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登録販売者試験 第3章完全攻略㊳|小児鎮静薬の特徴・生薬・漢方処方製剤と副作用を徹底解説

小児鎮静薬とは

小児では、特に身体的な問題がなく、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き、ひきつけ、疳の虫などの症状が現れることがあります。

こうした症状には、他者との関わりなどに対する不安や興奮による情緒不安定・神経過敏が関係するといわれています。

また、睡眠のリズムが形成されるまでの発達の一過程とも考えられています。

授乳後にげっぷが出なかったり、泣く際に空気を飲み込んだりすることによって、消化管に過剰な空気が入ることと関連づけられる場合もあります。

乳児は、食道と胃を隔てる括約筋が未発達で、胃の内容物を十分に保持できないため、胃食道逆流に起因するむずがり、夜泣き、乳吐きなどを起こすこともあります。

小児鎮静薬の目的

小児鎮静薬は、こうした症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質、消化不良などの改善を目的とする医薬品です。

小児鎮静薬には、生薬製剤と漢方処方製剤があります。

その多くは、症状の原因となる体質の改善を主眼としており、比較的長期間、1か月位継続して服用されることがあります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

夜泣きなどは成長に伴って自然に治まることが多い

身体的な問題がなく生じる夜泣き、ひきつけ、疳の虫などは、成長に伴って自然に治まるのが通常です。

そのため、保護者が発達段階の一時的な症状として受け止めることも重要です。

保護者側の安眠などを優先して、小児鎮静薬を使用することは適当ではありません。

まず小児本人の状態をよく観察し、本当に医薬品の使用が必要なのかを見極めることが重要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

小児の「疳」とは

小児の疳は、「乾」という意味もあるといわれ、痩せて血が少ないことから生じると考えられてきました。

小児鎮静薬には、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用があるとされる生薬成分を中心に配合されます。

また、鎮静と中枢刺激のように、一見すると相反する作用を期待する生薬成分が配合されている場合もあります。

これは、身体の状態によってそれらに対する反応が異なり、総じて効果がもたらされると考えられているためです。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

小児鎮静薬は「子どもだから安全」ではない

小児鎮静薬は古くから伝統的に使用されてきましたが、「作用が穏やかだから小さな子どもに使っても副作用がない」という考え方は適切ではありません。

小児は成人と比べて体格が小さく、体重あたりの成分摂取量が多くなることもあるため、適切な製品を選択することが重要です。

特に乳幼児では、状態が急変することもあるため、保護者による十分な観察が必要です。

代表的な配合生薬

小児鎮静薬では、緊張や興奮を鎮めたり、血液の循環を促したりすることを期待して、さまざまな生薬が配合されます。

ゴオウ

ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬です。

緊張や興奮を鎮め、血液の循環を促す作用などを期待して用いられます。

強心薬にも配合されることがあるため、強心薬で学習した内容と関連づけて覚えましょう。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

ジャコウ

ジャコウは、シカ科のジャコウジカの成熟した雄の香嚢から得られる分泌物を基原とする生薬です。

ゴオウと同様に、緊張や興奮を鎮め、血液の循環を促す作用などを期待して用いられます。

レイヨウカク

レイヨウカクは、ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)などの角を基原とする生薬です。

緊張や興奮を鎮める作用などを期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

ジンコウ

ジンコウは、ジンチョウゲ科のジンコウなどの材のうち、樹脂が沈着した部分を基原とする生薬です。

鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

リュウノウ

リュウノウは、ボルネオールを含む生薬成分です。

小児鎮静薬では、ほかの生薬成分と組み合わせて配合されることがあります。

動物胆(ユウタン)

動物胆には、ユウタンなどが含まれます。

これらは胃の薬などにも関連する生薬成分で、小児鎮静薬では他の生薬と組み合わせて配合される場合があります。

チョウジ

チョウジは、胃の薬などにも用いられる生薬成分です。

小児鎮静薬に配合される場合があります。

サフラン

サフランは婦人薬にも用いられる生薬で、小児鎮静薬に配合されることもあります。

ニンジン

ニンジンは滋養強壮保健薬にも用いられる代表的な生薬です。

小児鎮静薬では、他の生薬と組み合わせて配合される場合があります。

カンゾウにも注意

小児の疳を適応症とする生薬製剤では、カンゾウが主として健胃作用を期待して配合される場合があります。

配合量は比較的少ないことが多いものの、他の医薬品などから摂取されるグリチルリチン酸も含め、総量が継続して多くならないよう注意が必要です。

特に乳幼児では、体格の個人差によって体重あたりのグリチルリチン酸摂取量が多くなることがあります。

小児鎮静薬の漢方処方製剤

小児の疳を適応症とする主な漢方処方製剤として、次の処方があります。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯
  • 桂枝加竜骨牡蛎湯
  • 抑肝散
  • 抑肝散加陳皮半夏
  • 小建中湯

