ビタミンと聞いて、まず「ビタミンC」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
ビタミンCは、野菜や果物などに含まれている身近な栄養素で、サプリメントとしても人気があります。
「ビタミンCは美容にいい」「ビタミンCは抗酸化作用がある」といった話を聞くこともありますが、実際にはどのような働きがあるのでしょうか。
また、1日にどのくらい摂取すればよいのか、サプリメントで多く摂取しても問題ないのかなど、気になる点もあります。
この記事では、ビタミンCの基本的な特徴から、体内での働き、1日の摂取量、サプリメントを利用するときの注意点まで詳しく解説します。
ビタミンCとは?
ビタミンCは、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」の一つです。
成分名としては「アスコルビン酸」と呼ばれ、食品やサプリメントなどでは「ビタミンC」「アスコルビン酸」「VC」などと表示されることがあります。
ビタミンCは、野菜や果物などさまざまな食品に含まれています。
人間は体内でビタミンCを十分に合成できないため、食事などから摂取する必要があります。
ビタミンCは何色?
ビタミンCと聞くと、レモンなどの黄色い食品や、黄色いパッケージをイメージする人も多いかもしれません。
しかし、純粋なビタミンCそのものは白色~ほぼ白色の結晶性の物質で、水に溶かしたビタミンCの水溶液は基本的に無色です。
一方、ビタミンCは酸化などによって変化すると、黄色から褐色を呈することがあります。
このため、ビタミンCを含む飲料などでは、時間の経過や保存状態などによって色が変化することがあります。
ただし、「黄色くなったビタミンCは肌に悪い」「透明なビタミンCを摂取した方が美容に良い」と単純に考えることはできません。
色の変化だけで商品の品質を判断せず、商品の表示や保存方法、使用期限などを確認することが大切です。
ビタミンCは体内でどのように働く?
ビタミンCは、体内でさまざまな働きをしています。
代表的なものとして、コラーゲンの生成、抗酸化作用、鉄の吸収などが挙げられます。
コラーゲンの生成を助ける
コラーゲンは、皮膚や血管、骨など、体のさまざまな組織を構成する重要なタンパク質です。
ビタミンCは、コラーゲンの生成に必要な栄養素です。
ビタミンCが不足するとコラーゲンの生成にも影響し、重度の不足では壊血病を起こすことがあります。
抗酸化作用を持つ
ビタミンCには抗酸化作用があります。
体内では酸化反応によって生じる活性酸素などが関係して、細胞や組織にダメージが生じることがあります。
ビタミンCは、こうした酸化ストレスに対して働く抗酸化物質の一つです。
ビタミンC自身が酸化されることで、ほかの物質の酸化を抑える働きもあります。
鉄の吸収にも関係する
ビタミンCは、食品に含まれる鉄の吸収にも関係しています。
特に植物性食品などに含まれる非ヘム鉄の吸収を高める働きが知られています。
鉄を多く含む食品とビタミンCを含む食品を組み合わせることは、食事から鉄を摂取するうえでも役立ちます。
ビタミンCが不足するとどうなる?
ビタミンCが長期間不足すると、重度の場合には壊血病を起こすことがあります。
壊血病では、コラーゲンの生成に影響することで、歯ぐきからの出血、皮下出血、傷が治りにくくなるなどの症状がみられることがあります。
現代の日本で通常の食生活を送っている場合、重度のビタミンC欠乏症は多くありません。
しかし、極端に偏った食生活などでは不足する可能性があるため、野菜や果物などを含め、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
ビタミンCは1日にどのくらい必要?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上のビタミンCの推奨量は、男女ともに100mg/日とされています。
妊婦では付加量として+10mg/日、授乳婦では+45mg/日が設定されています。
これは健康の保持・増進や欠乏の予防などを目的とした食事摂取基準であり、「美容のために必ず100mg以上摂取しなければならない」という意味ではありません。
ビタミンCは1000mg摂取した方がいい?
ビタミンCのサプリメントでは、1,000mgなど比較的多い量を含む商品もあります。
しかし、厚生労働省が健康な成人に対して「1日1,000mgを目標に摂取するよう推奨している」というわけではありません。
食事から必要量を確保できている人が、健康や美容のために必ず1,000mgを摂取しなければならないという根拠はありません。
まずは野菜や果物などを含むバランスのよい食事を基本に考えることが大切です。
ビタミンCはたくさん摂ればいい?
