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登録販売者試験 第2章完全攻略⑰|重篤な皮膚粘膜障害を徹底解説

登録販売者試験第2章「人体の働きと医薬品」では、医薬品の副作用について、その症状や早期発見、適切な対応を理解することが重要です。

第2章⑰では、重篤な副作用の一つである「重篤な皮膚粘膜障害」について学びます。

代表的なものとして、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群:SJS)と中毒性表皮壊死融解症(TEN)が挙げられます。

これらは発生頻度こそ非常にまれですが、発症すると多臓器障害などにより生命に関わることがあり、皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器などに障害が残ることがあります。

そのため、登録販売者は初期症状を把握し、重篤な皮膚粘膜障害が疑われる場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、速やかに医療機関の受診につなげることが重要です。

特に、

・皮膚粘膜眼症候群(SJS)
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)
・38℃以上の高熱
・目の充血、目やに、まぶたの腫れ
・口唇や陰部のただれ
・喉の痛み
・広範囲の皮膚の発赤
・急性結膜炎
・原因医薬品の使用中止と受診

は、登録販売者試験で重要なポイントです。

本記事では、重篤な皮膚粘膜障害について、試験で判断しやすいように整理して解説します。

 

この記事で学べること

この記事では、次の内容を整理します。

・重篤な皮膚粘膜障害とは何か
・皮膚粘膜眼症候群(SJS)
・中毒性表皮壊死融解症(TEN)
・SJSとTENの共通点
・初期に現れやすい症状
・目に現れる症状
・口や喉など粘膜に現れる症状
・広範囲の皮膚症状
・急性結膜炎に注意する理由
・発症時期
・原因医薬品の使用中止と受診
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題

 

重篤な皮膚粘膜障害とは

重篤な皮膚粘膜障害は、医薬品の副作用として起こることがある、生命に関わる重篤な疾患です。

代表的なものが、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)と中毒性表皮壊死融解症です。

いずれも発生は非常にまれですが、一旦発症すると、多臓器障害などの合併症により致命的な転帰をたどることがあります。

また、皮膚症状が軽快した後も、眼や呼吸器などに障害が残ることがあります。

 

皮膚粘膜眼症候群(SJS)

皮膚粘膜眼症候群は、スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome)とも呼ばれる重篤な副作用です。

皮膚だけではなく、眼、口唇、口腔、喉、陰部などの粘膜にも症状が現れることがあります。

特に、高熱や目の充血、口唇のただれ、広範囲の皮膚の発赤などが持続したり、急激に悪化したりする場合には注意が必要です。

 

中毒性表皮壊死融解症(TEN)

中毒性表皮壊死融解症は、英語ではToxic Epidermal Necrolysis(TEN)と呼ばれます。

38℃以上の高熱を伴って広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらんなどが認められ、さらに口唇の発赤・びらんや眼の充血などを伴う病態です。

最初に報告した医師の名前にちなみ、ライエル症候群とも呼ばれます。

皮膚粘膜眼症候群と関連のある病態と考えられており、中毒性表皮壊死融解症の症例の多くが、皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられています。

 

皮膚粘膜眼症候群とTENに共通する症状

皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症では、共通して次のような症状に注意する必要があります。

・38℃以上の高熱
・目の充血
・目やに(眼分泌物)
・まぶたの腫れ
・目が開けづらい
・口唇の違和感
・口唇や陰部のただれ
・排尿時や排便時の痛み
・喉の痛み
・広範囲の皮膚の発赤

これらの症状が持続したり、急激に悪化したりする場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要があります。

 

目の症状は重要

重篤な皮膚粘膜障害では、皮膚だけでなく眼にも症状が現れることがあります。

代表的な症状として、

・目の充血
・目やに
・まぶたの腫れ
・目が開けづらい

などがあります。

特に注意したいのが、両眼に現れる急性結膜炎です。

急性結膜炎では、充血、目やに、流涙、かゆみ、腫れなどが生じます。

この急性結膜炎は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期、または半日から1日程度先行して現れることがあるため、SJSやTENの前兆である可能性を疑うことが重要です。

 

口や喉などの粘膜症状

重篤な皮膚粘膜障害では、口唇やその他の粘膜にも症状が現れることがあります。

代表的な症状として、

・口唇の違和感
・口唇のただれ
・陰部のただれ
・喉の痛み
・排尿時の痛み
・排便時の痛み

などがあります。

皮膚症状だけで判断するのではなく、眼や口、喉などの粘膜症状を合わせて考えることが重要です。

 

広範囲の皮膚の発赤

重篤な皮膚粘膜障害では、広範囲の皮膚に発赤が現れることがあります。

特に、発赤が広がったり、症状が持続したり、急激に悪化したりする場合には注意が必要です。

TENでは、広範囲の皮膚の発赤に加えて、火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらんなどが認められることがあります。

 

発症時期にも注意する

皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いとされています。

ただし、1か月以上経ってから起こることもあります。

そのため、「薬を使い始めてから時間が経っているから、副作用ではない」と判断しないことが重要です。

 

疑われる場合の対応

次のような症状が持続したり、急激に悪化したりする場合には、重篤な皮膚粘膜障害の可能性を考える必要があります。

・38℃以上の高熱
・目の充血、目やに
・まぶたの腫れ
・目が開けづらい
・口唇の違和感やただれ
・陰部のただれ
・排尿時や排便時の痛み
・喉の痛み
・広範囲の皮膚の発赤

