部に対する殺菌消毒作用を示します。
一方、真菌、結核菌、ウイルスには効果がありません。
比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくいことが特徴です。
衣類などに付着すると黄色く着色し、脱色しにくくなることがあります。
オキシドール(過酸化水素水)
オキシドールは、一般細菌類の一部に対する殺菌消毒作用を示します。
作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化作用と、発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果によるものです。
そのため、作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低いとされています。
刺激性があるため、目の周りへの使用は避ける必要があります。
ヨウ素系殺菌消毒成分
ヨウ素系殺菌消毒成分は、ヨウ素による酸化作用によって、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示します。
ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石けん等と併用する場合には、石けん分をよく洗い落としてから使用する必要があります。
外用薬として使用した場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがあります。
ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では、使用を避ける必要があります。
ポビドンヨード
ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)という担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すようにしたものです。
皮膚用では口腔咽喉薬や含嗽薬として使用する場合より高濃度で配合されているため、誤って原液を口腔粘膜に適用しないよう注意が必要です。
殺菌消毒薬を繰り返し使用する場合の注意
創傷部では、皮膚常在菌などが生体防御に関与しています。
創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、皮膚常在菌が殺菌され、殺菌消毒成分によって組織修復が妨げられることで、かえって治癒しにくくなったり、状態を悪化させたりすることがあります。
また、創傷面を乾燥させないほうが早く治癒するという考え方も広まっており、創傷面を乾燥させない絆創膏も販売されています。
受診が必要なケース
出血が止まらない又は著しい場合、患部が広範囲な場合、ひどい火傷の場合には、医療機関を受診するなどの対応が必要です。
特に低温火傷は、表面上は軽症に見えても、組織の損傷が深部に達している場合があります。
また、傷の状態について、5~6日経過して痛みが強くなってくる、傷の周囲が赤くなる、化膿しているような場合には、医療機関の受診が必要です。
痒み・腫れ・痛み等を抑える配合成分
皮膚用薬には、炎症や痒み、痛みなどを抑えるため、さまざまな成分が配合されています。
ステロイド性抗炎症成分
ステロイド性抗炎症成分は、副腎皮質ホルモンの持つ抗炎症作用に着目して人工的に合成された成分です。
外用では、患部局所における炎症を抑え、特に痒みや発赤などの皮膚症状を抑える目的で用いられます。
代表的な成分として、デキサメタゾン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、プレドニゾロン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステルなどがあります。
一方で、皮膚局所の免疫機能を低下させるため、細菌、真菌、ウイルスなどによる皮膚感染が現れることがあります。
そのため、水痘、みずむし、たむし等、または化膿している患部では症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要があります。
外皮用薬のステロイド性抗炎症成分は、体の一部分に生じた湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等の一時的な皮膚症状を対象とするもので、広範囲に生じた皮膚症状や慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではありません。
また、ステロイド性抗炎症成分をコルチゾン換算で1g又は1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要があります。
非ステロイド性抗炎症成分
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、ステロイド骨格を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用などにより抗炎症作用を示す成分です。
皮膚の炎症によるほてりや痒み等の緩和を目的として用いられる成分として、ウフェナマートがあります。
ウフェナマートでは、副作用として刺激感(ヒリヒリ感)、熱感、乾燥感が現れることがあります。
筋肉痛・関節痛等に用いられるNSAIDs
インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウムなどは、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑え、筋肉痛、関節痛、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、腱鞘炎、肘の痛み、打撲、捻挫などに用いられます。
これらは、使用量を増やしても鎮痛効果が増すわけではありません。
また、長期連用を避ける必要があり、塗り薬やエアゾール剤では1週間あたり50g又は50mLを超えて使用しない、貼付剤では連続して2週間以上使用しないこととされている製品が多くあります。
これらの成分には殺菌作用がないため、みずむし、たむし、化膿している患部には使用を避ける必要があります。
また、内服の解熱鎮痛成分と同様に、喘息を起こしたことがある人では使用を避ける必要があります。
局所刺激成分
局所への穏やかな刺激によって痒みを抑えることを目的として、さまざまな刺激成分が用いられます。
代表的なものには、クロタミトン、カンフル、ハッカ油、メントールなどがあります。
クロタミトンは熱感刺激、カンフル・ハッカ油・メントールなどは冷感刺激などを利用して、痒みを感じにくくする作用を期待して用いられます。
温感刺激成分
温感刺激成分は、患部に温感刺激を与えることで、痛みを感じにくくする効果を期待して用いられます。
温感刺激成分を主薬とする貼付剤では、コタツや電気毛布などの保温器具で貼付部位を温めると、強い痛みや低温やけどを生じるおそれがあります。
また、入浴前後の使用も適当ではありません。
入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付することが重要です。
収斂・皮膚保護成分
酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示します。
ピロキシリン(ニトロセルロース)は、創傷面に薄い皮膜を形成して保護する目的で用いられることがあります。
ただし、患部が浸潤又は化膿している場合や、傷が深い場合には、表面だけを乾燥させてかえって症状を悪化させるおそれがあるため、使用を避けます。
組織修復成分
損傷した皮膚の組織修復を促す目的で、アラントイン、ビタミンA油などが配合されることがあります。
血管収縮成分
きり傷、擦り傷、掻き傷等の創傷面からの出血を抑える目的で、ナファゾリン塩酸塩などのアドレナリン作動成分が配合される場合があります。
創傷面に浸透して血管を収縮させることによる止血効果を期待して用いられます。
血行促進成分
患部局所の血行を促す目的で、ヘパリン類似物質、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、ニコチン酸ベンジルエステル、ビタミンEなどが用いられます。
ヘパリン類似物質には、血行促進作用だけでなく抗炎症作用や保湿作用も期待されます。
ヘパリン類似物質とポリエチレンスルホン酸ナトリウムには血液凝固を抑える働きがあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患の診断を受けた人では使用を避ける必要があります。
肌の角質化・かさつき等を改善する配合成分
うおのめ・たこ・いぼ
うおのめ(鶏眼)とたこ(胼胝)はいずれも、機械的刺激や圧迫が繰り返し加わることによって角質層が部分的に厚くなったものです。
うおのめは、角質の芯が真皮に食い込んでいるため、圧迫されると痛みを感じます。
一方、たこは角質層の一部が単純に肥厚したもので、芯がなく、通常は痛みを伴いません。
いぼは表皮が隆起した小型の良性の腫瘍で、ウイルス性のいぼと老人性のいぼに大別されます。
足の裏にできたいぼは、たこと間違えられやすい点にも注意が必要です。
サリチル酸
サリチル酸は、角質成分を溶解することによって角質軟化作用を示します。
さらに、抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬などに配合されることがあります。
頭皮の落屑(ふけ)を抑える目的で、毛髪用薬に配合される場合もあります。
イオウ
イオウは、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることによって角質軟化作用を示します。
抗菌、抗真菌作用も期待され、にきび用薬などに配合される場合があります。
保湿成分
皮膚の乾燥は、角質層の細胞間脂質や、角質層中に存在するアミノ酸、尿素、乳酸などの保湿因子が減少したり、皮脂の分泌が低下したりすることで、角質層の水分保持量が低下して生じます。
皮膚の乾燥を改善する目的で、グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油、ヘパリン類似物質などが用いられます。
抗菌作用を有する配合成分
にきび・吹き出物
にきび・吹き出物は、一般的に生じる化膿性皮膚疾患の一つです。
発生要因として、ストレス、食生活の乱れ、睡眠不足などの生活習慣が関係することがあります。
また、皮脂の分泌や毛穴の状態なども関係します。
毛嚢炎(疔)
化膿菌が毛穴から侵入して皮脂腺や汗腺で増殖することで生じる吹き出物を、毛嚢炎(疔)といいます。
にきびに比べて痛みや腫れが顕著になることがあります。
毛嚢炎が顔面に生じたものを面疔といいます。
とびひ
