登録販売者試験 第3章完全攻略55|相談対応の実践問題!購入者の質問から考える医薬品の選び方
登録販売者試験の第3章「主な医薬品とその作用」では、医薬品の成分や作用を覚えるだけではなく、購入者から相談を受けたときに、どのように対応するかという実践的な知識も重要です。
現行の「試験問題の作成に関する手引き」でも、一般用医薬品の主な有効成分について、
・基本的な効能効果や特徴
・飲み方や飲み合わせ
・年齢
・基礎疾患
・効き目や安全性に影響する要因
・起こり得る副作用
などを理解し、購入者等への情報提供や相談対応に活用できることが、第3章の問題作成のポイントとして示されています。
つまり、試験では、
「この成分は何に使うか」
だけでなく、
「この人には使ってよいのか」
「何を確認する必要があるのか」
「医療機関への受診を勧めるべきではないか」
という判断が重要になります。
この記事では、実際の接客・相談場面をイメージしながら、第3章の知識を確認していきます。
相談対応で最初に確認すること
購入者から、
「この薬ありますか?」
と聞かれた場合、単純に商品を案内すればよいとは限りません。
症状によっては、一般用医薬品による対応が適切ではない場合があります。
相談を受けたときには、少なくとも次のような情報を確認することが重要です。
- どのような症状なのか
- いつから症状があるのか
- 症状の程度はどのくらいか
- 年齢
- 妊娠・授乳の有無
- 現在使用している医薬品
- 基礎疾患の有無
- 過去に薬で問題が起きたことがないか
- 受診が必要と考えられる症状がないか
これらを確認したうえで、一般用医薬品による対応が可能かを判断します。
① 「同じ成分なら一緒に飲んでも大丈夫?」
購入者から、
「風邪薬を飲んでいますが、頭痛がするので解熱鎮痛薬も追加していいですか?」
と相談されたとします。
この場合、単純に「頭痛には解熱鎮痛薬」と判断してはいけません。
総合感冒薬には、解熱鎮痛成分が配合されていることがあります。
その状態で別の解熱鎮痛薬を追加すると、同系統の成分を重複して使用する可能性があります。
したがって、
現在使用している風邪薬の商品名・成分を確認する
ことが重要です。
「症状が違うから別の薬を追加する」という考え方ではなく、
現在使用している医薬品に何が含まれているか
を確認することがポイントです。
② 「眠くなってもいいので一番効く薬がほしい」
購入者から、
「今日は車を運転しないので、眠くなってもいいから一番効く薬をください」
と言われた場合を考えます。
ここで重要なのは、
「眠くなる=効き目が強い」ではない
ということです。
眠気は医薬品によって起こり得る副作用の一つであり、眠気が強いことを「効果が強い証拠」と考えてはいけません。
また、眠気を起こす可能性がある成分を含む医薬品では、運転や機械操作に関する注意が必要になる場合があります。
したがって、
「眠くなる薬ほどよく効く」
という説明は不適切です。
③ 「妊娠しているかもしれないけど、この薬を飲んでいい?」
妊娠中、または妊娠している可能性がある場合には、医薬品の使用について慎重な判断が必要です。
相談された場合、
「市販薬だから大丈夫」
と判断してはいけません。
医薬品によって妊娠中の使用上の注意が異なるため、妊娠の可能性を確認したうえで、必要に応じて医師・薬剤師への相談につなげます。
特に、女性ホルモンを含有する毛髪用薬など、妊娠中または妊娠している可能性がある人への使用を避けるものもあります。
試験では、
「妊娠の可能性がある人には使用上の注意を確認する」
という相談対応の考え方が重要です。
④ 「子どもだから半分にして飲ませればいい?」
成人用の医薬品を、
「子どもだから半分にすればいい」
と自己判断して使用するのは適切ではありません。
医薬品は、単純に成人量を半分にすれば小児量になるとは限りません。
小児では、年齢や体格、使用できる成分、剤形などを考慮する必要があります。
したがって、
成人用医薬品を自己判断で減量して子どもに使用する
という考え方は避けます。
⑤ 「症状が続いているけど薬を飲み続ければいい?」
