ネルドリップを楽しもう
コーヒーにはたくさんの楽しみ方が存在していますし、コーヒー味の商品もバリエーション豊かです。ここではネルドリップを用いたコーヒーの淹れ方について解説します。
新品のネルフィルターを使う時にはこちらを参考にしてください。
コーヒーを注ぐ前の準備
お湯、ドリップに使うサーバー、コーヒーカップを温めます。
淹れるコーヒー量の2.5倍程度を目安にケトルにお湯を沸かします。
サーバーとコップを温めておくことで、コーヒー抽出時の温度変化を避けられるため、香りなどを保ったままおいしいコーヒーを楽しむことができます。
ネルフィルターをセットする
冷水で保管しているネルフィルターを取り出し、洗い流します。洗い終わったら、一度お湯に通し、きつく絞ります。
きつく絞れているかどうかの判断は、ネルフィルターの表面が毛羽立っているかどうかです。フランネル生地特有の表面の毛足が寝ていると、水分がうまく抜けていません。毛羽立っている程度まで水分をとりましょう。
よく絞れていないと、コーヒーを抽出した際にフィルター内の水分とお湯が混ざり温度が下がります。温度が変化すると、コーヒーの味や風味が変化してしまいます。温度による味の変化を防ぐためにも、きっちり水気を取りましょう。
絞る→乾いた布に挟み込んで水気を吸い取る
とすると、より水分を多くフィルターから取り除くことができます。水気を切り、しわを伸ばしてフィルターをセットします。
水気を取ったらネルフィルターをハンドルにセットします。
コーヒーの粉を入れる
ネルフィルターにコーヒーの粉を入れます。粉を入れたらフィルターをゆするなどして、表面を平らにします。
ネルフィルターはペーパーフィルターに比べるとお湯が通過するのにかかる時間が長いです。豆の渋み・えぐみなどを極力抑えるためにも基本的には中引きから粗挽きにした粉を使う方がよいです。
また、ペーパーフィルターよりも多めの粉を入れることをおすすめします。特に焙煎度の深い豆を使った粉を入れる場合は、多めに入れると良いでしょう。焙煎度が深いと、豆の水分が少なく粉が軽いです。粗挽きにし、ゆっくりお湯を入れることで、まったりと深いコーヒーを淹れることができます。
焙煎度の浅い豆を使う場合は、中挽きよりの細挽きにし、粉の表面積を増やし、抽出する量を増やすことも可能です。
蒸らす
フィルター内にある粉全体にお湯をそそぎます。粉全体にお湯を含ませるようにするのがコツです。
大量のお湯を使うのではなく、目安としてポタポタとサーバーに落ちてくるぐらいまでのお湯を注ぎます。20秒程度蒸らします。
コーヒーの粉の中心までお湯が浸透するとガスが発生し、抜けていきます。ガスが抜けていくと表面に穴ができてきます。
抽出する
サーバーに記載のある目盛りを目安にお湯を注ぎ、コーヒーを抽出していきます。
お湯を注ぐ際のポイントは
①ネルフィルターに直接お湯をかけないようにする。
②フィルター内のお湯の表面にある白い泡が消える前、そしてサーバーに落ちる前にお湯を注ぐ
この2点です。
①ネルフィルターに直接お湯をかけないようにする
フィルターに直接お湯をかけてしまうと、コーヒーの粉にあまり触れず、お湯に近いコーヒーがサーバーへ落ちてしまします。コーヒーが薄くなってしまいますので、なるべく真ん中近くにお湯を注ぎ、コーヒーの抽出量を多くしましょう。
②フィルター内のお湯の表面にある白い泡が消える前、そしてサーバーに落ちる前にお湯を注ぐ
白い泡には豆をミルにかけた際にできた微粉が含まれています。微粉はすぐに雑味やえぐみを抽出していまうので、微粉の含まれた白い泡を落とさないようにしましょう。
抽出をやめる
必要量のコーヒーがサーバーに落ちてきたらお湯を注ぐのをやめます。必要量になるまで、3~6回に分けてお湯を注ぎ入れていきます。
ネルフィルター内のお湯が完全に落ち切ってからフィルターを取り除いていると、雑味やアクまでサーバーに落ちてしまいますので、フィルター内のお湯がある程度残っている状態でフィルターを外しましょう。
まだお湯が出てくるので、受け皿や小さなボウルなどで受け取りましょう。
コーヒーをカップに注ぐ
ネルフィルターに白い泡が残っている状態で抽出を終えていたら、上手に抽出できたといえるでしょう。1回目でうまくいくこともあれば、2度3度と挑戦してコツを掴むと上達することもできるでしょう。
1度ダメでも、1回で完璧にコーヒーを淹れられる人もいませんし、自分好みのテイストにコーヒーを淹れられるのがドリップコーヒーの最大の特長と良さです。
楽しいコーヒーライフを送ってください。
ネルフィルターの保存について
ペーパードリップだと、コーヒーを淹れた後のフィルターは処分して終わりですが、ネルフィルターは繰り返し使います。
ですので、フィルターの保存が必要になってきます。
使い終わったネルフィルターの中にはコーヒーの粉が入っています。まずはコーヒーの粉を取り出します。処分する、あるいはコーヒーかすの使い道があるので、再利用するのも手です。
ネルフィルターの中にあるかすを取り出したら煮沸し、フィルターについたコーヒーのかすの残りを落とします。かすが残っていると酸化し悪臭の原因となるので、しっかりと落とします。場合によっては複数回煮沸し、汚れを取り除きましょう。悪臭がつくとコーヒーの味にも影響をきたすので、ネルフィルターは保存方法にも気を配りましょう。
煮沸が終わったら流水で洗い流し、最後にタッパーなど蓋のある容器に水を張りそこにネルフィルターを浸けて保存します。水からフィルターが出ないように、空気に触れないようにして保存します。
毎日水を取り替え、冷蔵庫で保存します。可能であれば、朝昼晩のように水の交換ができることが望ましいですが、難しい場合はなるべくたくさんの水を入れて保存しましょう。口にチャック機能のついた袋に水を入れて保存するのも良いでしょう。
1日以上水の交換が難しい時には、そのまま冷凍庫に入れて凍らしましょう。再度使用する際には流水で解凍します。