登録販売者試験第2章「人体の働きと医薬品」では、医薬品を使用した際に生じる副作用について、その症状や早期発見、適切な対応を理解することが重要です。
第2章⑯では、重篤な副作用の一つである「ショック(アナフィラキシー)」について学びます。
ショックは、全身の血液循環が保たれなくなり、生命に重大な影響を及ぼす状態です。
特にアナフィラキシーは、医薬品などに対する急激なアレルギー反応によって、全身に重篤な症状を引き起こすことがあります。
そのため、登録販売者は初期症状を把握し、疑われる場合には速やかに医療機関の受診につなげることが重要です。
特に、
・ショックとは何か
・アナフィラキシー
・アナフィラキシーが起こる仕組み
・皮膚や粘膜に現れる症状
・呼吸器に現れる症状
・循環器に現れる症状
・消化器に現れる症状
・早期発見の重要性
・医薬品の使用中止と受診
・試験で間違えやすいポイント
は、登録販売者試験で重要なポイントです。
本記事では、ショック(アナフィラキシー)について、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・ショックとは何か
・アナフィラキシーとは何か
・アナフィラキシーの主な症状
・皮膚や粘膜の症状
・呼吸器の症状
・循環器の症状
・消化器の症状
・アナフィラキシーショック
・早期発見と早期対応
・受診勧奨
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題
ショックとは
ショックとは、循環不全により全身の組織に十分な酸素や栄養分が供給されなくなった状態です。
血圧が低下したり、意識障害が生じたりするなど、生命に関わる重大な状態になることがあります。
医薬品の副作用によってショックが起こることもあるため、登録販売者はその初期症状を理解しておく必要があります。
アナフィラキシーとは
アナフィラキシーは、医薬品などに対して急激なアレルギー反応が起こり、全身に複数の症状が現れる重篤な副作用です。
症状は皮膚や粘膜だけでなく、呼吸器、循環器、消化器などにも現れることがあります。
重症化すると血圧低下や意識障害などを伴うアナフィラキシーショックに至ることがあります。
アナフィラキシーの主な症状
アナフィラキシーでは、複数の器官に急激な症状が現れることがあります。
主な症状として、
・皮膚の発赤、じんましん、かゆみ
・口唇や舌、喉などの腫れ
・息苦しさ、喘鳴、呼吸困難
・動悸、血圧低下
・めまい、意識障害
・吐き気、嘔吐、腹痛
などがあります。
皮膚や粘膜に現れる症状
アナフィラキシーでは、皮膚や粘膜に比較的早い段階で症状が現れることがあります。
代表的なものとして、
・皮膚の発赤
・じんましん
・かゆみ
・顔面や口唇などの腫れ
などがあります。
これらの症状が医薬品使用後に急激に現れた場合には、アナフィラキシーの可能性を考える必要があります。
呼吸器に現れる症状
アナフィラキシーでは、気道が狭くなることで呼吸器症状が現れることがあります。
例えば、
・息苦しさ
・喘鳴
・咳
・呼吸困難
などが生じることがあります。
特に呼吸困難が現れている場合には、重症化する可能性があるため、速やかな対応が必要です。
循環器に現れる症状
アナフィラキシーが重症化すると、血圧が低下することがあります。
その結果、
・めまい
・ふらつき
・動悸
・意識が遠のく
・意識障害
などが現れることがあります。
血圧低下や意識障害を伴う状態は非常に危険であり、アナフィラキシーショックが疑われます。
消化器に現れる症状
アナフィラキシーでは、消化器にも症状が現れることがあります。
代表的な症状として、
・吐き気
・嘔吐
・腹痛
などがあります。
皮膚、呼吸器、循環器などの症状と組み合わさって現れる場合には、アナフィラキシーを疑う重要な手がかりになります。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーによって血圧が低下し、全身の循環が維持できなくなった状態をアナフィラキシーショックといいます。
アナフィラキシーショックでは、意識障害や呼吸困難など、生命に関わる重篤な症状が現れることがあります。
そのため、単なる軽いアレルギー症状として様子を見るのではなく、緊急性の高い状態として対応する必要があります。
医薬品使用後の急激な症状に注意する
アナフィラキシーは、医薬品を使用した後に急激に症状が現れることがあります。
そのため、医薬品を使用した直後に、じんましん、呼吸困難、顔面や口唇の腫れ、血圧低下などが現れた場合には、重大な副作用の可能性を考える必要があります。
副作用が疑われる場合には、医薬品の使用を中止し、速やかに医療機関を受診することが重要です。
登録販売者が覚えておきたい対応
登録販売者は、アナフィラキシーを疑う症状を相談された場合、一般用医薬品の使用を継続させるのではなく、速やかに医療機関の受診につなげることが重要です。
特に、呼吸困難や意識障害、血圧低下などの重篤な症状が疑われる場合には、緊急性が高いため、速やかな対応が必要です。