一般用医薬品は、症状が続いているからといって、いつまでも使用し続ければよいものではありません。
例えば、かぜ症状では、
症状が4日以上続く
場合や、急激な発熱、重篤な症状などがある場合には、単なるかぜではない可能性を考える必要があります。
このような場合には、一般用医薬品を漫然と使用するのではなく、受診につなげることが重要です。
「薬を飲み続ける」という選択肢だけではなく、
「そもそも市販薬で対応してよい症状なのか」
を考えることがポイントです。
⑥ 「検査薬で陽性だったので妊娠が確定した?」
一般用妊娠検査薬で陽性になった場合でも、
それだけで正常な妊娠が確定するわけではありません。
妊娠検査薬は尿中のhCGを検出するものですが、hCGは妊娠以外の原因で検出されることもあります。
また、検査結果が陽性であれば、医療機関を受診して確認することが重要です。
逆に、陰性であっても月経の遅れが著しい場合には、受診を検討する必要があります。
一般用検査薬は、
「病気を確定診断するためのもの」
ではなく、
「健康状態を確認し、必要に応じて受診につなげるためのもの」
という位置付けを理解しておきましょう。
⑦ 「虫よけを子どもの顔にも塗っていい?」
ディートを含有する忌避剤では、年齢に応じた使用上の注意があります。
特に、
12歳未満の小児では顔面への使用を避ける
ことが重要です。
さらに、年齢によって1日の使用回数にも制限があります。
生後6か月未満 → 使用を避ける
生後6か月以上2歳未満 → 1日1回まで
2歳以上12歳未満 → 1日1~3回まで
12歳未満 → 顔面への使用を避ける
このように、
「子どもに使えるか」だけではなく「何歳か」「どこに使うか」「何回使えるか」
まで確認することが重要です。
⑧ 「虫刺されがひどいので強い薬がほしい」
虫刺されについて相談された場合も、
「強い薬を選ぶ」
ことだけを考えてはいけません。
患部の状態を確認し、
・症状の程度
・患部の範囲
・傷の有無
・化膿していないか
・感染が疑われないか
などを確認する必要があります。
症状によっては、一般用医薬品による対応ではなく、医療機関への受診が適切な場合があります。
つまり、
症状 → 原因の可能性 → 使用できる医薬品 → 受診の必要性
という順番で考えることが重要です。
⑨ 「目薬なら何を使っても同じ?」
目薬についても、
「目薬ならどれでも同じ」
とは考えません。
目の症状には、疲れ目、乾燥、アレルギー、感染などさまざまな原因があります。
また、症状によっては一般用医薬品による対応が適さず、受診が必要になることがあります。
そのため、
「目が赤いから目薬」
と単純に決めるのではなく、
どのような症状が、いつから、どの程度あるのか
を確認することが重要です。
⑩ 「歯が痛いので市販の歯痛薬だけで治したい」
歯痛薬については、特に注意が必要です。
一般用の歯痛薬には、痛みを一時的に和らげる目的で使用されるものがあります。
しかし、
虫歯そのものを治療するものではありません。
したがって、
「薬で痛みがなくなったから虫歯が治った」
とは考えません。
歯痛がある場合には、必要に応じて早めに歯科医療機関を受診することが重要です。
登録販売者試験では、
「症状を一時的に緩和すること」と「原因疾患を治療すること」は別
という考え方を押さえておきましょう。
相談対応で覚える「5つの確認」
第3章の相談対応では、次の5項目を意識すると整理しやすくなります。
① 年齢
小児、高齢者などでは使用できる医薬品や注意点が変わることがあります。
② 現在使用している薬
同じ成分や作用の重複、飲み合わせなどを確認します。
③ 基礎疾患
持病によって使用できない、または注意が必要な医薬品があります。
④ 妊娠・授乳
妊娠中・授乳中は医薬品の使用について慎重な判断が必要です。
⑤ 症状の経過
いつから症状があるのか、改善しているのか、悪化しているのかを確認します。
この5項目を確認するだけでも、単純な「症状→薬」という選択から、
「その人に適した医薬品か」
という判断に変わります。
相談対応で間違えやすい考え方
