泌尿器系とは
登録販売者試験第2章「人体の働きと医薬品」では、人体の各器官の構造と働きを理解することが重要です。
第2章④では、腎臓、尿管、膀胱、尿道などから構成される泌尿器系について学びます。
泌尿器系は、血液中の老廃物を尿として体外へ排泄するために重要な器官系です。
特に、
・腎臓の構造と働き
・糸球体とボウマン嚢
・腎小体とネフロン
・尿細管の働き
・尿の生成
・水分や電解質の調節
・副腎の働き
・尿管、膀胱、尿道
・排尿の仕組み
・前立腺と排尿の関係
は、登録販売者試験で重要なポイントです。
本記事では、泌尿器系の構造と働きについて、試験で判断しやすいように整理して解説します。
この記事で学べること
この記事では、次の内容を整理します。
・泌尿器系とは何か
・腎臓の構造
・腎臓の主な働き
・糸球体とボウマン嚢
・腎小体とネフロン
・尿の生成
・原尿と再吸収
・水分や電解質の調節
・腎臓と血圧の関係
・腎臓とホルモン
・副腎の働き
・尿管の働き
・膀胱の働き
・尿道の働き
・排尿の仕組み
・高齢者の排尿への配慮
・前立腺と排尿
・試験で間違えやすいポイント
・予想問題
腎臓の働き
腎臓は、横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の臓器です。
腎臓には、血液中の老廃物を尿として排泄する働きがあります。
また、老廃物の排泄だけでなく、
・水分の調節
・電解質の調節
・血圧の調節
・赤血球の産生に関係するホルモンの分泌
・ビタミンDの活性化
などにも関係しています。
糸球体とボウマン嚢
腎臓に入った血液は、細い血管に分かれて糸球体を形成します。
糸球体は袋状のボウマン嚢に包まれています。
糸球体とボウマン嚢を合わせたものが腎小体です。
糸球体では、血液中の水分や電解質などがろ過され、原尿が作られます。
一方、血球や大きなタンパク質などは通常ろ過されず、血液中に残ります。
ネフロンとは
腎小体からは尿細管が続いています。
腎小体と尿細管を合わせたものがネフロンです。
ネフロンは、腎臓の基本的な機能単位であり、尿の生成に関係しています。
尿が作られる仕組み
尿の生成には、主にろ過と再吸収が関係しています。
原尿の生成
糸球体では、血液がろ過されて原尿が作られます。
原尿には、水分、電解質、ブドウ糖、アミノ酸など、体に必要な物質も含まれています。
そのまま体外へ排泄すると必要な物質まで失われてしまうため、尿細管などで必要な物質を再び血液中へ戻します。
再吸収
原尿中のブドウ糖やアミノ酸などの栄養分、水分、電解質などは、尿細管で再吸収されます。
その結果、不要な老廃物が濃縮され、余分な水分や電解質などとともに最終的な尿となります。
腎臓と水分・電解質の調節
腎臓は、体内の水分量や電解質のバランスを調節しています。
例えば、体内の水分が不足している場合には、尿として排泄する水分量を減らし、体内の水分を維持しようとします。
また、ナトリウムなどの電解質についても、必要に応じて再吸収や排泄を行います。
このような働きによって、血液の量や組成が一定の範囲に保たれます。
腎臓と血圧の関係
腎臓は血圧を一定の範囲に保つうえでも重要な役割を担っています。
腎臓では、血圧や体液量の調節に関係するレニンが分泌されます。
そのため、腎臓の働きは循環器系とも密接に関係しています。
腎臓とホルモン
腎臓には内分泌腺としての働きもあります。
骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌するほか、ビタミンDを活性型ビタミンDに転換する働きがあります。
そのため、腎臓は尿の生成だけでなく、造血や骨の形成・維持にも関係しています。
副腎の働き
副腎は、左右の腎臓の上部にそれぞれ付属しています。
副腎は皮質と髄質の2層に分かれています。
副腎皮質
副腎皮質では、副腎皮質ホルモンが産生・分泌されます。
その一つであるアルドステロンは、体内への塩分と水の貯留や、カリウムの排泄を促す働きがあります。
副腎髄質
副腎髄質では、アドレナリンやノルアドレナリンが産生・分泌されます。
これらは自律神経系に関係し、心拍数や血圧などに影響します。
尿路とは
腎臓と膀胱は尿管でつながっており、腎臓から膀胱を経て尿道に至る尿の通り道を尿路といいます。
尿の通り道は、
腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道
という順番です。
ここは試験でも重要なので、そのまま覚えておきましょう。
尿管の働き
尿管は、腎臓と膀胱をつなぐ管です。
腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱へ運ばれます。
膀胱の働き
膀胱は、尿を一時的に蓄える袋状の器官です。
尿が膀胱にたまってくると、その刺激が脳に伝わって尿意が生じます。
排尿時には、膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩み、膀胱壁の排尿筋が収縮することで、尿が尿道へ押し出されます。
尿道の働き
尿道は、膀胱にたまった尿を体外へ排泄するときに通る管です。
女性は尿道が短いため、細菌などが侵入した場合に膀胱まで感染しやすい特徴があります。
高齢者の排尿