「水溶性ビタミンだから、余った分は全部体外に出るので、たくさん摂っても問題ない」と考える人もいます。
しかし、水溶性ビタミンであっても、必要以上に摂取すれば必ず問題がないという意味ではありません。
ビタミンCは摂取量が増えると吸収率が低下し、吸収されなかった分や体内で利用されなかった分は尿中に排泄されます。
海外の資料では、30~180mg/日程度の摂取では約70~90%が吸収される一方、1g/日を超える摂取では吸収率が50%未満に低下するとされています。
つまり、「1,000mg摂取すれば、100mg摂取したときの10倍のビタミンCがそのまま体内で利用される」というわけではありません。
一度に大量に飲むより分けて摂る方法もある
ビタミンCは一度に大量に摂取すると吸収率が低下するため、サプリメントを利用する場合には、商品に記載された用法・用量の範囲で分けて摂取する方法もあります。
ただし、摂取量を増やせば増やすほど健康や美容への効果が高まるとは限りません。
サプリメントは「多ければ多いほどよい」と考えず、食事からの摂取量も含めて考えることが大切です。
ビタミンCの摂りすぎには注意
ビタミンCを大量に摂取すると、胃腸への負担となり、下痢や腹痛、吐き気などが起こることがあります。
また、腎機能に問題がある人や、腎結石などの既往がある人が高用量のビタミンCを摂取する場合には注意が必要です。
ビタミンCの摂取によって体内でシュウ酸が増加する可能性があるため、腎結石などが気になる人は自己判断で高用量のサプリメントを使用せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
また、治療中の病気がある場合や、医薬品を使用している場合も、サプリメントを追加する前に専門家へ相談することをおすすめします。
ビタミンCは美容にいい?
ビタミンCは美容成分としても非常に有名です。
これは、ビタミンCがコラーゲンの生成に関係することや、抗酸化作用を持つことなどが理由の一つです。
ただし、「ビタミンCを飲めばシミが消える」「ビタミンCを飲めば日焼けを防げる」といった単純なものではありません。
ビタミンCを含むサプリメントは、あくまで栄養素を補うためのものとして考えるのが基本です。
ビタミンCを飲めばシミ・そばかすを防げる?
ビタミンCは、メラニンの生成に関係する反応に影響することが知られており、化粧品などでもビタミンCやビタミンC誘導体が利用されています。
一方で、ビタミンCのサプリメントを飲むだけでシミやそばかすを確実に防げる、あるいはすでにできたシミを消せると考えるのは適切ではありません。
紫外線による肌への影響を防ぐためには、日焼け止めの使用、帽子や日傘などによる紫外線対策、十分な栄養を含むバランスのよい食事など、複数の対策を組み合わせることが大切です。
ビタミンCは外出前に飲むといい?
「紫外線を浴びる前にビタミンCを飲めばよい」という話を見かけることがあります。
しかし、サプリメントのビタミンCを外出前に飲むことで、日焼けやシミを確実に防げるとまではいえません。
そのため、「外出前に飲む」ということだけを目的に大量のビタミンCを摂取する必要はありません。
ビタミンCは特定の時間帯にこだわるよりも、必要量を継続的に摂取することを基本に考えるとよいでしょう。
ビタミンCは食事とサプリメント、どちらがいい?
ビタミンCは、まず食事から摂取することを基本に考えましょう。
野菜や果物にはビタミンCだけでなく、食物繊維やさまざまな栄養素なども含まれています。
普段の食事で十分な量を摂取できているのであれば、必ずしもサプリメントを追加する必要はありません。
一方で、食生活が偏っている場合などには、サプリメントによって不足している栄養素を補うという考え方もあります。
ただし、サプリメントはあくまで食事を補助するものです。
「美容のため」「健康のため」と大量に摂取するのではなく、商品の表示や摂取目安量を確認し、適切に利用しましょう。
ビタミンCを含む食品
ビタミンCは、さまざまな野菜や果物に含まれています。
- ピーマン
- ブロッコリー
- キウイフルーツ
- いちご
- 柑橘類
- じゃがいも
ビタミンCは水溶性のため、調理方法によっては水に溶け出すことがあります。
野菜を長時間ゆでる場合などには、ビタミンCの一部がゆで汁に移る可能性があります。
一方で、加熱したからといって食品中のビタミンCがすべてなくなるわけではありません。
調理方法を過度に気にするよりも、さまざまな野菜や果物を日々の食事に取り入れることを意識する方が重要です。
ビタミンCは冷凍すると増える?
「果物は冷凍するとビタミンCが増える」という話を見かけることがあります。
しかし、冷凍しただけで食品中のビタミンCそのものが新たに作られるわけではありません。
食品によっては、保存方法や測定条件などによって栄養成分の測定値が変化することがあります。
そのため、「冷凍すれば必ずビタミンCを効率よく摂取できる」と一律に考えるのではなく、食べやすい方法で野菜や果物を継続的に摂取することをおすすめします。
ビタミンCのまとめ
ビタミンCは、身近な食品にも含まれている代表的な水溶性ビタミンです。
コラーゲンの生成や抗酸化作用、鉄の吸収など、健康を維持するうえで重要な働きをしています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の推奨量は男女ともに100mg/日です。
サプリメントには1,000mgなどの高用量製品もありますが、「1,000mgが健康維持の目標量」「1,000mgが最大摂取量」という意味ではありません。
ビタミンCは摂取量が増えると吸収率が低下するため、大量に摂取すればするほど効率よく利用されるわけでもありません。
基本は野菜や果物などを含むバランスのよい食事から摂取し、必要に応じてサプリメントを補助的に利用するとよいでしょう。
美容目的でビタミンCを利用する場合も、「大量に飲めばシミが消える」「外出前に飲めば日焼けを防げる」と考えるのではなく、栄養状態を整えることと紫外線対策を組み合わせることが大切です。
サプリメントを高用量で摂取したい場合や、腎臓の病気などがある場合は、自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。


