デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、市販の咳止めに使用されている代表的な鎮咳成分です。
咳を抑える目的で使用される成分ですが、2026年5月1日からは、デキストロメトルファン(外用剤を除く)を含む製剤が「指定濫用防止医薬品」の対象となり、販売時の確認や情報提供に関するルールが強化されています。
市販薬として販売されている代表的な製品の一つが、シオノギヘルスケアの「メジコンせき止め錠Pro」です。
この記事では、デキストロメトルファンの働きや市販薬での使われ方に加えて、メジコンせき止め錠Proの特徴、2026年から変わった販売制度、購入時に薬剤師や登録販売者による確認が行われる理由について解説します。
- デキストロメトルファンとは?
- デキストロメトルファンはどんな咳に使われる?
- デキストロメトルファンと去痰成分は役割が違う
- メジコンせき止め錠Proとは?
- メジコンせき止め液Proもデキストロメトルファンを配合
- 2026年5月からデキストロメトルファンを含む市販薬の販売ルールが変わった
- 指定濫用防止医薬品とは?
- 購入時には何を確認される?
- 18歳未満は販売時の対応がさらに厳しくなる
- 複数個購入したい場合は理由の確認が行われる
- デキストロメトルファンを含む薬を重ねて使わない
- デキストロメトルファンを含む市販薬を購入するときの注意点
- 登録販売者・薬剤師が確認することには意味がある
- こんな咳の場合は市販薬だけで対応しない
- メジコンせき止め錠Proを購入する場合
- メジコンせき止め液Proを購入する場合
- まとめ
- 参考資料
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デキストロメトルファンとは?
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、咳を抑えるために使用される鎮咳成分です。
咳反射に関係する中枢に作用することで、咳をしずめる働きがあります。
デキストロメトルファンは「非麻薬性鎮咳成分」に分類され、コデイン類とは異なる成分です。
市販の咳止めだけでなく、総合風邪薬などにも配合されることがあります。
そのため、すでに風邪薬などを使用している場合は、別の咳止めを追加する前に、デキストロメトルファンなどの鎮咳成分が重複していないか確認することが大切です。
デキストロメトルファンはどんな咳に使われる?
デキストロメトルファンは、咳を抑える目的で使用される成分です。
特に、痰がほとんど出ない乾いた咳など、咳そのものがつらい場合に鎮咳成分が使用されることがあります。
ただし、咳は風邪だけでなく、喘息、肺炎、アレルギーなどさまざまな原因によって起こります。
そのため、「咳が出るからデキストロメトルファンを使えばよい」と単純に判断するのではなく、咳の状態やほかの症状も確認する必要があります。
乾いた咳に使われる市販薬については、以下の記事でも鎮咳成分の違いを解説しています。
デキストロメトルファンと去痰成分は役割が違う
市販の咳止めには、咳を抑える「鎮咳成分」と、痰を出しやすくする「去痰成分」があります。
| 種類 | 主な目的 |
|---|---|
| 鎮咳成分 | 咳を抑える |
| 去痰成分 | 痰を排出しやすくする |
デキストロメトルファンは鎮咳成分なので、痰を直接出しやすくする成分ではありません。
痰が絡む咳では、痰の状態に応じて去痰成分が使用されることがあります。
市販薬には鎮咳成分と去痰成分を組み合わせた製品もありますが、別々の商品を自己判断で組み合わせる場合は、成分の重複やそれぞれの商品の使用上の注意を確認してください。
メジコンせき止め錠Proとは?
