ビタミンC:ビタミンの代表選手
ビタミンを思いつく順に並べていくと三番目までにはビタミンCと言う方がほとんどではないでしょうか。
とてもポピュラーなビタミンCですが、ビタミンCにはどんな良いことがあって、注意すべき点はあるのでしょうか。
ここではビタミンCについて紹介していきます。
ビタミンCといえば何色?
ビタミンCは何色?と聞かれると、商品パッケージやビタミンCを多く含む食品の代表としてレモンが出されることがあると思います。
そういった印象からか、ビタミンCといえば黄色をイメージする方が多いと思いますが、実はビタミンCの溶けた液体、水溶液は無色なんです。そして時間経過と共に酸化されて黄色や褐色へと変色してしまいます。
酸化してしまったビタミンCは肌に悪影響を及ぼすとも言われています。
色の付いていない(酸化していない)透明色のビタミンCを摂取する方が良さそうですね。
科学的・化学的に見たビタミンC
ビタミンC(VitaminC)は水溶性ビタミンで、成分名のアスコルビン酸と呼ばれたり、VC(VitaminCの略)と表記されることもあります。
野菜や果物に多く含まれていますが、水溶性ビタミンは茹でてしまうと茹で汁に溶け出したり加熱によって高温になると分解されてしまうため、食事においては生食による摂取が一番容易です。
しかし、十数分加熱したからといって含有量が10%未満になる、というような極端な減少量ではないため、煮汁をそのまま使ったスープを飲む、長時間加熱せずに食べることで食品からもビタミンCの摂取は可能です。
そして、もし一手間かけるとするならばほとんどの果物は冷凍することでビタミンCや抗酸化物質の含有量が高くなるそうです。
一度凍らせたフルーツを食べるとより効率的にビタミンCを摂取することができそうです。
還元型(L-アスコルビン酸)と酸化型(L-デヒドロアスコルビン酸)ビタミンCについて
ストレス、加齢、紫外線などで体がダメージを受けることで体が酸化していきます。酸化する、とはつまり老化という言葉にまとめることができると思います。
そんな酸化していく体を守ってくれる、つまり抗酸化作用を持っているのが(還元型の)ビタミンCです。
体がダメージを受ける時に細胞が酸化されますが、ビタミンCが代わりに酸化されることで、体が酸化するのを防いでくれます。ビタミンCは直接的な抗酸化作用を持つ物質で、還元型のL-アスコルビン酸として体内に存在していますが、体がダメージを受ける時に代わりに酸化して、酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸へ変化します。
また、酸化型のアスコルビン酸も生体内にある還元酵素によって即還元型に変換される。
ビタミンCの摂取量について
多くの哺乳類はブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、人間はビタミンCを体内で作り出すことができません。しかし骨や全身のタンパク質の約3割を占めているコラーゲンの合成に必須なビタミンでもあり、また美容・健康目的で日常的にサプリメントなどを飲んでいる方もいるでしょう。
ビタミンCが不足するとコラーゲン合成が行えないため、血管がもろくなり起こる壊血病になったり、イライラ、顔色が悪くなる、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難なども起こります。
現代の食事において壊血病になることは稀で、6mg/〜12mg/日摂取していれば壊血病になることはないでしょう。
そのため、積極的に摂取していきたいビタミンです。
ビタミンC濃度について
体内にあるビタミンCレベルは消化管からの吸収率、体内における再利用、腎臓からの未変化体の排泄により調節されており、血漿濃度は400mg/日で飽和します。
成人男女にてビタミンCの枯渇・負荷実験を行い、未変化体の尿中排泄は100mg/日で起こることがわかっています。
また、200mg/日までは食事・サプリメント共に90%程度の吸収率がありますが、1000mg/日を超えると吸収率は50%以下になってしまいます。
一日の摂取目安量は100mg?1000mg!?
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、成人の健康に必要なビタミンCを100mg/日、妊婦110mg/日、授乳婦は145mg/日摂取するよう推奨しています。
こちらの接種基準料は成人の健康増進を目的とした食事からの摂取量の目安で、コラーゲン合成や、シミの予防なども目的とした美容の観点からは1000mg/日以上を勧めている場合もあります。
医師によっては2000mg/日摂取を勧めていることもありますが、健常人であればビタミンCを超過摂取しても消化管からの吸収率が低下、排泄量が増えることから摂取範囲は広域に安全だと考えられています。
しかし、腎機能障害疾患のある方はビタミンCを摂取しすぎると体内でシュウ酸ができてしまい、腎結石、尿路結石などという世間でいういわゆる“石”ができてしまいます。
また、3〜4g/日のビタミンC摂取では下痢を起こすという結果報告もあるそうです。
こういった内容を総合すると、ビタミンCは野菜や果物など食べ物からの摂取を基本として、サプリメント類などから摂取するビタミンCの摂取目標数値は1000mg/日と言えそうです。摂取目標数値を1000mgとし、1000mg摂取できなくても問題ない、最大摂取量を1000mgという考え方でも問題ないと考えられそうです。
美容的に見たビタミンC
ビタミンCを摂取することでシミを作る原因のメラニンの生成を抑制することができます。また、既にできてしまっているメラニンも淡色化することができると言われています。
メラニンの生成を抑制し、淡色化することで美白ケアになるビタミンCは日焼けやシミ、ソバカスに対して強い味方になってくれるでしょう。
ビタミンCでシミそばかす予防をするのに良いタイミングは?
ビタミンCは直接的に抗酸化作用を働かせます。
肌がダメージを受ける時に体内にビタミンCがあるのが一番効果的です。
つまり、外に出る前などに摂取することが良いでしょう。また、血中濃度の最大値の関係もあり、一度に1000mg摂取する、というよりは小分けに摂取する方が良いと言えます。
まとめ
ビタミンCについて知らなかったこと、少しはお伝えできましたか?
・ビタミンCは最大でも1000mg/日程度を目安に摂取する方がいい(シュウ酸の結晶化には気をつける)
・生、あるいは冷凍したフルーツなど食事を基本摂取する
・6〜12mg/日摂取していれば壊血病にはならない。一般的に日常生活を送るための目標摂取量は100mg/日(妊婦や授乳婦人はそれぞれ110mg/日と145mg/日)とする
こちらの情報が参考になれば幸いです。
参考文献:日本人の食事摂取基準(2020年版)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html)