咳をすると痰が絡んだり、喉や胸のあたりがゴロゴロしたりすると、「咳止めを使えばいいのか、痰を出す薬を使えばいいのか」と迷うことがあります。
市販薬には、咳を抑える「鎮咳薬」と、痰を出しやすくする「去痰薬」があります。
痰が絡む咳の場合は、単純に咳を止めることだけを考えるのではなく、痰の状態や咳の原因を考えて薬を選ぶことが大切です。
この記事では、痰が絡む咳に使われる市販薬について、去痰成分と鎮咳成分の違い、代表的な成分、風邪薬との併用時の注意点などを解説します。
痰が絡む咳とは?
痰が絡む咳は、咳をしたときに痰が出たり、喉や気道に痰があるように感じたりする状態です。
痰は、気道から分泌される粘液などがまとまったものです。
風邪などの感染症に伴って痰が増えることもありますが、咳や痰にはさまざまな原因があります。
痰が絡むからといって、必ずしも「咳を止めればよい」とは限りません。
去痰薬と鎮咳薬は目的が違う
| 薬の種類 | 主な目的 |
|---|---|
| 去痰薬 | 痰を出しやすくする |
| 鎮咳薬 | 咳を抑える |
去痰薬は、痰の粘りを減らしたり、痰を排出しやすくしたりする目的で使用されます。
一方、鎮咳薬は咳を抑える目的で使用されます。
そのため、痰が絡む咳では「咳が出る」という症状だけを見るのではなく、「痰がある」という点も確認することが重要です。
市販の去痰成分にはどんなものがある?
市販薬に使用される代表的な去痰成分には、次のようなものがあります。
| 成分 | 主な目的 |
|---|---|
| カルボシステイン | 痰を出しやすくする |
| ブロムヘキシン塩酸塩 | 痰を排出しやすくする |
| アンブロキソール塩酸塩 | 痰の排出を促す |
同じ去痰薬でも成分によって作用の仕組みは異なります。
商品を選ぶときは、パッケージの有効成分欄を確認してください。
カルボシステインとは?
カルボシステインは、痰を出しやすくする目的で使用される去痰成分です。
気道の分泌物の性状を調整し、痰の排出を助けます。
痰が絡む咳に使用される市販薬のほか、処方薬にも使用されています。
商品によって配合量やほかの成分が異なるため、購入時には製品の用法・用量や注意事項を確認してください。
ブロムヘキシン塩酸塩とは?
ブロムヘキシン塩酸塩も、痰の排出を助ける目的で使用される去痰成分です。
痰を排出しやすくする働きがあり、痰が絡む咳に使用される市販薬に配合されています。
鎮咳成分とは目的が異なるため、「咳が出るから鎮咳薬」という選び方だけではなく、痰の有無も確認することが大切です。
アンブロキソール塩酸塩とは?
アンブロキソール塩酸塩も、痰の排出を促す目的で使用される成分です。
市販薬では、去痰薬として単独で使用される場合だけでなく、ほかの成分と組み合わせて配合されている製品もあります。
同じ「痰の薬」でも、商品によって配合成分が異なるため、成分表示を確認して選びましょう。
痰が絡む咳に鎮咳薬を使う場合は?
痰が絡む咳だからといって、鎮咳薬が必ず使用できないわけではありません。
ただし、痰を伴う咳では、咳によって痰を外へ出している場合があります。
そのため、「痰があるのに、とにかく咳を止めればよい」と考えるのではなく、痰への対応も含めて薬を選ぶ必要があります。
市販薬の中には、鎮咳成分と去痰成分の両方を配合した製品もあります。
どの薬が適しているか迷う場合は、薬剤師や登録販売者に症状を伝えて相談してください。
総合風邪薬にも去痰成分や鎮咳成分が入っている
総合風邪薬には、発熱、鼻水、喉の痛みなどに対応する成分だけでなく、咳や痰に対応する成分が含まれている製品があります。
そのため、総合風邪薬を服用している状態で別の咳止めや去痰薬を追加すると、成分が重複する可能性があります。
特に、咳止めを追加する場合は、風邪薬に鎮咳成分が入っていないか確認してください。
去痰薬を追加する場合も、すでに同じ目的の成分が配合されていないか確認すると安心です。
風邪薬と去痰薬を併用するときの注意点
市販薬を複数使用するときは、商品名ではなく有効成分を確認することが重要です。
- 風邪薬に去痰成分が含まれていないか
- 追加する去痰薬と同じ成分が入っていないか
- 風邪薬に鎮咳成分が含まれていないか
- 別の市販薬を使用していないか
- 処方薬を使用していないか
- 対象年齢に該当しているか
複数の薬を使う場合は、成分の重複だけでなく、それぞれの添付文書に記載された注意事項も確認してください。
痰の色だけで薬を選ばない
痰が黄色や緑色だからといって、その色だけで原因を判断することはできません。
痰の色や量だけを基準にして、市販薬を自己判断で変更したり、薬を追加したりするのは避けましょう。
発熱、息苦しさ、胸の痛みなどほかの症状がある場合や、症状が長引いている場合は、医療機関に相談してください。
痰が絡む咳が長引く場合は?
痰が絡む咳が続いている場合、単なる一時的な風邪症状とは限りません。
咳や痰は、感染症だけでなく、喘息などさまざまな原因によって起こることがあります。
市販薬を使用しても改善しない場合や、症状が長期間続く場合は、医療機関で原因を確認することが重要です。
特に次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
- 息苦しさがある
- 呼吸が苦しい
- 胸の痛みがある
- 高熱が続いている
- 血の混じった痰が出る
- 咳が長期間続いている
- 症状が急激に悪化している
子どもに去痰薬を使うときは対象年齢を確認
市販の去痰薬や咳の薬には、商品ごとに対象年齢が設定されています。
大人用の商品を子どもに使用することはできません。
子どもに使用する場合は、パッケージや添付文書で対象年齢と用法・用量を確認してください。
乳幼児などに使用する場合は、自己判断で市販薬を使用せず、医師や薬剤師などに相談することをおすすめします。
痰が絡む咳の市販薬を選ぶポイント
- 痰が絡んでいるか確認する
- 去痰成分が配合されているか確認する
- 咳を抑える必要があるか確認する
- 風邪薬などをすでに使用していないか確認する
- 成分の重複がないか確認する
- 対象年齢と用法・用量を確認する
- 症状が長引く場合は受診を検討する
「咳が出る」という一点だけで薬を決めるのではなく、痰の有無やほかの症状も含めて考えることが大切です。
まとめ
痰が絡む咳に使われる市販薬には、痰を出しやすくする去痰薬と、咳を抑える鎮咳薬があります。
代表的な去痰成分には、カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩などがあります。
痰が絡む場合は、単純に咳を止めるだけではなく、痰を排出しやすくすることも考えて薬を選ぶことが重要です。
また、総合風邪薬にも鎮咳成分や去痰成分が含まれている場合があるため、別の薬を追加するときは成分の重複に注意してください。
咳や痰が長引く場合、息苦しさや胸の痛み、血の混じった痰などがある場合は、市販薬だけで対応せず医療機関に相談してください。