メジコンせき止め錠Proは、シオノギヘルスケアが販売する一般用医薬品の鎮咳去痰薬です。
医薬品区分は第2類医薬品です。
有効成分はデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物で、成人1日量の6錠中に90mgが含まれています。
シオノギヘルスケアによると、デキストロメトルファンはせき中枢に働きかけ、つらい咳をしずめる成分です。
なお、メジコンせき止め錠Proには20錠と40錠の包装がありますが、現在、40錠は販売停止中と案内されています。
この記事で紹介している20錠は、現在販売されている製品です。
メジコンせき止め錠Proの用法・用量
メジコンせき止め錠Proは、15歳以上が対象です。
| 年齢 | 1回量 | 1日服用回数 |
|---|---|---|
| 成人(15歳以上) | 2錠 | 3回 |
| 15歳未満 | 服用させないこと | ― |
服用間隔は4時間以上あけます。
15歳未満には使用できないため、子どもに使用する場合は、年齢に適した製品を選ぶ必要があります。
市販薬は同じ成分が入っていても、製品によって使用できる年齢や用法・用量が異なるため、実際に使用する製品の添付文書を確認してください。
メジコンせき止め液Proもデキストロメトルファンを配合
デキストロメトルファンを含む市販薬には、錠剤だけでなく液剤もあります。
「メジコンせき止め液Pro」もデキストロメトルファンを有効成分とする第2類医薬品です。
72mLの製品が販売されています。
錠剤を飲みにくい場合などには液剤という選択肢がありますが、液剤だからといって販売時のルールが異なるわけではありません。
メジコンせき止め液Proも、2026年5月1日から指定濫用防止医薬品の対象となっています。
2026年5月からデキストロメトルファンを含む市販薬の販売ルールが変わった
ここは、現在デキストロメトルファンを含む市販薬を購入するときに特に重要なポイントです。
2026年5月1日から、デキストロメトルファン(外用剤を除く)を有効成分として含む製剤は、指定濫用防止医薬品の対象となり、販売時の確認・情報提供が必要になりました。
これは「指定第2類医薬品」とは別の制度です。
メジコンせき止め錠Pro自体の医薬品区分は第2類医薬品ですが、デキストロメトルファンを含有する製品として、指定濫用防止医薬品の販売制度の対象にもなっています。
シオノギヘルスケアも、メジコンせき止め錠Pro 20錠・40錠、メジコンせき止め液Pro 72mLについて、2026年5月1日から指定濫用防止医薬品の規定が適用されることを案内しています。
指定濫用防止医薬品とは?
指定濫用防止医薬品は、濫用されるおそれがある医薬品について、適正な使用を確保するために販売時の確認や情報提供を強化する制度です。
2026年5月1日からは、従来の「濫用等のおそれのある医薬品」を法律上の「指定濫用防止医薬品」として位置づけ、販売時の確認・情報提供や、18歳未満への販売数量に関する規制が設けられました。
そのため、対象となる医薬品については、単純に「第2類医薬品だから自分で選んで購入する薬」と考えるのではなく、購入時に薬剤師や登録販売者から確認・説明を受ける場合があります。
購入時には何を確認される?
指定濫用防止医薬品の販売では、購入者の年齢だけでなく、適正な使用を確保するために必要な事項を確認することが定められています。
具体的には、次のような事項が確認対象になります。
- 年齢
- ほかの医薬品を使用している状況
- 18歳未満の場合の氏名
- 購入しようとしている製品や、ほかの指定濫用防止医薬品の購入・譲受け状況
- 大容量製品または複数個を購入する場合、その理由
- 適正な使用であることを確認するために必要な事項
- その他、情報提供を行うために必要な事項
つまり、「何個欲しいか」だけを確認して販売する仕組みではありません。
購入状況や使用状況を確認したうえで、濫用のおそれがないか、適正に使用されるかを判断することが販売時の重要なポイントになります。
18歳未満は販売時の対応がさらに厳しくなる
指定濫用防止医薬品では、18歳未満の人への販売について、特に厳格な対応が求められます。
18歳未満の購入者には、薬剤師または登録販売者が対面等で情報提供を行うことが必要です。
また、18歳未満の人には、複数個または大容量の製品を販売することができません。
一方、18歳以上であれば複数個の購入が一律に禁止されているわけではありません。ただし、大容量製品または複数個を購入する場合は、その理由を確認し、適正な使用のために必要と認められる数量に限って販売することが求められます。
そのため、店舗でデキストロメトルファンを含む対象製品を購入するときに、薬剤師や登録販売者から年齢や使用状況、購入理由について質問されたり、注意事項について説明されたりすることがあります。
これは購入者を疑っているという意味ではなく、指定濫用防止医薬品を適正に使用してもらうために設けられた販売上のルールです。
複数個購入したい場合は理由の確認が行われる
指定濫用防止医薬品では、複数個の購入そのものが一律に禁止されているわけではありません。
