登録販売者試験第2章「人体の働きと医薬品」では、身体を動かす筋組織について、その種類や構造、働きを理解することが重要です。
第2章⑩では、骨格筋、平滑筋、心筋の違いや、骨格筋がどのように身体の運動に関係しているのかを学びます。
筋組織は、筋細胞(筋線維)とそれらをつなぐ結合組織からなり、その機能や形態によって、骨格筋、平滑筋、心筋に分類されます。
特に、
・筋組織の種類
・骨格筋
・骨格筋と腱
・腱の特徴
・骨格筋の横紋
・随意筋と不随意筋
・骨格筋の収縮力と疲労
・骨格筋の疲労が起こる仕組み
・平滑筋
・心筋
・体性神経系と自律神経系による支配
は、登録販売者試験で重要なポイントです。
本記事では、筋組織の構造と働きについて、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・筋組織とは何か
・骨格筋の構造と働き
・骨格筋と腱の関係
・腱の特徴
・横紋筋とは何か
・随意筋と不随意筋
・骨格筋の収縮力と疲労
・骨格筋の疲労が起こる仕組み
・平滑筋の特徴
・心筋の特徴
・筋組織と神経支配
・体性神経系と自律神経系
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題
筋組織とは
筋組織は、筋細胞(筋線維)と、それらをつなぐ結合組織から構成されています。
筋組織は、その機能や形態によって、
・骨格筋
・平滑筋
・心筋
の3種類に分類されます。
このうち、運動器官とされるのは骨格筋です。
骨格筋とは
骨格筋は、骨格に付着して身体の運動に関係する筋肉です。
関節を動かす骨格筋は、関節を構成する骨に腱を介してつながっています。
骨格筋が収縮すると、その力が腱を介して骨に伝わり、関節を動かすことで身体の運動が生じます。
骨格筋は横紋筋
骨格筋は、筋線維を顕微鏡で観察すると横縞模様(横紋)が見えるため、横紋筋とも呼ばれます。
骨格筋は収縮力が強く、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋です。
腱の働き
腱は、骨格筋と骨をつなぐ結合組織です。
骨格筋が収縮したときの力を骨へ伝え、関節を動かすことに関係しています。
筋組織が筋細胞と結合組織からできているのに対して、腱は結合組織のみでできているため、伸縮性はあまりありません。
「腱は骨格筋と骨をつなぐ」「靱帯は骨と骨をつなぐ」と区別して覚えておきましょう。
骨格筋は疲労しやすい
骨格筋は収縮力が強い一方で、疲労しやすく、長時間の動作は難しいという特徴があります。
そのため、強い運動や長時間の運動を続けると、筋肉の収縮性が低下して十分な力を発揮できなくなることがあります。
骨格筋の疲労が起こる仕組み
骨格筋の疲労は、運動を続けることでエネルギー源として蓄えられているグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こることなどによって生じます。
さらに、グリコーゲンの代謝に伴って乳酸が生成・蓄積し、筋組織の収縮性が低下します。
このようにして、筋肉が十分に収縮できなくなり、疲労が起こります。
随意筋と不随意筋
自分の意識どおりに動かすことができる筋組織を随意筋といいます。
一方、意識的にコントロールできない筋組織を不随意筋といいます。
骨格筋は随意筋で、平滑筋と心筋は不随意筋です。
平滑筋とは
平滑筋は、筋線維を顕微鏡で観察しても骨格筋のような横縞模様が見られない筋組織です。
平滑筋は、消化管壁、血管壁、膀胱などに分布しています。
自分の意思で動かすことができない不随意筋であり、比較的弱い力で持続的に収縮する特徴があります。
消化管での働き
消化管の壁にある平滑筋が収縮することで、消化管の内容物を移動させる蠕動運動などが行われます。
血管での働き
血管壁の平滑筋が収縮・弛緩することで、血管の太さが変化し、血流や血圧の調節に関係します。
心筋とは
心筋は、心臓壁にある筋層を構成する筋組織です。
心筋は骨格筋のような横縞模様がある横紋筋ですが、自分の意思で動かすことができない不随意筋です。
心筋は、強い収縮力と持久力を兼ね備えています。
心筋が規則的に収縮と弛緩を繰り返すことで、心臓がポンプとして働き、血液が全身へ送り出されます。
筋組織と神経支配
筋組織は、神経からの指令によって収縮します。
骨格筋と体性神経系
随意筋である骨格筋は、体性神経系の運動神経によって支配されています。
そのため、自分の意思によって骨格筋を動かすことができます。
平滑筋・心筋と自律神経系
不随意筋である平滑筋と心筋は、自律神経系によって支配されています。
そのため、自分の意思とは関係なく、身体の状態に応じて収縮・弛緩が調節されています。
骨格筋・平滑筋・心筋の違い
3種類の筋組織には、それぞれ特徴があります。
骨格筋は、骨に付着して身体の運動に関係し、横紋があり、随意筋です。
平滑筋は、消化管壁、血管壁、膀胱などに分布し、横紋がなく、不随意筋です。
心筋は、心臓壁にあり、横紋がありますが、不随意筋です。
また、骨格筋は収縮力が強い一方で疲労しやすく、平滑筋は比較的弱い力で持続的に収縮し、心筋は強い収縮力と持久力を兼ね備えています。
試験で覚えておきたいポイント
第2章⑩では、次のポイントを押さえておきましょう。
① 筋組織は骨格筋、平滑筋、心筋に分類される
