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クロモグリク酸ナトリウムとは?抗アレルギー作用・効果・副作用と市販薬

 

クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー反応に関係する化学伝達物質の放出を抑える働きを持つ抗アレルギー成分です。

花粉やハウスダストなどが原因となるアレルギー性疾患に使用され、医療用医薬品では点眼薬や吸入薬、点鼻薬などに配合されています。

特に、アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎に関係する成分として知られています。

アレルギー症状を抑える薬には、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分など複数の種類があります。それぞれ作用する仕組みが異なるため、成分の特徴を理解しておくと、薬を選ぶ際にも役立ちます。

この記事では、クロモグリク酸ナトリウムの作用機序や効果、抗ヒスタミン成分との違い、市販薬での使われ方、副作用や使用上の注意点について解説します。

 

  1. クロモグリク酸ナトリウムとは?
  2. クロモグリク酸ナトリウムの作用機序
    1. 肥満細胞から化学伝達物質が放出される
    2. 化学伝達物質の放出を抑制する
  3. クロモグリク酸ナトリウムの効果・効能
    1. アレルギー性結膜炎
    2. アレルギー性鼻炎
    3. 気管支喘息
  4. クロモグリク酸ナトリウムと抗ヒスタミン成分の違い
    1. 抗ヒスタミン成分はヒスタミンの働きを抑える
    2. クロモグリク酸ナトリウムは放出される前の段階に働く
  5. クロモグリク酸ナトリウムとほかの抗アレルギー成分の違い
    1. ケトチフェンフマル酸塩
    2. トラニラスト
    3. プランルカスト水和物
  6. クロモグリク酸ナトリウムは市販薬にも配合されている?
    1. 市販薬を選ぶ際に確認したいポイント
  7. クロモグリク酸ナトリウムの副作用
    1. 添加物にも注意が必要
  8. クロモグリク酸ナトリウムを使用するときの注意点
    1. 製品ごとの用法・用量を守る
    2. ほかの点眼薬と併用する場合
    3. 症状が改善しない場合は受診する
  9. クロモグリク酸ナトリウムに関するよくある質問
    1. クロモグリク酸ナトリウムは抗ヒスタミン成分ですか?
    2. クロモグリク酸ナトリウムは花粉症に使われますか?
    3. クロモグリク酸ナトリウムは眠くなりますか?
    4. クロモグリク酸ナトリウムはすぐに効きますか?
    5. クロモグリク酸ナトリウムと抗ヒスタミン成分は一緒に使えますか?
  10. まとめ
  11. 参考資料

クロモグリク酸ナトリウムとは?

クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー反応を引き起こす化学伝達物質が放出されるのを抑える成分です。

一般的には「メディエーター遊離抑制薬」に分類される抗アレルギー成分で、肥満細胞(マスト細胞)などからヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出される過程に働きかけます。

アレルギー反応は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンが体内に入ることで起こります。免疫機能がアレルゲンに反応すると、肥満細胞などからヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されます。

これらの物質が鼻や目の粘膜などに作用すると、次のような症状が現れます。

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ
  • 目の充血
  • 涙目

クロモグリク酸ナトリウムは、こうした症状につながる化学伝達物質の放出を抑えることで、アレルギー反応を起こりにくくする働きを持っています。

なお、クロモグリク酸ナトリウムは、症状を直接抑える抗ヒスタミン成分とは作用の仕組みが異なります。

 

クロモグリク酸ナトリウムの作用機序

クロモグリク酸ナトリウムの特徴を理解するには、アレルギー反応が起こる仕組みを知っておくことが大切です。

肥満細胞から化学伝達物質が放出される

体内に花粉やハウスダストなどのアレルゲンが入ると、免疫反応によって肥満細胞などが刺激されます。

肥満細胞は、ヒスタミンなどの化学伝達物質を含む顆粒を蓄えている細胞です。アレルゲンによって刺激されると、これらの物質を細胞の外へ放出します。

放出されたヒスタミンなどが鼻や目の粘膜に作用することで、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが引き起こされます。

化学伝達物質の放出を抑制する

クロモグリク酸ナトリウムは、抗原抗体反応に伴う肥満細胞からの化学伝達物質の遊離を抑制します。

そのため、ヒスタミンなどが放出される前の段階に働きかけ、アレルギー反応の発現を抑えることができます。

また、医療用医薬品の薬理試験では、好酸球や好中球、単球といった炎症に関係する細胞の活性化を抑制する作用も確認されています。

ただし、クロモグリク酸ナトリウムは、すでに放出されたヒスタミンを直接取り除く成分ではありません。アレルギー反応の発現を抑えるという点が大きな特徴です。

 