18歳以上の人が大容量製品または複数個を購入する場合には、その理由を確認することが定められています。
購入理由については、「この理由なら必ず購入できる」という一律の基準ではありません。
薬剤師や登録販売者が購入理由などを確認し、濫用のおそれがないか、適正な使用を確保できるかを判断したうえで、適正な使用のために必要と認められる数量に限って販売することになります。
そのため、複数個購入を希望した場合に、必ず希望した数量を購入できるとは限りません。
なお、同じ指定成分を含む異なる製品をそれぞれ1つずつ購入する場合も、複数個購入に該当する場合があります。
デキストロメトルファンを含む薬を重ねて使わない
デキストロメトルファンは、咳止めだけでなく総合風邪薬などにも配合されることがあります。
そのため、すでに風邪薬を服用している場合に、別の咳止めを追加すると成分が重複する可能性があります。
特に、同じデキストロメトルファンを含む製品を重ねて使用することは避けてください。
「別の商品だから大丈夫」と考えるのではなく、現在使用している医薬品の成分を確認することが重要です。
ほかの咳止めや風邪薬を使用している場合は、購入前に薬剤師や登録販売者へ相談してください。
デキストロメトルファンを含む市販薬を購入するときの注意点
- 購入前に現在使用している薬を確認する
- 同じ鎮咳成分が重複していないか確認する
- 年齢に適した製品を選ぶ
- 用法・用量を守る
- 指定濫用防止医薬品について、購入時の確認や説明に応じる
- 18歳以上で複数個や大容量の製品を購入する場合は、購入理由を説明できるようにする
- 18歳未満の場合は複数個・大容量の製品を購入できない
- 本来の目的や用法・用量を外れて使用しない
特に、咳止めを大量に服用する目的で購入することは適正な使用ではありません。
使用方法や購入について不明な点がある場合は、薬剤師または登録販売者に相談してください。
登録販売者・薬剤師が確認することには意味がある
指定濫用防止医薬品の制度では、薬剤師や登録販売者が販売時に購入者へ確認を行い、必要な情報提供をすることが重要になっています。
そのため、販売時に年齢、ほかの医薬品の使用状況、購入状況などを確認することは、単なる店舗独自のルールではありません。
指定濫用防止医薬品については、薬局・店舗販売業者などに販売等の手順書を整備することも求められています。
販売する側も、指定された確認や情報提供を適切に行い、濫用を防止しながら適正使用を確保する必要があります。
購入者側から見ると「少し質問が多い」と感じることがあるかもしれませんが、こうした確認には、医薬品の適正使用を確保するという目的があります。
こんな咳の場合は市販薬だけで対応しない
咳は風邪などによって起こることもありますが、すべての咳が市販薬で対応できるとは限りません。
次のような症状がある場合は、自己判断で咳止めを使い続けず、医療機関への相談を検討してください。
- 息苦しさがある
- 胸の痛みがある
- 血の混じった痰が出る
- 高熱が続いている
- 咳が長期間続いている
- 症状が強くなっている
- 市販薬を使用しても改善しない
咳の原因によって必要な治療は異なります。
市販薬で症状を一時的に抑えることだけを目的にせず、症状が続く場合には医療機関へ相談することも大切です。
メジコンせき止め錠Proを購入する場合
メジコンせき止め錠Proは、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を有効成分とする第2類医薬品です。
購入する場合は、商品ページで用法・用量や使用上の注意を確認してください。
メジコンせき止め液Proを購入する場合
メジコンせき止め液Proもデキストロメトルファンを含む第2類医薬品です。
液剤を選ぶ場合も、錠剤と同様に指定濫用防止医薬品としての販売ルールが適用されます。
まとめ
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、咳を抑える目的で使用される代表的な鎮咳成分です。
市販薬ではメジコンせき止め錠Proやメジコンせき止め液Proなどに配合されています。
メジコンせき止め錠Proは第2類医薬品ですが、デキストロメトルファンを含む対象製品は2026年5月1日から指定濫用防止医薬品の制度の対象となっています。
そのため、購入時には年齢やほかの医薬品の使用状況、購入状況などについて確認を受けることがあります。
18歳未満には複数個・大容量の製品を販売できず、18歳以上でも複数個や大容量の製品を購入する場合は、その理由の確認などが行われ、適正な使用のために必要と認められる数量に限って販売されます。
これは、医薬品を安全かつ適正に使用するための販売上のルールです。
デキストロメトルファンを含む市販薬を使用するときは、用法・用量を守り、ほかの咳止めや風邪薬との成分重複にも注意してください。
咳が長引く場合や、息苦しさ、胸の痛み、高熱などを伴う場合は、市販薬だけで対応せず医療機関へ相談しましょう。
参考資料
シオノギヘルスケア「指定濫用防止医薬品として指定される製品のお知らせ」

