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登録販売者試験 第3章完全攻略㊲|生薬製剤の特徴・ブシ・カッコン・サイコ・ボウフウ・ブクリョウなどを徹底解説

その他の生薬製剤とは

生薬製剤は、生薬成分を組み合わせて配合された医薬品です。

一見すると漢方薬のように見えるものもありますが、漢方処方製剤とは考え方が異なります。

漢方処方製剤では、使用する人の体質や症状、その他の状態に適した処方を選択することが基本です。

これに対して生薬製剤では、個々の生薬成分の薬理作用を主に考え、それらを相加的に配合するという、西洋医学的な考え方を基調としています。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

また、生薬製剤には「○○丸」などの伝統的な名称が付けられているものもありますが、漢方処方製剤のように定まった処方があるわけではありません。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

漢方処方製剤との違い

項目 漢方処方製剤 生薬製剤
基本的な考え方 体質・症状などに適した漢方処方を選択 個々の生薬成分の薬理作用を重視
処方 定まった漢方処方がある 定まった処方ではない
生薬の作用 処方全体として考える 個々の生薬成分を相加的に考える
名称 漢方処方名が基本 「○○丸」など伝統的名称のものもある

試験では、「漢方処方製剤=証に合わせて処方を選ぶ」「生薬製剤=個々の生薬の薬理作用を重視」という違いを押さえておきましょう。

生薬とは

生薬とは、動植物の薬用とする部分、細胞内容物、分泌物、抽出物、鉱物などをいいます。

生薬のもととなる薬用植物や薬用鉱物などは基原と呼ばれ、生薬そのものとは区別されます。

生薬は、

  • エキスなどとして製剤化されたもの
  • 全形生薬
  • 切断生薬
  • 粉末生薬

などの形態で利用されます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

全形生薬・切断生薬・粉末生薬

種類 意味
全形生薬 薬用とする部分などを乾燥、又は簡単な加工をしたもの
切断生薬 全形生薬を小片・小塊に切断、破砕、粗切、中切、細切したもの
粉末生薬 全形生薬又は切断生薬を粗末、中末、細末、微末としたもの

これらをそのまま製品として販売する場合には、カビ、昆虫、他の動物による汚損物や混在物、その他の異物を避け、清潔かつ衛生的に取り扱う必要があります。

また、基本的に湿気や虫害などを避けて保存する必要があります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

生薬の取り違えに注意

生薬では、薬用部位とその他の部位を取り違えたり、類似した基原植物を使用したりすることに注意が必要です。

誤った生薬を使用すると、期待する効果が得られないばかりでなく、人体に有害な作用を引き起こすことがあります。

特に重要なのがサイシン、モクツウ、ボウイ、モッコウなどです。

サイシン

サイシンは、ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎を基原とする生薬です。

地上部には、腎障害を引き起こすことが知られているアリストロキア酸が含まれています。

したがって、薬用部位を正しく用いることが重要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

モクツウ

モクツウは、アケビ科のアケビ又はミツバアケビの蔓性の茎を横切りしたものを基原とする生薬です。

しかし、中国などでは、アリストロキア酸を含有するキダチウマノスズクサをモクツウとして流通させている場合があります。

このような類似生薬の取り違えにも注意が必要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

個人輸入の生薬・生薬製剤に注意

個人輸入などによって入手した生薬又は生薬製剤では、健康被害が発生した事例が知られています。

国内で適正に製造された医薬品と同じように考えず、品質や安全性が確認できない生薬の使用には注意する必要があります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

代表的な生薬成分

令和8年4月版の手引きでは、これまで各分野で取り上げられた生薬成分に加えて、代表的な生薬成分としてブシ、カッコン、サイコ、ボウフウ、ショウマ、ブクリョウ、レンギョウ、サンザシが挙げられています。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

ブシ

ブシは、キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬です。

心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を示します。

血液循環が高まることによって利尿作用を示すほか、鎮痛作用もあります。

アスピリンなどとは異なり、プロスタグランジンを抑えないため、胃腸障害などの副作用は示さないとされています。

ブシは生のまま使用しない

ブシは、基原植物であるトリカブトの生のままでは毒性が高いことが重要です。

そのため、毒性を減らし、有用な作用を保持するための減毒加工を施して使用されます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