とびひ(伝染性膿痂疹)は、毛穴を介さず、虫さされやあせも、掻き傷などから化膿菌が侵入することで生じます。
水疱やかさぶた、ただれなどを生じることがあり、小児に発症することが多いとされています。
水疱が破れて分泌液が付着すると、皮膚の他の部分や他人の皮膚に広がることがあります。
代表的な抗菌成分
代表的な抗菌成分として、次のものがあります。
| 成分 | 作用 |
|---|---|
| スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフイソキサゾール等 | 細菌のDNA合成を阻害 |
| バシトラシン | 細菌の細胞壁合成を阻害 |
| フラジオマイシン硫酸塩、クロラムフェニコール | 細菌のタンパク質合成を阻害 |
化膿性皮膚疾患用薬の使用と受診勧奨
患部が広範囲である場合、湿潤やただれがひどい場合には、一般用医薬品による対処よりも医療機関を受診する必要があります。
化膿性皮膚疾患用薬を漫然と使用すると、皮膚常在菌が静菌化される一方で、連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの化膿菌が耐性を獲得するおそれがあります。
また、化膿性皮膚疾患用薬を5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、使用を中止して医師の診療を受けるなどの対応が必要です。
抗真菌作用を有する配合成分
みずむし・たむし
みずむし・たむし等は、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌類の一種が皮膚に寄生することで起こる表在性真菌感染症です。
スリッパやタオルなどを介して、他の人にうつることがあります。
抗真菌薬を使用する際の注意
みずむし・たむしの症状には、湿疹などと区別しにくいものがあります。
使用している薬によって、皮膚の発疹、発赤、痒み、腫れ、刺激感、ただれ、水疱などの副作用が現れ、みずむし・たむしそのものと判別しにくい場合があります。
症状が改善しない場合には、別のみずむし・たむし用薬に次々と切り換えるのではなく、いったん使用を中止して皮膚科を受診するなどの対応が必要です。
頭皮・毛根に作用する配合成分
毛髪用薬は、脱毛の防止、育毛、ふけや痒みを抑えることなどを目的として頭皮に適用する医薬品です。
人体への作用が緩和なものは、医薬部外品の育毛剤・養毛剤として販売されています。
一方、壮年性脱毛症、円形脱毛症、粃糠性脱毛症、瀰漫性脱毛症など、疾患名を掲げた効能・効果は医薬品においてのみ認められています。
カルプロニウム塩化物
カルプロニウム塩化物は、局所でアセチルコリンに類似したコリン作用を示し、頭皮の血管を拡張して毛根への血行を促すことで、発毛効果を期待して用いられます。
副作用として、コリン作用による局所又は全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐きけなどが現れることがあります。
エストラジオール安息香酸エステル
エストラジオール安息香酸エステルは女性ホルモン成分の一種で、女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待して毛髪用薬に配合される場合があります。
女性ホルモン成分は頭皮から吸収されて循環血流中に入る可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきです。
生薬成分
カシュウは、タデ科のツルドクダミの塊根を基原とする生薬で、頭皮における脂質代謝を高めて余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられます。
チクセツニンジンは、ウコギ科のトチバニンジンの根茎を基原とする生薬で、血行促進などを期待して用いられます。
皮膚に用いる薬の重要ポイント
| 成分・項目 | 覚えるポイント |
|---|---|
| アクリノール | 一部の一般細菌に有効。真菌・結核菌・ウイルスには無効。刺激性が比較的低い |
| オキシドール | 活性酸素による酸化+泡立ちによる物理的洗浄。作用持続性が乏しい |
| ヨウ素系 | 一般細菌・真菌・ウイルス等に有効。アルカリ性で殺菌力低下 |
| ステロイド | 炎症を抑えるが、皮膚感染を悪化させることがある |
| ウフェナマート | 皮膚の炎症によるほてり・痒み等に使用 |
| NSAIDs外用 | 筋肉痛・関節痛・肩痛・腰痛等。長期連用を避ける |
| 温感刺激成分 | 保温器具や入浴との併用に注意。低温やけどに注意 |
| 酸化亜鉛 | 皮膜を形成して皮膚を保護 |
| ヘパリン類似物質 | 血行促進・抗炎症・保湿。出血しやすい人は使用を避ける |
| サリチル酸 | 角質を溶解して角質軟化 |
| イオウ | ケラチンを変質させて角質軟化。抗菌・抗真菌作用も期待 |
| サルファ剤 | 細菌のDNA合成を阻害 |
| バシトラシン | 細菌の細胞壁合成を阻害 |
| フラジオマイシン硫酸塩・クロラムフェニコール | 細菌のタンパク質合成を阻害 |
| カルプロニウム塩化物 | 頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促す |
| エストラジオール安息香酸エステル | 女性ホルモン成分。妊婦・妊娠の可能性がある女性は使用を避ける |
ここは絶対に覚えたい!
