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漢方薬の副作用|知っておきたい症状と服用時の注意点

 

漢方薬は、植物や鉱物などを基原とする生薬を組み合わせて作られた医薬品です。

「漢方薬は自然のものだから副作用が少ない」「西洋薬より安全」と考える人もいますが、漢方薬も医薬品であり、服用によって副作用が起こることがあります。

また、漢方薬に含まれる生薬の種類や配合量によって、注意すべき副作用や服用前に相談が必要な人が異なります。

この記事では、漢方薬でみられることがある副作用や、服用後に注意したい症状、漢方薬を使用するときのポイントについて解説します。

 

漢方薬にも副作用がある

漢方薬は医薬品であるため、体質や体調、使用する処方によっては副作用が起こることがあります。

一般用漢方製剤の添付文書では、製品によって発疹・発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感などの症状が副作用として記載されています。

また、一部の漢方薬では、まれに重篤な副作用が起こることがあります。

そのため、漢方薬を使用するときは「自然のものだから安全」と考えるのではなく、商品の添付文書に記載された使用上の注意を確認することが大切です。

漢方薬の基本的な服用方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

漢方薬の飲み方を解説|食前・食間の違い、効果が出るまでの期間や飲みにくいときの工夫

 

漢方薬でみられることがある主な副作用

漢方薬の副作用は、使用する処方や含まれている生薬によって異なります。

一般用漢方製剤の使用上の注意では、製品によって次のような症状が記載されています。

  • 発疹・発赤
  • かゆみ
  • 吐き気・嘔吐
  • 食欲不振
  • 胃部不快感
  • 腹痛
  • 下痢

ただし、これらすべてがすべての漢方薬で起こるわけではありません。

また、大黄を含む製剤では下痢など、使用する生薬によって注意すべき症状が異なる場合があります。

実際に服用する漢方薬については、商品の添付文書に記載された「使用上の注意」を確認しましょう。

 

注意したい漢方薬の重篤な副作用

漢方薬の中には、まれに重篤な副作用が起こることがあります。

一般用漢方製剤の使用上の注意では、処方や配合されている生薬などに応じて、次のような重篤な副作用について注意が記載されています。

 

間質性肺炎

一部の漢方薬では、まれに間質性肺炎が起こることがあります。

階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする、息苦しくなる、空せき、発熱などの症状が急に現れたり、持続したりする場合には注意が必要です。

このような症状が現れた場合には、服用を中止して、直ちに医師の診療を受けることが添付文書の使用上の注意に記載されています。

 

偽アルドステロン症

偽アルドステロン症は、甘草を含む漢方製剤などで注意が必要な副作用の一つです。

手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感や筋肉痛が現れ、徐々に強くなる場合があります。

甘草を含む製剤では、配合量などに応じて偽アルドステロン症やミオパチーについて注意するよう添付文書に記載されているものがあります。

 

ミオパチー

ミオパチーは、筋肉に異常が起こる状態の総称です。

一般用漢方製剤の使用上の注意では、甘草を一定量以上含む製剤について、偽アルドステロン症とともにミオパチーへの注意が記載されています。

手足のだるさ、脱力感、筋肉痛などが徐々に強くなる場合には注意が必要です。

 

肝機能障害

一部の漢方薬では、まれに肝機能障害が起こることがあります。

発熱、かゆみ、発疹、黄疸、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振などが現れる場合があります。

皮膚や白目が黄色くなる、尿の色が濃くなるなどの変化がある場合には、自己判断で服用を続けず、医師の診療を受けることが大切です。

 

甘草を含む漢方薬は重複に注意

漢方薬の副作用を考えるうえで、確認しておきたい生薬の一つが甘草です。

甘草は多くの漢方処方に使用されている生薬で、複数の漢方薬を併用すると甘草が重複する場合があります。

厚生労働省の一般用漢方製剤の使用上の注意では、1日最大配合量が甘草として1g以上の製剤などについて、偽アルドステロン症やミオパチーに関する注意事項が設定されています。

そのため、漢方薬を複数使用する場合は、「漢方薬だから一緒に飲んでも問題ない」と考えず、使用する製品の成分や生薬の重複を確認することが重要です。

漢方薬の併用や飲み合わせについては、別の記事で詳しく解説します。

 