試験では、「ブシ=トリカブト由来=減毒加工」をセットで覚えておきましょう。

カッコン

カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬です。

解熱、鎮痙などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

サイコ

サイコは、セリ科のミシマサイコのを基原とする生薬です。

抗炎症、鎮痛などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

ボウフウ

ボウフウは、セリ科の植物の根及び根茎を基原とする生薬です。

発汗、解熱、鎮痛、鎮痙などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

ショウマ

ショウマは、キンポウゲ科の植物又はサラシナショウマの根茎を基原とする生薬です。

発汗、解熱、解毒、消炎などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

ブクリョウ

ブクリョウは、サルノコシカケ科のマツホドの菌核を基原とする生薬です。

通常は外層をほとんど除いたものを用います。

利尿、健胃、鎮静などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

レンギョウ

レンギョウは、モクセイ科のレンギョウの果実を基原とする生薬です。

鎮痛、抗菌などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

サンザシ

サンザシは、バラ科のサンザシ又はオオミサンザシの偽果を基原とする生薬です。

そのまま、又は縦切り・横切りしたものが用いられます。

健胃、消化促進などの作用を期待して用いられます。

同属植物であるセイヨウサンザシの葉は、血行促進、強心などの作用を期待して用いられます。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

8種類の生薬を比較

生薬 基原・薬用部位 主な作用
ブシ ハナトリカブト・オクトリカブトの塊根を減毒加工 強心、血液循環改善、利尿、鎮痛
カッコン クズの周皮を除いた根 解熱、鎮痙
サイコ ミシマサイコの根 抗炎症、鎮痛
ボウフウ 根及び根茎 発汗、解熱、鎮痛、鎮痙
ショウマ 根茎 発汗、解熱、解毒、消炎
ブクリョウ マツホドの菌核 利尿、健胃、鎮静
レンギョウ レンギョウの果実 鎮痛、抗菌
サンザシ サンザシ・オオミサンザシの偽果 健胃、消化促進

生薬製剤の相互作用

生薬製剤に配合されている生薬成分には、複数の製品で共通するものがあります。

そのため、同じ生薬成分を含む医薬品や、同種の作用を示す生薬成分を含有する医薬品・医薬部外品等を併用すると、作用が強く現れたり、副作用が起こりやすくなったりするおそれがあります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

食品として摂取している生薬にも注意

生薬成分には、医薬品的な効能・効果を標榜又は暗示していなければ、食品(ハーブ等)として流通することが可能なものもあります。

そのため、医薬品を使用している人が、同じ生薬成分をハーブなどの食品として摂取している場合には、医薬品の効き目や副作用が強くなる可能性があります。

生薬製剤について説明するときは、医薬品だけでなく、健康食品やハーブなども含めて何を摂取しているのか確認することが重要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

「生薬だから副作用が少ない」は誤り

生薬製剤についても、「天然成分だから安全」「作用が穏やかで副作用が少ない」と考えるのは適切ではありません。

例えば、センソのように、少量でも強い作用を示す生薬があります。

そのため、生薬製剤についても、成分の特徴や副作用を理解したうえで適正に使用することが重要です。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

生薬製剤は長期間使用されることがある

生薬製剤は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間、1か月位継続して服用されることがあります。

ただし、「1か月続けてよいから、症状がなくならなくても使い続ける」という意味ではありません。

一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合には、一般用医薬品で対処することが適当でない疾患による症状である可能性があります。

そのため、必要に応じて医療機関を受診するよう促し、使用期間中の症状の経過や副作用の発現にも注意します。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

試験で重要な「生薬の基原」

生薬では、「何の植物か」だけでなく「どの部分を使うか」が重要です。

生薬 覚える部位
ブシ トリカブト類の塊根を減毒加工
カッコン クズの根
サイコ ミシマサイコの根
ボウフウ 根・根茎
ショウマ 根茎
ブクリョウ マツホドの菌核
レンギョウ 果実
サンザシ 偽果

ここは絶対に覚えたい!