クロモグリク酸ナトリウムの効果・効能

クロモグリク酸ナトリウムは、使用する剤形によって対象となる疾患や効能・効果が異なります。

医療用医薬品では、点眼薬、点鼻薬、吸入薬などの剤形があり、それぞれ使用する部位や目的に合わせて製剤化されています。

アレルギー性結膜炎

クロモグリク酸ナトリウムを配合した点眼薬は、アレルギー性結膜炎などに使用されます。

アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなどが目の表面に付着することでアレルギー反応が起こり、目のかゆみや充血、涙目などが現れる疾患です。

クロモグリク酸ナトリウムは、目の局所で化学伝達物質の放出を抑えることで、アレルギー症状の改善を目的として使用されます。

医療用のクロモグリク酸ナトリウム点眼液では、アレルギー性結膜炎や春季カタルが効能・効果として設定されています。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、花粉やダニ、ハウスダストなどが鼻の粘膜に付着することでアレルギー反応が起こり、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどが現れる疾患です。

クロモグリク酸ナトリウムは、医療用医薬品の点鼻薬にも使用され、鼻粘膜におけるアレルギー反応を抑える目的で用いられます。

鼻水やくしゃみはヒスタミンなどの化学伝達物質が関係しているため、これらの物質の放出を抑えることが症状の改善につながります。

ただし、鼻づまりの原因や程度によって適した薬は異なります。鼻づまりが強い場合は、ほかの作用を持つ成分が適していることもあります。

気管支喘息

クロモグリク酸ナトリウムは、吸入薬として使用される医療用医薬品もあります。

気管支喘息では、気道に慢性的な炎症が起こり、刺激に対して気道が過敏になることで、咳や喘鳴、息苦しさなどが生じます。

吸入用のクロモグリク酸ナトリウムは、気道におけるアレルギー反応を抑える目的で使用されてきた成分です。

ただし、吸入薬は点眼薬や点鼻薬とは使用目的や用法が異なります。また、喘息発作が起きたときに速やかに症状を改善するための発作治療薬ではありません。

喘息の治療では、医師の指示に従って適切な薬を継続して使用することが重要です。

 

クロモグリク酸ナトリウムと抗ヒスタミン成分の違い

花粉症やアレルギー性鼻炎の薬には、クロモグリク酸ナトリウムのような抗アレルギー成分のほかに、抗ヒスタミン成分も使用されています。

どちらもアレルギー症状に関係する成分ですが、作用する段階が異なります。

比較項目 クロモグリク酸ナトリウム 抗ヒスタミン成分
主な作用 化学伝達物質の放出を抑える ヒスタミンの働きを抑える
作用する段階 ヒスタミンなどが放出される前 放出されたヒスタミンが作用する段階
主な目的 アレルギー反応の発現を抑える アレルギー症状を抑える
代表的な使用例 抗アレルギー点眼薬・点鼻薬など 鼻炎薬・点眼薬など

抗ヒスタミン成分はヒスタミンの働きを抑える

抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンが受容体に結合するのを妨げることで、アレルギー症状を抑えます。

鼻炎薬では、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を抑える目的で使用されます。

代表的な成分には、次のようなものがあります。

  • クロルフェニラミンマレイン酸塩
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩
  • フェキソフェナジン塩酸塩
  • ロラタジン
  • エピナスチン塩酸塩

抗ヒスタミン成分は、第一世代と第二世代に分けられることがあります。第一世代では眠気や口の渇きなどの副作用に注意が必要な成分があり、第二世代では比較的眠気が少ない成分もあります。

クロモグリク酸ナトリウムは放出される前の段階に働く

一方、クロモグリク酸ナトリウムは、ヒスタミンなどが放出される過程を抑える成分です。

つまり、抗ヒスタミン成分が放出されたヒスタミンの働きを抑えるのに対し、クロモグリク酸ナトリウムはヒスタミンなどが放出される段階に作用します。

このように作用機序が異なるため、単純にどちらの効果が強いと比較することはできません。症状や使用する薬の種類に応じて、適した成分を選ぶことが重要です。

 