このような場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要があります。

登録販売者は、相談者からこのような症状を聞き取った場合、一般用医薬品を継続して使用するよう勧めるのではなく、速やかな受診につなげることが重要です。

 

試験で覚えておきたいポイント

第2章⑰では、次のポイントを押さえておきましょう。

① 重篤な皮膚粘膜障害には、皮膚粘膜眼症候群(SJS)や中毒性表皮壊死融解症(TEN)がある

② SJSやTENは非常にまれだが、発症すると重篤な経過をたどることがある

③ 38℃以上の高熱は重要な初期症状の一つである

④ 目の充血、目やに、まぶたの腫れ、目が開けづらいなどの眼症状に注意する

⑤ 口唇や陰部のただれ、喉の痛み、排尿・排便時の痛みなどの粘膜症状に注意する

⑥ 広範囲の皮膚の発赤が現れることがある

⑦ 両眼に現れる急性結膜炎は、SJSやTENの前兆である可能性がある

⑧ 原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1か月以上経ってから起こることもある

⑨ 疑われる場合には原因と考えられる医薬品の使用を中止し、直ちに皮膚科の専門医を受診する

 

試験で間違えやすいポイント

「SJSやTENは皮膚だけに症状が現れる」

→誤り

皮膚だけではなく、眼や口唇、喉、陰部などの粘膜にも症状が現れることがあります。

「SJSやTENでは38℃以上の高熱が現れることがある」

→正しい

38℃以上の高熱は重要な症状の一つです。

「目の充血や目やには重要ではない」

→誤り

目の充血、目やに、まぶたの腫れ、目が開けづらいなどの眼症状は重要です。

「急性結膜炎はSJSやTENと関係がない」

→誤り

両眼に現れる急性結膜炎は、皮膚や粘膜の変化に先行して現れることがあり、前兆である可能性があります。

「原因医薬品の使用開始から2週間以上経過すれば、SJSやTENは起こらない」

→誤り

2週間以内に発症することが多いものの、1か月以上経ってから起こることもあります。

 

予想問題

問1

重篤な皮膚粘膜障害について、正しいものはどれか。

① 皮膚粘膜眼症候群は皮膚だけに症状が現れる
② 中毒性表皮壊死融解症は非常に軽い副作用である
③ SJSやTENでは眼や粘膜にも症状が現れることがある
④ SJSやTENは生命に関わることはない

答え:③

 

解説

皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症では、皮膚だけでなく、眼や口唇、喉、陰部などの粘膜にも症状が現れることがあります。また、発症すると生命に関わる重篤な疾患となることがあります。

 

問2

重篤な皮膚粘膜障害で注意すべき症状として、正しいものはどれか。

① 38℃以上の高熱
② 視力が必ず正常になる
③ 皮膚症状は必ず一部分に限られる
④ 粘膜には症状が現れない

答え:①

 

解説

38℃以上の高熱、目の充血、目やに、まぶたの腫れ、口唇や陰部のただれ、喉の痛み、広範囲の皮膚の発赤などが重要な症状です。

 

問3

重篤な皮膚粘膜障害と眼症状について、正しいものはどれか。

① 急性結膜炎は前兆になることがある
② 目の充血は関係しない
③ 目やには起こらない
④ 眼症状は必ず皮膚症状の後に現れる

答え:①

 

解説

両眼に現れる急性結膜炎は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期、または半日から1日程度先行して現れることがあり、SJSやTENの前兆である可能性があります。

 

問4

皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症の発症時期について、正しいものはどれか。

① 必ず医薬品使用直後に起こる
② 使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1か月以上経ってから起こることもある
③ 使用開始から1日以内にしか起こらない
④ 1か月経過すれば発症することはない

答え:②

 

解説

SJSやTENはいずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いものの、1か月以上経ってから起こることもあります。

 

問5

重篤な皮膚粘膜障害が疑われる場合の対応として、正しいものはどれか。

① 原因と考えられる医薬品を継続して使用する
② 症状が強くても数週間様子を見る
③ 原因と考えられる医薬品の使用を中止し、直ちに皮膚科の専門医を受診する
④ 市販薬を追加して様子を見る

答え:③

 

解説

38℃以上の高熱、眼症状、粘膜症状、広範囲の皮膚の発赤などが持続したり、急激に悪化したりする場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、直ちに皮膚科の専門医を受診する必要があります。

 

まとめ

登録販売者試験第2章⑰では、重篤な皮膚粘膜障害として、皮膚粘膜眼症候群(SJS)と中毒性表皮壊死融解症(TEN)を理解しておきましょう。

特に重要なのは、

① SJSとTENは重篤な皮膚粘膜障害である

② 38℃以上の高熱が現れることがある

③ 目の充血、目やに、まぶたの腫れ、目が開けづらいなどの眼症状に注意する

④ 口唇や陰部のただれ、喉の痛み、排尿・排便時の痛みなどの粘膜症状に注意する

⑤ 広範囲の皮膚の発赤が現れることがある

⑥ 両眼に現れる急性結膜炎は前兆である可能性がある

⑦ 原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1か月以上経ってから起こることもある

⑧ 症状が持続したり急激に悪化したりする場合には、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、直ちに皮膚科の専門医を受診する

というポイントです。

重篤な皮膚粘膜障害は、発生頻度は非常にまれであっても、一旦発症すると生命に関わることがあります。

登録販売者は、皮膚症状だけではなく、眼や口唇、喉などの粘膜症状にも注意し、重篤な副作用が疑われる場合には速やかに受診につなげることが重要です。

 

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

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