これらの処方のほとんどがカンゾウを含みます。

例外として、柴胡加竜骨牡蛎湯はカンゾウを含みません。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

小児鎮静薬の年齢に関する重要ポイント

漢方処方製剤は、用法・用量で適用年齢の下限が設けられていない場合でも、生後3か月未満の乳児には使用しないこととされています。

「年齢制限の記載がないから新生児にも使用できる」という理解は誤りです。

乳幼児では体重あたりの摂取量に注意

乳幼児は体重が小さいため、成人と同じ量ではなくても、体重あたりでは成分摂取量が大きくなることがあります。

特にカンゾウを含む処方では、グリチルリチン酸の摂取量に注意します。

小児の夜泣きに漢方薬を使用する場合

小児の夜泣きに対して漢方処方製剤を使用する場合にも、症状だけで判断するのではなく、成長・発達の段階や身体的な問題の有無を考慮する必要があります。

特に柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏などが小児の疳や夜泣きに用いられることがあります。

これらの処方についても、それぞれの「しばり」や構成生薬を確認して適切に使用することが重要です。

小建中湯

小建中湯(しょうけんちゅうとう)は、体力虚弱で疲労しやすく、腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、ねあせ、鼻血、頻尿及び多尿などを伴う人に用いられます。

主な適応は、

  • 小児虚弱体質
  • 疲労倦怠
  • 慢性胃腸炎
  • 腹痛
  • 神経質
  • 小児夜尿症
  • 夜なき

などです。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

小建中湯とカンゾウ

小建中湯はカンゾウを構成生薬として含みます。

乳幼児に使用する場合には、体重あたりのグリチルリチン酸摂取量が多くなることがあるため注意が必要です。

また、小建中湯は比較的長期間、1か月位服用することがあるため、特に注意が必要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

相互作用に注意

小児鎮静薬に限らず、漢方処方製剤や生薬成分が配合された医薬品では、同じ生薬や同種の作用を持つ成分の重複に注意する必要があります。

複数の医薬品を使用している場合には、同じ生薬や成分が重複していないか確認します。

特にカンゾウを含む製品では、他の医薬品から摂取されるグリチルリチン酸を含めた総摂取量に注意します。

小児は状態が急変しやすい

乳幼児は状態が急変しやすく、体調の変化を自分自身で適切に伝えることが難しいため、保護者などが状態をよく観察することが重要です。

小児鎮静薬を一定期間又は一定回数服用させても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続してはいけません。

食事アレルギーやウイルス性胃腸炎など、別の原因による症状である可能性もあるため、医療機関を受診させるなどの対応が必要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

激しい下痢・高熱では受診

乳幼児では、一過性の下痢や発熱がみられることがあります。

しかし、激しい下痢や高熱がある場合には、脱水症状につながるおそれがあります。

このような場合には、医師の診療を受けさせる必要があります。

吐いたものの色や状態にも注意

乳幼児が吐いた場合、

  • 緑色をしている
  • 血が混じっている
  • 吐くときに咳き込む
  • 吐くときに息を詰まらせる

などの状態がみられる場合には、早めに医師の診療を受けさせる必要があります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692428.pdf))

小児鎮静薬の重要ポイント一覧

項目 重要ポイント
小児鎮静薬 夜泣き、ひきつけ、疳の虫、虚弱体質、消化不良などに用いる
基本的な考え方 成長に伴って自然に治まる症状も多い
保護者 保護者側の安眠を優先して使用するのは適当ではない
生薬製剤 鎮静・血行促進などを期待する生薬を配合
ゴオウ 緊張・興奮を鎮め、血液循環を促す
ジャコウ 緊張・興奮を鎮め、血液循環を促す
レイヨウカク 緊張・興奮を鎮める
ジンコウ 鎮静・健胃・強壮
カンゾウ 主として健胃作用。総グリチルリチン酸量に注意
漢方処方 柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、小建中湯
カンゾウを含まない処方 柴胡加竜骨牡蛎湯
乳児 生後3か月未満には漢方処方製剤を使用しない
小建中湯 体力虚弱・疲労しやすい・腹痛・小児夜尿症・夜なき等
改善しない 他の原因を考え、漫然と継続せず受診
激しい下痢・高熱 脱水のおそれ。受診
緑色・血液混じりの嘔吐 早めに受診
咳き込み・息を詰まらせる嘔吐 早めに受診

ここは絶対に覚えたい!