クロモグリク酸ナトリウムとほかの抗アレルギー成分の違い

抗アレルギー薬には、化学伝達物質の放出を抑える成分や、ヒスタミン以外の炎症に関係する物質の働きを抑える成分などがあります。

それぞれ作用する仕組みが異なるため、成分ごとの特徴を理解しておきましょう。

ケトチフェンフマル酸塩

ケトチフェンフマル酸塩は、抗ヒスタミン作用と抗アレルギー作用を持つ成分です。

ヒスタミンの働きを抑えるだけでなく、アレルギー反応に関係する化学伝達物質の放出を抑制する作用もあります。

点眼薬や内服薬などに使用されており、アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎などに用いられます。

トラニラスト

トラニラストは、化学伝達物質の遊離を抑える作用を持つ抗アレルギー成分です。

クロモグリク酸ナトリウムと同じく、アレルギー反応に関係する物質が放出される過程に働きかけます。

ただし、適応疾患や剤形、用法は製品によって異なるため、同じ種類の作用を持つからといって同じように使用できるわけではありません。

プランルカスト水和物

プランルカスト水和物は、ロイコトリエン受容体拮抗薬に分類される成分です。

ロイコトリエンは、アレルギー反応や炎症に関係する化学伝達物質の一つで、鼻粘膜の腫れや気道の収縮などに関係しています。

プランルカスト水和物は、ロイコトリエンが受容体に結合するのを妨げることで、その作用を抑えます。

クロモグリク酸ナトリウムが化学伝達物質の放出を抑えるのに対し、プランルカスト水和物はロイコトリエンの作用を抑えるという違いがあります。

 

クロモグリク酸ナトリウムは市販薬にも配合されている?

クロモグリク酸ナトリウムは、医療用医薬品で使用されている成分ですが、市販薬でも配合されている製品があります。

特に、アレルギー性結膜炎に伴う目のかゆみなどを対象とした点眼薬で使用されることがあります。

市販のアレルギー用点眼薬には、クロモグリク酸ナトリウム以外にも抗ヒスタミン成分や抗炎症成分などが配合されている製品があります。

そのため、商品を選ぶ際はクロモグリク酸ナトリウムの有無だけでなく、ほかにどのような成分が配合されているかも確認することが大切です。

市販薬を選ぶ際に確認したいポイント

目のかゆみが気になる場合は、まず症状がアレルギーによるものかを考える必要があります。

花粉が飛散する時期に目のかゆみや涙目が繰り返し起こる場合は、アレルギー性結膜炎が関係している可能性があります。

一方、目の痛みや強い充血、目やに、視力の変化などがある場合は、アレルギー以外の疾患も考えられます。

市販薬を選ぶ際には、次の点を確認しましょう。

  • 目のかゆみや充血など、製品の効能・効果が症状に合っているか
  • クロモグリク酸ナトリウム以外にどのような成分が配合されているか
  • 使用できる年齢に該当しているか
  • コンタクトレンズ使用時の注意事項があるか
  • ほかの点眼薬との併用に問題がないか

同じアレルギー用点眼薬でも、配合成分や使用回数、対象年齢は製品ごとに異なります。購入前に添付文書を確認し、判断に迷う場合は薬剤師や登録販売者に相談してください。

 

クロモグリク酸ナトリウムの副作用

クロモグリク酸ナトリウムを配合した医薬品では、使用する剤形や製品によって副作用が異なります。

点眼薬の場合、使用時に次のような症状が現れることがあります。

  • 目の刺激感
  • 目のしみる感じ
  • 目の痛み
  • 充血
  • かゆみ

医療用のクロモグリク酸ナトリウム点眼液の臨床試験では、しみる症状や痛みなどの副作用が報告されています。

また、頻度は高くありませんが、重大な副作用としてアナフィラキシーが報告されている製剤もあります。

使用後に強い異常を感じた場合や、症状が悪化した場合は使用を中止し、医療機関に相談してください。

添加物にも注意が必要

点眼薬には、有効成分のほかに保存剤や安定剤などの添加物が含まれている場合があります。

例えば、医療用のクロモグリク酸ナトリウム点眼液には、ベンザルコニウム塩化物が保存剤として使用されている製品があります。

ベンザルコニウム塩化物に過敏症がある場合は、製品の添加物も確認する必要があります。

また、コンタクトレンズを使用している場合は、保存剤の種類や製品ごとの注意事項を確認してください。

 

