ここでは世界三大伝統医学の一つである、インド固有のアーユルヴェーダ(ayurveda)医学について解説していきます。
アーユルヴェーダについて
アーユルヴェーダには約5000年ほどの歴史があり、サンスクリット語のアーユス(生命)とヴェーダ(知識)を組み合わせた生命科学という意味を語源とする、インド・スリランカ発祥の伝統医療です。また、古代の哲学でもあり、多くの概念に基づいています。
概要
アーユルヴェーダは、ドーシャ(doshas)という生命エネルギーが肉体的・精神的共に大きく支配しているというものです。心身の機能を支えるのには3つの力(3つのドーシャ・トリドーシャ)が中心になっています。
ドーシャは身体を構成しており、バランスを保ちながら高めていくことで健康な体を維持でき、バランスが悪くなることで病になる、という考え方です。
トリドーシャには風の性質のヴァ―タ・ドーシャ(vata dosha)・火の性質のピッタ・ドーシャ(pitta dosha)・水の性質のカパ(kapha dosha)があります。
さらにトリドーシャを構成する要素があります。この5つを五大元素(パンチャ・マハーブータ)といいます。
①空の要素のアーカーシャ・マハーブータ
②風の要素のワーユ・マハーブータ
③火の要素のテージャス・マハーブータ
④水の要素のアップ・マハーブータ
⑤地の要素のプルットゥヴィ・マハーブータ
この五大元素は3つのマハグナ(サットヴァ・ラジャス・タマス)のエネルギー属性から生まれます。
サットヴァ・ラジャス・タマスについて
3つのマハグナのサットヴァ・ラジャス・タマスについて説明します。
サットヴァ-Sattva-について
サットヴァは、純粋でクリアなエネルギーで、調和と平和をもたらします。身体的には、消化、呼吸、血液循環、神経系などの正常な機能を促進します。心理的には、平和で調和のとれた思考、感情、行動をもたらします。サットヴァのエネルギーを高めるためには、瞑想、ヨガ、プラーナーヤーマなどの実践が推奨されます。
ラジャス-Rajas-
ラジャスは、エネルギッシュで、興奮状態やストレス、不安をもたらします。身体的には、代謝率を上げ、筋肉の収縮や運動を促進します。心理的には、興奮状態やストレス、不安をもたらす一方で、情熱や創造性をもたらすこともあります。ラジャスのエネルギーをコントロールするためには、瞑想、ヨガ、アーユルヴェーダの食事法に従うことが重要です。
タマス-Tamas-
タマスは、鈍く暗いエネルギーで、重さや不安定さをもたらします。身体的には、代謝が低下し、消化不良や腸の問題を引き起こすことがあります。心理的には、無気力、意欲低下、態度の消極化を引き起こします。タマスのエネルギーを克服するためには、運動、ヨガ、アーユルヴェーダの食事法、自己啓発活動が有効です。