試験では、もっともらしい説明の中に誤りを混ぜた選択肢が出されることがあります。
特に注意したいのが次の考え方です。
「市販薬だから安全」
誤り。
一般用医薬品にも副作用や相互作用などのリスクがあります。
「漢方薬なら副作用はない」
誤り。
漢方処方製剤にも副作用が起こる可能性があります。
「症状が治まれば原因も治った」
誤り。
症状を一時的に緩和する医薬品と、原因疾患を治療することは別です。
「子どもには大人用を減らして使えばいい」
誤り。
小児に使用できる医薬品かどうかを確認する必要があります。
「同じ症状なら誰でも同じ薬を使える」
誤り。
年齢、基礎疾患、妊娠・授乳、併用薬などによって判断が変わります。
予想問題
問1
総合感冒薬を服用している人が、頭痛を感じたため別の解熱鎮痛薬を追加したいと相談した場合、現在服用している医薬品の成分を確認することが重要である。
解説
正しい。
総合感冒薬には解熱鎮痛成分が含まれることがあるため、成分の重複を避けるために現在使用している医薬品を確認します。
問2
眠気が生じる医薬品は、眠気が生じない医薬品よりも必ず鎮痛効果が強い。
解説
誤り。
眠気は副作用として生じることがあり、眠気の強さと薬効の強さを単純に結び付けることはできません。
問3
妊娠している可能性がある人から医薬品について相談された場合でも、一般用医薬品であれば問題なく使用できると判断してよい。
解説
誤り。
妊娠中または妊娠している可能性がある場合には、医薬品ごとの使用上の注意を確認し、必要に応じて専門家への相談につなげます。
問4
成人用医薬品は、子どもに使用する場合には成人量を半分にすればよい。
解説
誤り。
小児に使用できる医薬品かどうかを確認する必要があり、成人量を単純に減らして使用するものではありません。
問5
かぜ症状が4日以上続いている場合には、単なるかぜではない可能性を考慮する。
解説
正しい。
かぜ症状が長期間続く場合や重篤な症状がある場合には、他の疾患の可能性を考え、受診につなげることが重要です。
問6
妊娠検査薬が陽性になった場合、その結果だけで正常な妊娠であることまで確定できる。
解説
誤り。
一般用妊娠検査薬の陽性結果だけで正常な妊娠まで確定することはできません。
問7
12歳未満の小児にディートを含有する忌避剤を使用する場合、顔面への使用を避ける。
解説
正しい。
12歳未満では顔面への使用を避けることが重要な使用上の注意です。
問8
虫刺されについて相談された場合は、症状が強いほど作用の強い医薬品を選べばよく、患部の状態を確認する必要はない。
解説
誤り。
患部の範囲や傷、化膿、感染などの可能性を確認し、一般用医薬品で対応できる状態か判断する必要があります。
問9
歯痛薬によって痛みが軽減した場合、虫歯などの原因疾患も治療されたと考えてよい。
解説
誤り。
歯痛薬は痛みを一時的に緩和するために使用されるもので、虫歯そのものを治療するものではありません。
問10
第3章の相談対応では、症状だけでなく、年齢、現在使用している医薬品、基礎疾患、妊娠・授乳、症状の経過などを確認することが重要である。
解説
正しい。
第3章では、有効成分の知識だけでなく、年齢、基礎疾患、飲み合わせなどを踏まえた情報提供・相談対応が重要です。
まとめ
第3章の相談対応では、
「症状に合う薬を選ぶ」
だけでは不十分です。
重要なのは、
① 年齢
② 現在使用している医薬品
③ 基礎疾患
④ 妊娠・授乳
⑤ 症状の経過
を確認したうえで、その人が一般用医薬品で対応できる状態なのかを判断することです。
さらに、
「薬を使えるか」だけではなく、「そもそも受診が必要ではないか」
という視点を持つことが重要です。
第3章の最終対策では、
成分 → 作用 → 副作用 → 使用上の注意 → 相談対応 → 受診勧奨
までを一連の流れとして理解しておきましょう。
参考資料
厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)」
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