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登録販売者試験 第3章完全攻略㊵|消毒薬の種類・殺菌消毒成分・正しい使い方と誤飲時の対処を徹底解説

感染症の予防や日常生活で使用される消毒薬には、さまざまな殺菌消毒成分が配合されています。

登録販売者試験では、単に「消毒薬の種類」を覚えるだけでなく、

・殺菌・消毒と滅菌の違い
・エタノールとイソプロパノールの違い
・クレゾール石ケン液の特徴
・塩素系殺菌消毒成分の注意点
・酸性洗剤と塩素系消毒薬を混ぜてはいけない理由
・消毒薬を誤飲した場合の対処
・目や皮膚に付着した場合の対処

などが重要になります。

特に、「原末や濃厚液を誤飲した場合は、自己判断で吐かせない」という点は、試験でも狙われやすいポイントです。

この記事では、登録販売者試験第3章「公衆衛生用薬」の消毒薬について、重要事項を整理して解説します。

消毒薬とは

消毒薬は、細菌、真菌、ウイルスなどの微生物を対象として、感染症の予防などを目的に使用される薬剤です。

日常生活では、手指や皮膚、器具などの殺菌・消毒に使用されます。

ただし、消毒薬であれば、どのような微生物にも同じように効果を示すわけではありません。

殺菌消毒成分の種類だけでなく、

・濃度
・温度
・作用させる時間
・消毒対象物の汚染状態
・対象となる微生物の種類や状態

などによって、殺菌・消毒効果は異なります。

そのため、消毒する対象に適した製品を選び、製品に定められた用法に従って使用することが重要です。

殺菌・消毒と滅菌の違い

登録販売者試験では、「殺菌・消毒」と「滅菌」を区別して覚えておきましょう。

用語 意味
殺菌・消毒 生存する微生物の数を減らすために行う処置
滅菌 物質中のすべての微生物を殺滅または除去すること

「消毒=すべての微生物を完全に除去する」ではありません。

消毒薬によっては、十分な殺菌・消毒効果が得られない微生物も存在します。

ここは、

消毒 → 微生物を減らす
滅菌 → すべての微生物を殺滅または除去

と整理しておくと覚えやすくなります。

消毒薬の種類

消毒薬に用いられる代表的な殺菌消毒成分は、大きく次のように整理できます。

種類 代表的な成分 主な特徴
クレゾール石ケン液 クレゾール石ケン液 一般細菌類・真菌類などに作用するが、大部分のウイルスには作用しない
アルコール系 エタノール、イソプロパノール 微生物のタンパク質を変性させる
陽性界面活性成分 クロルヘキシジングルコン酸塩など 手指・皮膚や器具などの消毒に用いられる
塩素系 次亜塩素酸ナトリウム、サラシ粉 強い酸化力を持ち、器具・設備などの消毒に用いられる
有機塩素系 ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸 プールなどの大型設備に用いられることが多い

① クレゾール石ケン液

クレゾール石ケン液は、結核菌を含む一般細菌類や真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示します。