小児鎮静薬 → 夜泣き・ひきつけ・疳の虫・虚弱体質・消化不良

夜泣き等 → 成長に伴って自然に治まることが多い

保護者の安眠を優先した使用 → 適当ではない

ゴオウ・ジャコウ → 緊張・興奮を鎮める+血液循環促進

レイヨウカク → 緊張・興奮を鎮める

ジンコウ → 鎮静・健胃・強壮

カンゾウ → 健胃作用+総グリチルリチン酸量に注意

小児の疳の主な漢方 → 柴胡加竜骨牡蛎湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・小建中湯

柴胡加竜骨牡蛎湯以外 → カンゾウを含む

漢方処方製剤 → 生後3か月未満には使用しない

小建中湯 → 体力虚弱・腹痛・小児夜尿症・夜なき

乳幼児 → 体重あたりのグリチルリチン酸量に注意

一定期間・一定回数で改善しない → 他の原因を考えて受診

激しい下痢・高熱 → 脱水のおそれ → 受診

緑色・血液混じりの嘔吐 → 早めに受診

嘔吐時の咳き込み・息を詰まらせる → 早めに受診

予想問題

問1

小児鎮静薬は、夜泣き、ひきつけ、疳の虫などの症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質や消化不良などの改善を目的とする医薬品である。

解説

正しい。小児鎮静薬には、生薬製剤と漢方処方製剤があります。

問2

身体的な問題がない小児の夜泣きなどは、成長に伴って自然に治まることが多いため、保護者側の安眠を優先して小児鎮静薬を使用することは適当ではない。

解説

正しい。夜泣き、ひきつけ、疳の虫などは成長に伴って自然に治まることが通常であり、保護者側の安眠を優先した使用は適当ではありません。

問3

ゴオウとジャコウは、緊張や興奮を鎮めるほか、血液の循環を促す作用などを期待して用いられる。

解説

正しい。ゴオウとジャコウはいずれも、緊張・興奮を鎮め、血液循環を促す作用などを期待して用いられます。

問4

ジンコウは、鎮静作用だけを期待して用いられ、健胃や強壮の作用は期待されない。

解説

誤り。ジンコウには、鎮静、健胃、強壮などの作用が期待されています。

問5

小児の疳を適応症とする漢方処方製剤は、すべて構成生薬としてカンゾウを含む。

解説

誤り。これらの処方のほとんどがカンゾウを含みますが、柴胡加竜骨牡蛎湯はカンゾウを含みません。

問6

漢方処方製剤は、用法・用量に適用年齢の下限が記載されていなければ、生後1か月の乳児にも使用できる。

解説

誤り。用法・用量に適用年齢の下限が設けられていない場合でも、生後3か月未満の乳児には使用しないこととされています。

問7

小建中湯は、体力虚弱で疲労しやすく、腹痛があり、血色がすぐれない人の小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、小児夜尿症、夜なきなどに適するとされる。

解説

正しい。小建中湯はこのような症状に適するとされ、構成生薬としてカンゾウを含みます。

問8

小児鎮静薬を一定期間又は一定回数服用させても改善しない場合でも、同じ薬をそのまま使い続ける。

解説

誤り。食事アレルギーやウイルス性胃腸炎など、別の原因による可能性があります。漫然と使用を継続せず、医療機関を受診させるなどの対応が必要です。

問9

乳幼児に激しい下痢や高熱がある場合は、脱水症状につながるおそれがあるため、医師の診療を受けさせる。

解説

正しい。乳幼児は脱水につながりやすいため、激しい下痢や高熱がある場合には受診が必要です。

問10

乳幼児が吐いたものが緑色をしていたり血が混じっていたりする場合、また吐くときに咳き込んだり息を詰まらせたりする場合でも、家庭で様子をみればよい。

解説

誤り。緑色や血液が混じった嘔吐、咳き込みや息を詰まらせるような嘔吐がみられる場合には、早めに医師の診療を受けさせる必要があります。

まとめ

小児鎮静薬では、まず「夜泣き・ひきつけ・疳の虫などは、成長に伴って自然に治まることが多い」という基本を押さえましょう。

小児鎮静薬には生薬製剤と漢方処方製剤があり、代表的な生薬ではゴオウ、ジャコウ、レイヨウカク、ジンコウなどの作用を整理します。

特に漢方処方製剤では、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、小建中湯を覚え、柴胡加竜骨牡蛎湯以外はカンゾウを含むという点が重要です。

また、漢方処方製剤は生後3か月未満の乳児には使用しないこと、乳幼児では体重あたりのグリチルリチン酸摂取量が多くなることがあることにも注意します。

受診勧奨では、一定期間・一定回数使用しても改善しない場合、激しい下痢や高熱、緑色・血液混じりの嘔吐、咳き込みや息を詰まらせる嘔吐を確実に覚えておきましょう。

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

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