クロモグリク酸ナトリウムを使用するときの注意点

製品ごとの用法・用量を守る

クロモグリク酸ナトリウムは、点眼薬や点鼻薬、吸入薬など複数の剤形があります。

同じ成分でも使用する部位や目的が異なるため、製品に記載された用法・用量を守ることが重要です。

医療用点眼液の用法を、そのまま市販薬に当てはめることはできません。必ず使用する製品の説明書を確認してください。

ほかの点眼薬と併用する場合

複数の点眼薬を使用する場合は、点眼する順番や間隔に注意が必要です。

医療用クロモグリク酸ナトリウム点眼液の添付文書では、ほかの点眼剤を併用する場合、少なくとも5分以上間隔をあけるよう記載されている製品があります。

ただし、使用する製品によって指示が異なる場合があるため、医師や薬剤師の指示に従ってください。

症状が改善しない場合は受診する

市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、症状が悪化する場合は、使用を続けず医療機関を受診しましょう。

特に、目の強い痛みや視力の低下、著しい充血などがある場合は、単なるアレルギー症状ではない可能性もあります。

鼻炎の場合も、鼻づまりが長期間続く、片側だけに強い症状がある、発熱や顔面の痛みを伴うといった場合は、医療機関で原因を確認することが大切です。

 

クロモグリク酸ナトリウムに関するよくある質問

クロモグリク酸ナトリウムは抗ヒスタミン成分ですか?

いいえ。クロモグリク酸ナトリウムは、抗ヒスタミン成分ではなく、メディエーター遊離抑制薬に分類される抗アレルギー成分です。

抗ヒスタミン成分がヒスタミンの働きを抑えるのに対し、クロモグリク酸ナトリウムはヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される過程を抑えます。

クロモグリク酸ナトリウムは花粉症に使われますか?

はい。クロモグリク酸ナトリウムは、花粉症に伴うアレルギー症状に関係する医薬品に使用されています。

医療用医薬品では、アレルギー性結膜炎に対する点眼薬や、アレルギー性鼻炎に対する点鼻薬などがあります。

ただし、使用できる製品や効能・効果は剤形によって異なります。

クロモグリク酸ナトリウムは眠くなりますか?

クロモグリク酸ナトリウムは、抗ヒスタミン成分とは異なる作用機序を持つ成分です。抗ヒスタミン成分のように中枢神経のヒスタミン受容体を遮断することを主な作用とする成分ではありません。

ただし、配合されている薬の剤形やほかの成分によって注意事項は異なります。使用する製品の説明書を確認してください。

クロモグリク酸ナトリウムはすぐに効きますか?

クロモグリク酸ナトリウムは、化学伝達物質の放出を抑えることでアレルギー反応の発現を抑える成分です。

すでに放出されたヒスタミンの働きを直接抑える抗ヒスタミン成分とは作用の仕組みが異なるため、即効性を期待して使用する薬とは性質が異なります。

効果の現れ方は、使用する製剤や症状、使用期間などによって異なります。

クロモグリク酸ナトリウムと抗ヒスタミン成分は一緒に使えますか?

併用できるかどうかは、使用する薬の種類や配合成分によって異なります。

作用機序が異なる成分であっても、すべての薬を自由に併用できるわけではありません。市販薬を複数使用する場合や、医療機関で処方された薬を使用している場合は、薬剤師や医師に確認してください。

 

まとめ

クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞などからヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されるのを抑える抗アレルギー成分です。

アレルギー反応が起こる過程に働きかける点が特徴で、医療用医薬品ではアレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎などに使用される製剤があります。

今回の内容をまとめると、次のとおりです。

  • クロモグリク酸ナトリウムはメディエーター遊離抑制薬に分類される
  • 肥満細胞などからの化学伝達物質の放出を抑える
  • 抗ヒスタミン成分とは作用する段階が異なる
  • 医療用医薬品では点眼薬・点鼻薬・吸入薬などに使用される
  • 副作用や注意点は使用する剤形や製品によって異なる

アレルギー症状に使用する薬を選ぶ際は、成分の働きだけでなく、症状や使用部位、製品ごとの効能・効果を確認することが大切です。

市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、強い痛み・視力の異常などがある場合は、自己判断で使用を続けず医療機関に相談しましょう。

 

参考資料

※本記事は医薬品成分の一般的な特徴を解説するものであり、個別の症状に対する診断や治療を目的とするものではありません。医薬品を使用する際は、各製品の添付文書や説明書を確認してください。

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