一方、大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はありません。

日本薬局方に収載されているクレゾール石ケン液は、原液を水で希釈して使用します。

ただし、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないよう注意が必要です。

もし原液が皮膚に付着した場合には、直ちに石けん水と水で洗い流します。

炎症などが生じた場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要です。

② エタノール・イソプロパノール

エタノールやイソプロパノールなどのアルコールは、アルコール分が微生物のタンパク質を変性させることで殺菌消毒作用を示します。

結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスなどに対して殺菌消毒作用を示します。

ただし、イソプロパノールのウイルスに対する不活性効果は、エタノールより低いとされています。

アルコール消毒薬の注意点

エタノールやイソプロパノールは、皮膚の脂質を取り除く脱脂作用があるため、繰り返し使用すると肌荒れを起こしやすくなります。

また、粘膜刺激性があるため、

・粘膜面
・目の周り
・傷のある部分

への使用は避けます。

さらに、アルコールは揮発性があり、引火しやすいという特徴があります。

広範囲に長時間使用する場合には、蒸気を吸い込まないよう注意する必要があります。

③ クロルヘキシジングルコン酸塩

クロルヘキシジングルコン酸塩も殺菌消毒成分として使用されます。

登録販売者試験では、消毒薬の分野だけでなく、皮膚に用いる薬などでも登場する成分です。

クロルヘキシジングルコン酸塩=殺菌消毒成分

という基本を押さえておきましょう。

④ 塩素系殺菌消毒成分

塩素系殺菌消毒成分として代表的なのが、

・次亜塩素酸ナトリウム
・サラシ粉

です。

強い酸化力によって、一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示します。

一方で、皮膚刺激性が強いため、通常は人体の消毒には使用しません。

主に器具や設備などの殺菌・消毒に用いられます。

塩素系消毒薬は金属を腐食させる

塩素系殺菌消毒成分には金属腐食性があります。

また、プラスチックやゴム製品を劣化させることがあります。

さらに漂白作用もあるため、

・毛
・絹
・ナイロン
・アセテート
・ポリウレタン
・色物、柄物

などへの使用は避ける必要があります。

酸性洗剤と混ぜてはいけない

塩素系殺菌消毒成分で特に重要なのが、酸性の洗剤・洗浄剤と混ぜないことです。

塩素系殺菌消毒成分と酸性の洗剤などが反応すると、有毒な塩素ガスが発生するおそれがあります。

試験では、

「次亜塩素酸ナトリウムは酸性洗剤と混合して使用すると効果が高まる」

などの誤った選択肢が出た場合には注意しましょう。

塩素系+酸性洗剤=有毒な塩素ガス

と覚えておくことが重要です。

吐瀉物や血液などの消毒

塩素系殺菌消毒成分は、吐瀉物や血液などが床にこぼれた場合の殺菌消毒にも適しています。

ただし、有機物の影響を受けやすいため、対象物を洗浄した後に使用するほうが効果的です。

⑤ 有機塩素系殺菌消毒成分

有機塩素系殺菌消毒成分として、

・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
・トリクロロイソシアヌル酸

などがあります。

塩素系殺菌消毒成分と同じく、殺菌・消毒に利用されます。

一方で、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プールなどの大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多いのが特徴です。

消毒薬を正しく使うためのポイント

消毒薬は、「殺菌力が強ければ強いほどよい」というものではありません。

消毒する対象や使用部位に応じて、適切な製品を選択する必要があります。

特に、

・皮膚用なのか器具用なのか
・原液で使用するのか希釈するのか
・指定された濃度になっているか
・使用できない素材ではないか
・換気が必要か
・目や粘膜に付着しないか

などを確認することが重要です。

「消毒薬だからどこにでも使える」わけではないという点を覚えておきましょう。

消毒薬を誤飲した場合の対処

消毒薬を誤って飲み込んでしまった場合には、基本的に応急処置を行ったうえで、速やかに医療機関を受診するなどの対応が必要です。

登録販売者試験では、誤飲時の対処が非常に重要です。

牛乳などを飲ませる

一般的な家庭での応急処置として、通常は牛乳などを飲ませます。

牛乳がない場合には、まず水を飲ませます。

牛乳以外にも、卵白を水に溶いた卵白水や、小麦粉を水で溶いたものを用いることがあります。

ただし、それらを作るのに時間がかかる場合には、早めに水を飲ませることを優先します。

これは、中毒物質の消化管からの吸収を遅らせ、粘膜を保護するためです。

原末や濃厚液を飲んだ場合は吐かせない

ここは特に重要です。

原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合、自己判断で安易に吐き出させてはいけません。

吐かせることで、食道などの粘膜を再び傷つける可能性があるためです。

試験では、

「消毒薬を誤飲したら、すぐに吐かせる」

という選択肢が出た場合には注意しましょう。

消毒薬が目に入った場合

消毒薬が目に入った場合には、流水で十分に洗眼します。

顔を横に向けて上から水を流すか、水道水の場合には弱い水流で洗います。

15分間以上、流水で十分に洗眼することが重要です。

水流が強すぎると、目に障害を起こすおそれがあります。

また、酸やアルカリが目に入った場合には、早期に十分な水洗を行うことが重要です。

酸をアルカリで中和する、アルカリを酸で中和する、といった処置は行いません。

中和反応によって熱が発生し、刺激をかえって強めて状態を悪化させるおそれがあります。

消毒薬が皮膚に付着した場合

皮膚に消毒薬が付着した場合には、流水をかけながら着衣を取り、石けんを用いて流水で十分に洗い流します。

洗浄時間は15分間以上がポイントです。

酸やアルカリが付着した場合にも、早期に十分な水洗を行います。

中和剤は使用しません。

消毒薬を吸入した場合

消毒薬を誤って吸入した場合には、新鮮な空気の場所へ移動します。

意識がない場合には、救命処置が必要となるため、速やかに医療機関などへつなげる対応が必要です。

消毒薬を使用するときには、成分によっては換気にも注意しましょう。

ここは絶対に覚えたい!