② 運動器官とされるのは骨格筋である
③ 骨格筋は骨に腱を介してつながっている
④ 腱は結合組織のみでできており、伸縮性はあまりない
⑤ 骨格筋は横紋筋である
⑥ 骨格筋は収縮力が強く、随意筋である
⑦ 骨格筋は疲労しやすく、長時間の動作は難しい
⑧ 骨格筋の疲労にはグリコーゲンの減少、酸素や栄養分の供給不足、乳酸の蓄積などが関係する
⑨ 平滑筋は横紋がなく、不随意筋である
⑩ 平滑筋は消化管壁、血管壁、膀胱などに分布する
⑪ 平滑筋は比較的弱い力で持続的に収縮する
⑫ 心筋は横紋がある不随意筋である
⑬ 心筋は強い収縮力と持久力を兼ね備えている
⑭ 骨格筋は体性神経系に支配される
⑮ 平滑筋と心筋は自律神経系に支配される
試験で間違えやすいポイント
「筋組織は骨格筋、平滑筋、心筋の3種類に分類される」
→正しい
筋組織は、その機能や形態によって骨格筋、平滑筋、心筋に分類されます。
「腱は骨と骨をつなぐ組織である」
→誤り
腱は骨格筋と骨をつなぐ結合組織です。骨と骨を連結するのは靱帯です。
「腱は筋組織と同じように筋細胞からできている」
→誤り
腱は結合組織のみでできており、伸縮性はあまりありません。
「骨格筋には横紋が見られる」
→正しい
骨格筋は筋線維を顕微鏡で観察すると横縞模様が見られるため、横紋筋とも呼ばれます。
「骨格筋は不随意筋である」
→誤り
骨格筋は自分の意識どおりに動かすことができる随意筋です。
「骨格筋は収縮力が強いが、疲労しやすい」
→正しい
骨格筋は収縮力が強い一方、疲労しやすく、長時間の動作は難しい特徴があります。
「平滑筋には骨格筋のような横縞模様がある」
→誤り
平滑筋には骨格筋のような横縞模様はありません。
「平滑筋は比較的弱い力で持続的に収縮する」
→正しい
平滑筋は消化管壁、血管壁、膀胱などに分布し、比較的弱い力で持続的に収縮します。
「心筋には横紋がなく、随意筋である」
→誤り
心筋には骨格筋のような横縞模様があり、不随意筋です。
「骨格筋は自律神経系に支配される」
→誤り
骨格筋は体性神経系(運動神経)に支配されます。平滑筋と心筋は自律神経系に支配されます。
予想問題
問1
筋組織について、正しいものはどれか。
① 筋組織は骨格筋だけからなる
② 筋組織には骨格筋、平滑筋、心筋がある
③ 平滑筋は骨格筋に分類される
④ 心筋には筋細胞がない
答え:②
解説
筋組織は、筋細胞(筋線維)とそれらをつなぐ結合組織からなり、骨格筋、平滑筋、心筋に分類されます。
問2
骨格筋について、正しいものはどれか。
① 骨格筋は不随意筋である
② 骨格筋には横紋が見られる
③ 骨格筋は消化管壁に分布する
④ 骨格筋は自律神経系に支配される
答え:②
解説
骨格筋は横紋筋で、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋です。体性神経系の運動神経によって支配されています。
問3
骨格筋の疲労について、正しいものはどれか。
① 骨格筋は疲労しにくく、長時間の動作に適している
② 骨格筋の疲労にはグリコーゲンの減少が関係する
③ 骨格筋の疲労には乳酸の蓄積は関係しない
④ 酸素や栄養分の供給不足は筋疲労に関係しない
答え:②
解説
骨格筋は疲労しやすく、長時間の動作は難しい特徴があります。運動を続けることでグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、乳酸が蓄積して筋組織の収縮性が低下します。
問4
平滑筋と心筋について、正しいものはどれか。
① 平滑筋は横紋があり、随意筋である
② 平滑筋は消化管壁や血管壁などに分布する
③ 心筋は横紋がなく、随意筋である
④ 心筋は心臓以外の消化管壁を構成する
答え:②
解説
平滑筋は横紋がなく、不随意筋で、消化管壁、血管壁、膀胱などに分布します。心筋は心臓壁にあり、横紋がある不随意筋です。
問5
筋組織の神経支配について、正しいものはどれか。
① 骨格筋は自律神経系に支配される
② 平滑筋は体性神経系に支配される
③ 骨格筋は体性神経系に支配される
④ 心筋は体性神経系に支配される
答え:③
解説
骨格筋は体性神経系(運動神経)に支配され、平滑筋と心筋は自律神経系に支配されています。
まとめ
登録販売者試験第2章⑩では、筋組織は骨格筋、平滑筋、心筋に分類され、それぞれ構造や働き、神経支配が異なることを理解しておきましょう。
特に重要なのは、
① 筋組織は骨格筋、平滑筋、心筋に分類される
② 運動器官とされるのは骨格筋である
③ 骨格筋は骨に腱を介してつながる
④ 腱は結合組織のみでできており、伸縮性はあまりない
⑤ 骨格筋は横紋筋で随意筋である
⑥ 骨格筋は収縮力が強いが、疲労しやすい
⑦ 骨格筋の疲労にはグリコーゲンの減少、酸素や栄養分の供給不足、乳酸の蓄積などが関係する
⑧ 平滑筋は横紋がなく、不随意筋である
⑨ 平滑筋は消化管壁、血管壁、膀胱などに分布する
⑩ 心筋は横紋がある不随意筋で、強い収縮力と持久力を兼ね備える
⑪ 骨格筋は体性神経系に支配される
⑫ 平滑筋と心筋は自律神経系に支配される
というポイントです。
筋組織の違いを整理しておくと、この後に学ぶ神経系や自律神経、さらに医薬品が筋肉や神経に及ぼす作用を理解しやすくなります。
第2章では、次に脳や神経系の構造と働きについて学習していきます。