高齢者では、膀胱や尿道の括約筋の働きによって排尿を制御する機能が低下することがあります。
また、膀胱の容量が小さくなるため、尿失禁を起こしやすくなる場合があります。
前立腺と排尿
男性では、膀胱の真下に尿道を取り囲むように前立腺があります。
前立腺は加齢とともに肥大することがあり、肥大した前立腺が尿道を圧迫すると、排尿困難などが生じることがあります。
試験で覚えておきたいポイント
第2章④では、次のポイントを押さえておきましょう。
① 腎臓は血液中の老廃物を尿として排泄する
② 糸球体とボウマン嚢で腎小体を構成する
③ 腎小体と尿細管でネフロンを構成する
④ 原尿には体に必要な物質も含まれる
⑤ 必要な水分や電解質、ブドウ糖などは再吸収される
⑥ 腎臓は水分や電解質、血圧の調節に関係する
⑦ 腎臓は赤血球の産生やビタミンDの活性化にも関係する
⑧ 副腎は腎臓の上部にあり、皮質と髄質に分かれる
⑨ 尿は腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道の順に進む
⑩ 膀胱は尿を一時的に蓄える
⑪ 高齢者では尿失禁が起こりやすくなる場合がある
⑫ 男性では前立腺肥大により排尿困難が生じる場合がある
試験で間違えやすいポイント
「糸球体と尿細管を合わせたものが腎小体である」
→誤り
糸球体とボウマン嚢を合わせたものが腎小体で、腎小体と尿細管を合わせたものがネフロンです。
「原尿には体に必要な物質は含まれない」
→誤り
原尿には水分、電解質、ブドウ糖、アミノ酸なども含まれ、必要な物質は再吸収されます。
「腎臓は老廃物の排泄だけを行う」
→誤り
腎臓は水分や電解質、血圧の調節、赤血球の産生、ビタミンDの活性化などにも関係しています。
「副腎は腎臓の下部にある」
→誤り
副腎は左右の腎臓の上部にあります。
「尿は腎臓から尿管を通って膀胱へ運ばれる」
→正しい
尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱へ送られます。
「膀胱は尿を一時的に蓄える器官である」
→正しい
膀胱は尿を一時的に蓄え、尿意の発生や排尿にも関係します。
「男性では前立腺が尿道を取り囲んでいる」
→正しい
男性では、膀胱の真下にある前立腺が尿道を取り囲んでおり、前立腺肥大によって排尿困難が生じることがあります。
予想問題
問1
腎臓について、正しいものはどれか。
① 血液中の老廃物を尿として排泄する
② 胆汁を作る
③ 尿を一時的に蓄える
④ 尿を尿管から直接体外へ排出する
答え:①
解説
腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体外へ排泄します。また、水分や電解質の調節などにも関係しています。
問2
腎小体とネフロンについて、正しいものはどれか。
① 糸球体とボウマン嚢を合わせたものが腎小体である
② 糸球体と尿管を合わせたものが腎小体である
③ 腎小体は膀胱の内部に存在する
④ ネフロンは尿管と膀胱から構成される
答え:①
解説
糸球体とボウマン嚢を合わせたものが腎小体です。腎小体と尿細管を合わせたものがネフロンです。
問3
原尿について、正しいものはどれか。
① 原尿には体に必要な物質は含まれない
② 原尿に含まれる必要な物質は再吸収される
③ 原尿は膀胱で作られる
④ 原尿は全量がそのまま尿になる
答え:②
解説
原尿には水分、電解質、ブドウ糖、アミノ酸など体に必要な物質も含まれています。これらの一部は尿細管などで再吸収されます。
問4
尿の通り道について、正しいものはどれか。
① 腎臓 → 膀胱 → 尿管 → 尿道
② 腎臓 → 尿道 → 尿管 → 膀胱
③ 腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道
④ 膀胱 → 腎臓 → 尿管 → 尿道
答え:③
解説
腎臓で作られた尿は尿管を通って膀胱へ運ばれ、膀胱に蓄えられた後、尿道から体外へ排泄されます。
問5
副腎について、正しいものはどれか。
① 副腎は腎臓の下部にある
② 副腎皮質ではアルドステロンなどが産生・分泌される
③ 副腎髄質ではインスリンが産生・分泌される
④ 副腎は尿を蓄える器官である
答え:②
解説
副腎は左右の腎臓の上部に付属しています。副腎皮質ではアルドステロンなどが、副腎髄質ではアドレナリンやノルアドレナリンが産生・分泌されます。
まとめ
登録販売者試験第2章④では、腎臓を中心とした泌尿器系の構造と働きを理解しておきましょう。
特に重要なのは、
① 腎臓は血液中の老廃物を尿として排泄する
② 糸球体とボウマン嚢で腎小体を構成する
③ 腎小体と尿細管でネフロンを構成する
④ 原尿には体に必要な物質も含まれる
⑤ 必要な水分や電解質、ブドウ糖などが再吸収される
⑥ 腎臓は水分や電解質、血圧の調節にも関係する
⑦ 副腎は腎臓の上部にあり、皮質と髄質に分かれる
⑧ 尿は腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道の順に進む
⑨ 膀胱は尿を一時的に蓄える
⑩ 前立腺肥大によって排尿困難が生じることがある
というポイントです。
泌尿器系の構造を理解しておくと、腎機能、排尿、むくみなどに関係する医薬品や副作用を学ぶうえでも役立ちます。
第2章では、次に目の構造と働きについて学習していきます。

