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登録販売者試験 第2章完全攻略⑪|中枢神経系の構造と働きを徹底解説

 

登録販売者試験第2章「人体の働きと医薬品」では、人体の情報伝達や身体機能の調節に関わる神経系について理解することが重要です。

第2章⑪では、脳と脊髄から構成される中枢神経系について学びます。

中枢神経系は、末梢から送られてきた情報を受け取り、統合・処理したうえで、身体の各部へ指令を送り、身体全体を総合的に制御しています。

特に、

・中枢神経系とは何か
・脳の働き
・視床下部
・血液脳関門
・延髄
・脊髄
・脊髄反射
・脳と脊髄の関係

は、登録販売者試験で重要なポイントです。

本記事では、中枢神経系の構造と働きについて、試験で判断しやすいように整理して解説します。

 

この記事で学べること

この記事では、次の内容を整理します。

・神経系の基本的な役割
・中枢神経系と末梢神経系
・中枢神経系の構造
・脳の働き
・視床下部
・血液脳関門
・小児と血液脳関門
・延髄の働き
・脊髄の働き
・脊髄反射
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題

 

神経系とは

人体には、体内のさまざまな情報を伝達し、身体の各部を総合的に制御する神経系があります。

神経系は、神経細胞が連なって構成されています。

神経細胞の細胞体から伸びる細長い突起を軸索といい、軸索などを含む神経線維によって情報が伝えられます。

身体の各部は、それぞれ単独で働いているわけではなく、中枢によって総合的に制御されています。

 

中枢神経系とは

神経系は、その働きによって中枢神経系と末梢神経系に大別されます。

中枢神経系は、脳と脊髄から構成されます。

中枢は、末梢から送られてきた刺激を受け取り、情報を統合して反応を起こし、その結果を末梢へ送り出すことで身体を制御しています。

 

脳の働き

脳は頭部にあり、知覚、運動、記憶、情動、意思決定など、さまざまな働きを担っています。

また、脳の下部には、自律神経系やホルモン分泌などの調節機能を担っている視床下部などの部位があります。

 

視床下部

視床下部は、脳の下部に位置する部位の一つです。

自律神経系やホルモン分泌など、さまざまな身体機能の調節に関係しています。

このため、脳は知覚や運動だけでなく、生命維持に関わる身体機能の調節にも重要な役割を持っています。

 

脳は多くの酸素とブドウ糖を消費する

脳では細胞同士の複雑で活発な活動が行われています。

そのため、脳における血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約25%と多くなっています。

脳の働きを維持するためには、十分な血液循環と酸素、ブドウ糖の供給が重要です。

 

血液脳関門とは

脳内には多くの血管がありますが、脳の血管は末梢の血管と比べて物質の透過に関する選択性が高くなっています。

タンパク質などの大分子や、小分子でもイオン化した物質は、血液中から脳組織へ移行しにくくなっています。

このように、脳の毛細血管が中枢神経の周囲の環境を血液中の組成変動から保護するように働く機能を、血液脳関門といいます。

 

小児と血液脳関門

小児では血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすいという特徴があります。

そのため、小児に医薬品を使用する場合には、成人とは異なる注意が必要です。

 

延髄の働き

脳は脊髄と、延髄によってつながっています。

延髄は後頭部と頸部の境目付近に位置しています。

延髄には、心拍数を調節する心臓中枢や、呼吸を調節する呼吸中枢などがあります。

このように延髄は、生命維持に関係する重要な身体機能を調節しています。

ただし、複雑な機能については、さらに上位にある脳の働きによって制御されています。

 

脊髄の働き

脊髄は脊椎の中を通っており、脳と身体の末梢との間で刺激を伝える役割を担っています。

脳からの指令を末梢へ伝える一方、末梢から送られてきた情報を脳へ伝えます。

また、脊髄には脳を介さずに刺激に対する反応を起こす仕組みがあります。

 

脊髄反射

末梢からの刺激の一部に対して、脳を介さずに刺激を返す反応を脊髄反射といいます。

例えば、熱いものに触れたときに、意識的に考えるより先に手を引っ込めるような反応がこれにあたります。

脊髄反射によって、危険な刺激から身体をすばやく遠ざけることができます。

 

中枢神経系と末梢神経系の違い

中枢神経系は脳と脊髄から構成され、身体から送られてきた情報を統合したり、身体各部へ指令を送ったりします。

一方、脳や脊髄から身体の各部へ伸びている神経が末梢神経系です。

末梢神経系には、随意運動や知覚などを担う体性神経系と、生命や身体機能の維持のために無意識に働く機能を担う自律神経系があります。

末梢神経系については、次の記事で詳しく解説します。

 