漢方薬を服用する前に相談したほうがよい人

漢方薬の中には、特定の人が服用する場合に注意が必要なものがあります。

一般用漢方製剤では、製品によって次のような人について、服用前に医師、薬剤師または登録販売者へ相談するよう記載されています。

  • 医師の治療を受けている人
  • 妊婦または妊娠していると思われる人
  • 体が虚弱な人
  • 胃腸が弱い人
  • 高齢者
  • 以前に薬などで発疹・発赤、かゆみなどを起こしたことがある人
  • むくみがある人
  • 高血圧、心臓病、腎臓病などの診断を受けている人

また、マオウを含む製剤では、発汗傾向が著しい人、排尿困難がある人、甲状腺機能障害の診断を受けている人などについて、相談するよう記載される場合があります。

ただし、これらすべてがすべての漢方薬に当てはまるわけではありません。

使用する製品によって注意事項が異なるため、実際の添付文書を確認することが大切です。

 

漢方薬を複数使う場合は注意

漢方薬は一つの処方だけでなく、複数の商品を使用することがあります。

しかし、複数の漢方薬を同時に使用すると、同じ生薬が重複する可能性があります。

特に甘草など、複数の漢方処方に使用される生薬については、重複による影響に注意が必要です。

また、漢方薬だけでなく、一般用医薬品や医療用医薬品などを使用している場合にも、併用について確認したほうがよい場合があります。

複数の医薬品を使用している場合は、自己判断で漢方薬を追加せず、薬剤師または登録販売者などに相談しましょう。

 

副作用が疑われる症状が出たらどうする?

漢方薬を服用した後に、これまでになかった症状が現れた場合は、副作用の可能性も考える必要があります。

発疹・発赤、かゆみ、吐き気などの症状が現れた場合は、服用している商品の添付文書を確認しましょう。

また、息苦しさ、空せき、発熱、手足のだるさや脱力感、筋肉痛、黄疸など、重篤な副作用が疑われる症状がある場合には、服用を中止して医師の診療を受けることが重要です。

「漢方薬だから大丈夫」と自己判断して服用を続けないようにしましょう。

 

症状が改善しない場合も注意

漢方薬は、使用する処方や症状によって、服用する期間や症状が改善しない場合の対応が異なります。

一般用漢方製剤では、一定期間服用しても症状がよくならない場合には、服用を中止して医師、薬剤師または登録販売者に相談するよう記載されている製品があります。

また、甘草を一定量以上含む製剤などでは、長期連用する場合に医師、薬剤師または登録販売者へ相談するよう記載されているものがあります。

「漢方薬は長く飲むものだから」と考えて、症状が改善しないまま自己判断で服用を続けるのは避けましょう。

漢方薬の服用期間や飲み方については、こちらの記事も参考にしてください。

漢方薬の飲み方を解説|食前・食間の違い、効果が出るまでの期間や飲みにくいときの工夫

 

女性の不調に漢方薬を使用する場合も注意

更年期や生理前などの女性特有の不調に対して、漢方薬が用いられることがあります。

ただし、女性向けの漢方薬であっても医薬品であることに変わりはなく、副作用や使用上の注意があります。

更年期や生理前の不調については、症状だけでなく体質や体力、症状の現れ方などを考慮して漢方薬が選ばれる場合があります。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

更年期・生理前の不調に漢方薬|女性に多い症状と漢方の考え方を解説

 

漢方薬は「自然のものだから安全」とは限らない

漢方薬は生薬を使用しているため、「自然のものだから副作用がない」と考えてしまうことがあります。

しかし、漢方薬も医薬品です。

体質や体調、使用する処方によっては副作用が起こる可能性があります。

また、複数の漢方薬を使用する場合には、同じ生薬が重複する可能性があるため、使用する製品の注意事項を確認することが大切です。

漢方薬を使用するときは、「自然のものだから大丈夫」と考えるのではなく、医薬品として添付文書の内容を確認しましょう。

 

まとめ

漢方薬は、自然由来の生薬を使用していますが、医薬品であるため副作用が起こることがあります。

一般用漢方製剤では、発疹・発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感などが副作用として記載されている製品があります。

また、処方によっては、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害などの重篤な副作用について注意が必要です。

特に、甘草などの生薬は複数の漢方薬に含まれることがあるため、漢方薬を併用するときには生薬の重複にも注意しましょう。

服用後に気になる症状が現れた場合や、複数の医薬品を使用している場合、症状が改善しない場合には、自己判断で服用を続けず、医師、薬剤師または登録販売者に相談することが大切です。

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