【ネルドリップ】その起源と特徴
ハンドドリップコーヒーの中にはいくつかの種類があります。
ネルドリップの『ネル』とはフランネルの略で、衣類にも使われている材質です。ネルシャツと聞くとわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ネルシャツを想像していただけるとわかるかと思いますが、布自体は柔らかく、表面は起毛しています。
その起源は1821年のイギリスといわれており、約200年の歴史を持ちます。(1700年頃にフランスで布を使ってコーヒーを抽出していた、という情報もあるようです。その場合、なんと300年の歴史が!)
ここではネルドリップについてさらに紹介していきます。
ネルドリップを使ったコーヒーの淹れ方はこちら
新しいネルフィルターの使い方とネルフィルターの起源についてはこのページの下を参照ください。
ネルドリップの特長
繰り返し使えるフィルター
ネルドリップはコーヒーの淹れ方、ハンドドリップの一種でフィルター部分が布でできています。
ペーパードリップとの違いは、布でドリップするので繰り返し使える利点があります。
近年言われている、エコや、サステナブルな観点から言っても、繰り返し使えるフィルターというのはおすすめです。
しかし、繰り返し使うというのは紙と違って保管などに手間がかかります。
コーヒーオイルまで抽出できる
ペーパードリップではコーヒーオイルは濾されてしまいますが、ネルドリップのフィルターは目が荒いため、コーヒーオイルまでしっかりと抽出できます。
そのため、ネルドリップの特徴はコーヒーオイルも抽出されたまったりとコクのある味です。
普段ペーパードリップで抽出している同じ豆でも、ネルドリップで抽出すると、違った味わいへと変化します。
その他ネルドリップの特徴
ネルフィルターの表面は片面が起毛している場合があります。両面が起毛している場合は、縫い目を外にしましょう。
片面のみが起毛している場合は、どちらを内側にしてもいいですが、それぞれに特徴があります。
起毛面が表(外側)の場合
ネルフィルターの特徴である、起毛面の繊維でコーヒーの細かい粉を取ることができませんが、ネルフィルターの洗浄がしやすく、また業務用など使用頻度の高い場所では向いている使用方法です。
起毛面が裏(内側)の場合
コーヒーの細かい粉を起毛面がしっかりと捉え、フィルターの目詰まりを起こしにくい状態を保ち、より質の高いコーヒーの抽出をしやすくなります。
その反面、フィルターによく粉が付着し、洗浄が煩雑になり、起毛が傷みやすくなります。結果的に起毛面を内側にセットして使い続けているとフィルターの寿命は短くなりがちです。
ネルフィルターの使い方
ネルフィルターは紙のフィルターのように使い捨てるのではなく、何度も繰り返し使います。
新品のネルフィルターを使う場合のみこの過程が必要ですが、以降は繰り返し使う方法を参考にしてください。
新品のネルフィルターを使う場合
糊や汚れを落とす
新品のネルフィルターには糊や汚れがついています。使う前にまずは水洗いします。
ぬるま湯を用いて、可能な限り糊を落とします。
コーヒー液で煮る
鍋などに水を入れ、コーヒーの粉を入れて沸騰させます。おおよそ、100mlに対して1gの割合でコーヒーの粉を入れます。布がつかる程度の水を入れます。
沸騰したら弱火にし、沸騰させないようにコトコトと20分程度煮続けます。
糊を落とし、コーヒー液に浸すことでコーヒー成分がネルフィルターに馴染みます。
流水で洗い流す
コーヒー粉の入った鍋から出し、コーヒー粉がなくなるまで洗い流します。
新品でない場合、冷水で保管しているネルフィルターを取り出し、洗い流します。