試験で覚えておきたいポイント

第2章⑪では、次のポイントを押さえておきましょう。

① 中枢神経系は脳と脊髄から構成される

② 脳は知覚、運動、記憶、情動、意思決定などに関係する

③ 視床下部は自律神経系やホルモン分泌などの調節に関係する

④ 脳は酸素やブドウ糖を多く消費する

⑤ 血液脳関門は脳組織を血液中の組成変動から保護する

⑥ 小児では血液脳関門が未発達で、医薬品の成分が脳組織へ達しやすい

⑦ 延髄には心臓中枢や呼吸中枢がある

⑧ 脊髄は脳と末梢との間で刺激を伝える

⑨ 脊髄では脳を介さずに刺激を返す脊髄反射が起こる

 

試験で間違えやすいポイント

「中枢神経系は末梢神経系から構成される」

→誤り

中枢神経系は脳と脊髄から構成されます。

「脳は知覚や運動だけに関係し、記憶や意思決定には関係しない」

→誤り

脳は知覚、運動、記憶、情動、意思決定など、さまざまな働きを担っています。

「視床下部は自律神経系やホルモン分泌などの調節に関係する」

→正しい

脳の下部にある視床下部などは、自律神経系やホルモン分泌などの調節機能を担っています。

「血液脳関門は血液中のすべての物質が脳組織へ移行できるようにする仕組みである」

→誤り

血液脳関門は物質の透過に関する選択性が高く、大分子やイオン化した物質などが脳組織へ移行しにくくなるように働きます。

「小児では血液脳関門が未発達である」

→正しい

小児では血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳組織へ達しやすくなっています。

「延髄には呼吸を調節する呼吸中枢がある」

→正しい

延髄には呼吸中枢や心臓中枢などがあります。

「脊髄反射は必ず脳を介して起こる」

→誤り

脊髄では、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す脊髄反射が起こります。

 

予想問題

問1

中枢神経系について、正しいものはどれか。

① 中枢神経系は脳と脊髄から構成される
② 中枢神経系は脳と筋肉から構成される
③ 中枢神経系は脊髄と血管から構成される
④ 中枢神経系は末梢神経だけから構成される

答え:①

解説

中枢神経系は脳と脊髄から構成され、末梢から送られてきた情報を統合し、身体各部へ指令を送ります。

問2

血液脳関門について、正しいものはどれか。

① 脳の血管には物質の透過に関する選択性がない
② 血液脳関門は脳組織を血液中の組成変動から保護する
③ 血液脳関門によってすべての医薬品成分が脳へ移行する
④ 小児では血液脳関門が成人より発達している

答え:②

解説

血液脳関門は、脳の毛細血管が血液中の組成変動から中枢神経の環境を保護するように働く機能です。

問3

延髄について、正しいものはどれか。

① 延髄には心臓中枢や呼吸中枢がある
② 延髄は末梢神経だけで構成される
③ 延髄は消化管の一部である
④ 延髄には生命維持に関係する機能はない

答え:①

解説

延髄には、心拍数を調節する心臓中枢や、呼吸を調節する呼吸中枢などがあります。

問4

脊髄について、正しいものはどれか。

① 脊髄は脳と末梢との間で刺激を伝える
② 脊髄は頭蓋骨の中にある
③ 脊髄は刺激の伝達には関係しない
④ 脊髄反射には脊髄は関係しない

答え:①

解説

脊髄は脊椎の中にあり、脳と末梢との間で刺激を伝えます。また、脳を介さずに刺激を返す脊髄反射にも関係しています。

問5

小児の血液脳関門について、正しいものはどれか。

① 小児では血液脳関門が未発達である
② 小児では医薬品成分が脳へ達する可能性はない
③ 小児の血液脳関門は成人より物質の透過を強く制限する
④ 小児では血液脳関門を考慮する必要はない

答え:①

解説

小児では血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳組織に達しやすい特徴があります。

 

まとめ

登録販売者試験第2章⑪では、中枢神経系が脳と脊髄から構成され、身体のさまざまな情報を統合・処理して全身を制御していることを理解しておきましょう。

特に重要なのは、

① 中枢神経系は脳と脊髄から構成される
② 脳は知覚、運動、記憶、情動、意思決定などに関係する
③ 視床下部は自律神経系やホルモン分泌などの調節に関係する
④ 血液脳関門は脳組織を血液中の組成変動から保護する
⑤ 小児では血液脳関門が未発達で医薬品成分が脳へ達しやすい
⑥ 延髄には心臓中枢や呼吸中枢がある
⑦ 脊髄は脳と末梢との間で刺激を伝える
⑧ 脊髄では脳を介さずに脊髄反射が起こる

というポイントです。

中枢神経系の働きを理解しておくと、この後に学ぶ自律神経系や、医薬品が神経系に作用する仕組みを理解しやすくなります。

第2章では、次に末梢神経系と自律神経系について学習していきます。

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

 

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