生薬製剤 → 個々の生薬の薬理作用を重視して相加的に配合

漢方処方製剤 → 体質・症状等に適した定まった処方を選択

生薬製剤 → 漢方処方製剤のような定まった処方はない

全形・切断・粉末生薬 → 清潔・衛生的に扱い、湿気・虫害を避ける

サイシン → 根・根茎を使用 → 地上部にはアリストロキア酸

モクツウ → アケビ・ミツバアケビの蔓性の茎 → 類似生薬に注意

ブシ → トリカブト類 → 毒性が高い → 減毒加工

ブシ → 強心・血液循環改善・利尿・鎮痛

カッコン → クズの根 → 解熱・鎮痙

サイコ → ミシマサイコの根 → 抗炎症・鎮痛

ボウフウ → 根・根茎 → 発汗・解熱・鎮痛・鎮痙

ショウマ → 根茎 → 発汗・解熱・解毒・消炎

ブクリョウ → マツホドの菌核 → 利尿・健胃・鎮静

レンギョウ → 果実 → 鎮痛・抗菌

サンザシ → 偽果 → 健胃・消化促進

セイヨウサンザシの葉 → 血行促進・強心

生薬製剤 → ハーブなど食品として摂取している生薬成分にも注意

生薬だから副作用が少ない、は誤り

生薬製剤 → 比較的長期間(1か月位)継続使用されることがある

一定期間・一定回数で改善しない → 受診を考慮

予想問題

問1

生薬製剤は、漢方処方製剤と同じように、使用する人の体質や症状に応じて定まった処方を選択することを基本としている。

解説

誤り。生薬製剤は、個々の生薬成分の薬理作用を主に考え、それらを相加的に配合する西洋医学的な考え方を基調としています。漢方処方製剤のような定まった処方はありません。

問2

生薬をそのまま製品として販売する場合には、カビ、昆虫、異物などを避け、清潔かつ衛生的に取り扱う必要がある。

解説

正しい。全形生薬、切断生薬、粉末生薬などを製品として販売する場合には、汚損物や混在物、異物を避け、清潔かつ衛生的に取り扱う必要があります。また、基本的に湿気や虫害を避けて保存します。

問3

サイシンは、地上部に腎障害を引き起こすことが知られているアリストロキア酸を含む。

解説

正しい。サイシンは根及び根茎を使用しますが、地上部にはアリストロキア酸が含まれ、腎障害を引き起こすことが知られています。

問4

ブシは生のトリカブトの塊根をそのまま使用する生薬であり、毒性を低下させる加工は必要ない。

解説

誤り。ブシの基原となるトリカブト類は生のままでは毒性が高いため、毒性を減らし有用な作用を保持するための減毒加工を施して使用します。

問5

ブシには、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善し、利尿作用や鎮痛作用を示す働きがある。

解説

正しい。ブシは心筋の収縮力を高めて血液循環を改善し、その結果として利尿作用を示すほか、鎮痛作用も期待されています。

問6

カッコンはクズの根、サイコはミシマサイコの根を基原とする生薬である。

解説

正しい。カッコンはマメ科のクズの周皮を除いた根、サイコはセリ科のミシマサイコの根を基原とします。

問7

ブクリョウはマツホドの菌核を基原とし、利尿、健胃、鎮静などの作用を期待して用いられる。

解説

正しい。ブクリョウはサルノコシカケ科のマツホドの菌核を基原とする生薬で、利尿、健胃、鎮静などの作用を期待して用いられます。

問8

サンザシは偽果を基原とし、健胃・消化促進などの作用を期待して用いられる。一方、セイヨウサンザシの葉には血行促進・強心などが期待される。

解説

正しい。サンザシはサンザシ又はオオミサンザシの偽果を用い、健胃・消化促進などを期待します。セイヨウサンザシの葉には血行促進・強心などが期待されます。

問9

生薬成分がハーブなどの食品として摂取されている場合には、医薬品との相互作用を考慮する必要はない。

解説

誤り。生薬成分には食品として流通するものもあり、医薬品と合わせて摂取すると、医薬品の効き目や副作用を増強させることがあります。ハーブなどの摂取状況も確認することが重要です。

問10

生薬製剤は天然成分を利用するため、作用が穏やかで副作用が少なく、症状が改善しなくても長期間使用を続けて問題ない。

解説

誤り。生薬製剤でも、センソのように少量で強い作用を示す生薬があります。「生薬だから副作用が少ない」と考えるのは誤りです。また、一定期間又は一定回数使用しても改善しない場合には、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。

まとめ

生薬製剤では、まず「漢方処方製剤との違い」を確実に覚えましょう。

漢方処方製剤は「証」に合わせて定まった処方を選択するのに対し、生薬製剤は個々の生薬成分の薬理作用を重視して相加的に配合するという違いがあります。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

代表的な生薬では、ブシ=減毒加工、カッコン=解熱・鎮痙、サイコ=抗炎症・鎮痛、ボウフウ=発汗・解熱・鎮痛・鎮痙、ショウマ=発汗・解熱・解毒・消炎、ブクリョウ=利尿・健胃・鎮静、レンギョウ=鎮痛・抗菌、サンザシ=健胃・消化促進を整理しましょう。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

また、生薬の薬用部位の取り違え、類似生薬、個人輸入品、ハーブなど食品としての摂取にも注意が必要です。

最後に、「天然だから安全」「生薬だから副作用が少ない」という考え方は誤りです。一定期間使用しても改善しない場合には、一般用医薬品では対処できない疾患の可能性も考え、必要に応じて医療機関の受診を促します。([mhlw.go.jp](https://www.mhlw.go.jp/content/001692424.pdf))

参考資料

厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」

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