試験で覚えておきたいポイント
第2章⑯では、次のポイントを押さえておきましょう。
① ショックは循環不全によって生命に重大な影響を及ぼすことがある
② アナフィラキシーは急激な全身性のアレルギー反応による重篤な副作用である
③ アナフィラキシーでは皮膚や粘膜に症状が現れることがある
④ 呼吸困難や喘鳴などの呼吸器症状が現れることがある
⑤ 血圧低下や意識障害などの循環器症状が現れることがある
⑥ 吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状が現れることがある
⑦ アナフィラキシーが重症化するとアナフィラキシーショックに至ることがある
⑧ 医薬品使用後に急激な症状が現れた場合には、重大な副作用を疑う
⑨ アナフィラキシーが疑われる場合には使用を中止し、速やかに受診する
試験で間違えやすいポイント
「アナフィラキシーは皮膚だけに症状が現れる」
→誤り
皮膚や粘膜だけでなく、呼吸器、循環器、消化器などにも症状が現れることがあります。
「アナフィラキシーでは呼吸困難が起こることがある」
→正しい
気道が狭くなることなどによって、息苦しさ、喘鳴、呼吸困難などが現れることがあります。
「アナフィラキシーでは血圧低下が起こることはない」
→誤り
重症化すると血圧が低下し、意識障害などが生じることがあります。
「アナフィラキシーショックは軽い副作用である」
→誤り
アナフィラキシーショックは生命に関わる重篤な状態です。
「医薬品使用後に急激なじんましんと呼吸困難が現れた場合でも、しばらく使用を続ければよい」
→誤り
アナフィラキシーなどの重篤な副作用が疑われる場合には、使用を中止し、速やかに医療機関を受診することが重要です。
予想問題
問1
アナフィラキシーについて、正しいものはどれか。
① 皮膚だけに症状が現れる
② 急激な全身性のアレルギー反応による重篤な副作用である
③ 医薬品とは関係がない
④ 必ず軽症で終わる
答え:②
解説
アナフィラキシーは、医薬品などに対する急激なアレルギー反応によって、皮膚、呼吸器、循環器、消化器などに重篤な症状を引き起こすことがあります。
問2
アナフィラキシーの症状について、正しいものはどれか。
① 呼吸困難が起こることはない
② じんましんやかゆみが現れることがある
③ 血圧低下は起こらない
④ 嘔吐は起こらない
答え:②
解説
アナフィラキシーでは、じんましんやかゆみ、顔面や口唇の腫れ、呼吸困難、血圧低下、吐き気や嘔吐など、さまざまな症状が現れることがあります。
問3
アナフィラキシーショックについて、正しいものはどれか。
① 生命に関わることはない
② 血圧低下や意識障害が現れることがある
③ 必ず皮膚症状だけが現れる
④ 自然に放置するのが基本である
答え:②
解説
アナフィラキシーが重症化すると血圧低下や意識障害などを伴うアナフィラキシーショックに至ることがあり、生命に関わる危険な状態となります。
問4
医薬品使用後の対応について、正しいものはどれか。
① 急激な呼吸困難が現れても使用を続ける
② じんましんが現れた場合は必ず使用量を増やす
③ 重篤な副作用が疑われる場合には使用を中止し、速やかに受診する
④ 副作用が疑われても登録販売者に相談する必要はない
答え:③
解説
医薬品使用後に重篤な副作用が疑われる症状が現れた場合には、使用を中止し、速やかに医療機関を受診することが重要です。
問5
アナフィラキシーについて、誤っているものはどれか。
① 呼吸器症状が現れることがある
② 循環器症状が現れることがある
③ 消化器症状が現れることがある
④ アナフィラキシーでは全身に症状が現れることはない
答え:④
解説
アナフィラキシーでは、皮膚や粘膜、呼吸器、循環器、消化器など、全身のさまざまな部位に症状が現れることがあります。
まとめ
登録販売者試験第2章⑯では、ショック(アナフィラキシー)は医薬品使用後に生じる可能性がある重篤な副作用であり、早期発見と速やかな対応が重要であることを理解しておきましょう。
特に重要なのは、
① アナフィラキシーは急激な全身性のアレルギー反応である
② 皮膚や粘膜にじんましん、かゆみ、腫れなどが現れることがある
③ 呼吸困難や喘鳴などの呼吸器症状が現れることがある
④ 血圧低下や意識障害などの循環器症状が現れることがある
⑤ 吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状が現れることがある
⑥ 重症化するとアナフィラキシーショックに至ることがある
⑦ 重篤な副作用が疑われる場合には医薬品の使用を中止し、速やかに受診する
というポイントです。
副作用は、単に「薬が合わなかった」という程度の問題ではなく、生命に関わる重篤な状態につながることがあります。
登録販売者は、医薬品を販売する際に、重大な副作用の初期症状を把握し、必要な場合には速やかに医療機関の受診につなげることが重要です。
第2章では、次に重篤な皮膚粘膜障害について学習していきます。