アクリノール → 一部の一般細菌に有効、真菌・結核菌・ウイルスには効かない
オキシドール → 活性酸素による酸化+泡立ちによる物理的洗浄、作用持続性は乏しい
ヨウ素 → アルカリ性で殺菌力低下
ステロイド → 炎症を抑えるが、感染症を悪化させるおそれ
サリチル酸 → 角質成分を溶解
イオウ → ケラチンを変質
サルファ剤 → DNA合成阻害
バシトラシン → 細胞壁合成阻害
フラジオマイシン硫酸塩・クロラムフェニコール → タンパク質合成阻害
カルプロニウム塩化物 → コリン作用、頭皮血管拡張
温感刺激成分 → 保温器具・入浴に注意、低温やけどに注意
化膿性皮膚疾患用薬 → 5~6日使用して改善しなければ受診
予想問題
問1
アクリノールは、一般細菌類の一部に対して殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスには効果がない。
解説
正しい。アクリノールは一般細菌類の一部に対して作用しますが、真菌、結核菌、ウイルスには効果がありません。
問2
オキシドールは作用の持続性が高く、組織への浸透性も高い。
解説
誤り。オキシドールは、活性酸素による酸化作用と泡立ちによる物理的な洗浄効果によって作用しますが、作用の持続性は乏しく、組織への浸透性も低いとされています。
問3
ヨウ素系殺菌消毒成分は、アルカリ性になると殺菌力が低下する。
解説
正しい。ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下します。石けん等と併用する場合には、石けん分をよく洗い落としてから使用する必要があります。
問4
ステロイド性抗炎症成分は、皮膚の免疫機能を高めるため、みずむしやたむしの患部にも使用できる。
解説
誤り。ステロイド性抗炎症成分は皮膚局所の免疫機能を低下させることがあり、みずむし・たむし等の感染を悪化させるおそれがあります。
問5
サリチル酸は、角質成分を溶解することで角質軟化作用を示す。
解説
正しい。サリチル酸は角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示します。
問6
イオウは、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。
解説
正しい。イオウはケラチンを変質させることで角質軟化作用を示し、抗菌・抗真菌作用も期待されます。
問7
バシトラシンは、細菌のDNA合成を阻害することで抗菌作用を示す。
解説
誤り。バシトラシンは細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示します。DNA合成を阻害するのはサルファ剤です。
問8
温感刺激成分を主薬とする貼付剤は、入浴直前に貼付したり、コタツや電気毛布などで温めたりしても問題ない。
解説
誤り。温感刺激成分は、保温器具などで温めると強い痛みや低温やけどを生じるおそれがあります。入浴前後の使用も適当ではなく、入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付します。
問9
化膿性皮膚疾患用薬を5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、使用を中止して医師の診療を受けるなどの対応が必要である。
解説
正しい。改善しない場合には、免疫機能の低下等の重大な疾患が隠れている可能性もあるため、漫然と使用を続けず受診する必要があります。
問10
カルプロニウム塩化物は、頭皮の血管を収縮させることで毛根への血行を低下させ、脱毛を抑える。
解説
誤り。カルプロニウム塩化物はアセチルコリンに類似したコリン作用を示し、頭皮の血管を拡張して毛根への血行を促すことで発毛効果を期待して用いられます。
まとめ
皮膚に用いる薬では、「成分名 → 作用 → 注意点」をセットで覚えるのがポイントです。
殺菌消毒ではアクリノール、オキシドール、ヨウ素系、炎症・痒みではステロイド性抗炎症成分、ウフェナマート、局所刺激成分、角質化・乾燥ではサリチル酸、イオウ、保湿成分、抗菌ではサルファ剤、バシトラシン、フラジオマイシン硫酸塩、クロラムフェニコールなどを整理しましょう。
また、ステロイドは感染症を悪化させるおそれがあること、温感刺激成分は保温器具や入浴に注意すること、化膿性皮膚疾患用薬は5~6日で改善しなければ受診することは、試験でも狙われやすい重要ポイントです。