消毒薬は、次のポイントをセットで覚えましょう。

① 殺菌・消毒と滅菌は違う

殺菌・消毒 → 生存する微生物の数を減らす
滅菌 → すべての微生物を殺滅または除去

② エタノールとイソプロパノール

エタノール → イソプロパノールよりウイルスに対する不活性効果が高い
どちらも脱脂による肌荒れに注意

③ 塩素系殺菌消毒成分

次亜塩素酸ナトリウム・サラシ粉
→ 強い酸化力
→ 通常は人体の消毒には用いない
→ 金属腐食性・漂白作用あり
→ 酸性洗剤と混ぜると有毒な塩素ガス

④ 誤飲

牛乳などを飲ませる
何もなければ水を優先
原末・濃厚液 → 自己判断で吐かせない

⑤ 目に入った場合

流水で15分間以上洗眼
強い水流は避ける
酸・アルカリを中和しない

⑥ 皮膚に付着した場合

流水+石けんで15分間以上洗浄
中和剤は使用しない

予想問題

問1

殺菌・消毒とは、物質中に存在するすべての微生物を完全に殺滅または除去することであり、滅菌とは生存する微生物の数を減らす処置である。

解説

誤り。

説明が逆です。

殺菌・消毒は、生存する微生物の数を減らすために行われる処置です。

滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅または除去することです。

問2

エタノールとイソプロパノールは、微生物のタンパク質を変性させることで殺菌消毒作用を示すが、イソプロパノールのウイルスに対する不活性効果はエタノールより低い。

解説

正しい。

アルコール分が微生物のタンパク質を変性させることで殺菌消毒作用を示します。

また、イソプロパノールのウイルスに対する不活性効果は、エタノールより低いとされています。

問3

塩素系殺菌消毒成分は皮膚刺激性が強いため、通常は人体の消毒には用いられない。

解説

正しい。

次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などは強い酸化力を持ちますが、皮膚刺激性が強いため、通常は人体の消毒には用いません。

問4

次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌消毒成分は、酸性の洗剤・洗浄剤と混合すると、有毒な塩素ガスが発生することがある。

解説

正しい。

塩素系殺菌消毒成分と酸性の洗剤・洗浄剤が反応すると、有毒な塩素ガスが発生するおそれがあります。

「塩素系+酸性洗剤=塩素ガス」は必ず覚えましょう。

問5

塩素系殺菌消毒成分は、金属を腐食させることがあるほか、プラスチックやゴム製品を劣化させることがある。

解説

正しい。

塩素系殺菌消毒成分には金属腐食性があり、プラスチックやゴム製品を劣化させることがあります。

また、漂白作用があるため、色物などへの使用にも注意が必要です。

問6

消毒薬を誤って飲み込んだ場合、原末や濃厚液であっても、自己判断ですぐに吐き出させることが基本である。

解説

誤り。

原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合には、自己判断で安易に吐き出させることは避けます。

一般的な家庭での応急処置では、通常は牛乳などを飲ませ、手元にない場合は水を飲ませます。

その後、速やかに医療機関を受診するなどの対応が必要です。

問7

消毒薬を誤飲した場合、牛乳を用意するのに時間がかかっても、牛乳が用意できるまで水を飲ませてはいけない。

解説

誤り。

牛乳以外にも卵白水や小麦粉を水で溶いたものなどを用いることがありますが、それらを準備するのに時間がかかる場合には、早めに水を飲ませることを優先します。

問8

消毒薬が目に入った場合は、流水で15分間以上十分に洗眼する。酸やアルカリが目に入った場合には、酸とアルカリを混合して中和する。

解説

誤り。

流水で15分間以上十分に洗眼する点は正しいですが、酸やアルカリを中和する処置は適切ではありません。

中和反応によって熱が発生し、刺激をかえって強めて状態を悪化させるおそれがあります。

問9

消毒薬が皮膚に付着した場合には、流水をかけながら着衣を取り、石けんを用いて流水で15分間以上十分に洗浄する。

解説

正しい。

消毒薬が皮膚に付着した場合には、流水をかけながら着衣を取り、石けんを用いて流水で十分に洗浄します。

洗浄時間は15分間以上がポイントです。

また、中和剤は使用しません。

問10

有機塩素系殺菌消毒成分には、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムやトリクロロイソシアヌル酸などがあり、プールなどの大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。

解説

正しい。

有機塩素系殺菌消毒成分には、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムやトリクロロイソシアヌル酸などがあります。

塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プールなどの大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多いのが特徴です。

まとめ

消毒薬では、まず「殺菌・消毒」と「滅菌」の違いを覚えましょう。

殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らす処置であり、滅菌はすべての微生物を殺滅または除去することです。

成分では、

クレゾール石ケン液 → 一般細菌類・真菌類などに作用するが、大部分のウイルスには作用しない

エタノール・イソプロパノール → 微生物のタンパク質を変性させる。イソプロパノールはウイルスへの不活性効果がエタノールより低い

次亜塩素酸ナトリウム・サラシ粉 → 強い酸化力。通常は人体の消毒には用いない

有機塩素系 → プールなど大型設備の消毒に用いられることが多い

という整理が重要です。

さらに、塩素系殺菌消毒成分は酸性洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生すること、金属腐食性や漂白作用があることも覚えておきましょう。

誤飲時には、

牛乳などを飲ませる → なければ水を優先 → 原末・濃厚液は吐かせない → 速やかに医療機関へ

という流れが重要です。

目に入った場合は流水で15分間以上洗眼、皮膚に付着した場合も流水+石けんで15分間以上洗浄します。

消毒薬は「殺菌力」だけを見るのではなく、何を消毒するのか、どの成分を使うのか、どのような事故に注意するのかまでセットで覚えると、登録販売者試験の問題にも対応しやすくなります。

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

https://www.mhlw.go.jp/content/001692425.pdf

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