ジンとは?原料・作り方・種類を初心者向けに解説
ジンは、独特の香りが特徴的な蒸留酒です。
ジントニックやマティーニなど、カクテルのベースとしても広く使われています。
「ジンは何からできている?」「なぜ独特の香りがする?」「ウォッカとは何が違う?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ジンの原料や作り方、特徴、代表的な種類、ウォッカとの違いについて、初心者にも分かりやすく解説します。
お酒の種類と作り方を初心者向けに解説|醸造酒・蒸留酒・リキュールの違い
ジンとは?
ジンは、蒸留酒をベースに、ジュニパーベリーなどの植物原料によって香りを付けたお酒です。
ジンを特徴づける代表的な香りが、ジュニパーベリー(セイヨウネズの実)です。
ジュニパーベリーのほかにも、コリアンダー、柑橘類の果皮、カルダモン、シナモンなど、さまざまな植物原料が使われます。
使用する植物原料や製造方法によって香りや味わいが大きく異なるため、ジンには非常に多くの種類があります。
ジンは何からできている?
ジンのベースとなる原料には、穀類などを発酵・蒸留して造ったスピリッツが使われます。
使用する原料は製品によって異なりますが、トウモロコシ、小麦、大麦などの穀類が使われることがあります。
そして、ジンの特徴である香りを生み出すために、ジュニパーベリーなどの植物原料を使用します。
つまり、ジンの味や香りは、ベースとなるスピリッツだけでなく、使用するボタニカルによっても大きく変わります。
ジンの作り方
ジンの製造方法にはさまざまな方法がありますが、基本的には次のように考えると分かりやすいでしょう。
- ベースとなるスピリッツを造る
- 植物原料を加える
- 再蒸留などによって香味を付ける
- 加水してアルコール度数を調整する
- 瓶詰めする
①ベースとなるスピリッツを造る
まず、穀類などの原料を糖化・発酵させ、蒸留してアルコールを含むスピリッツを造ります。
ジンでは、このベースとなるスピリッツに植物原料の香りを加えていきます。
②植物原料を加える
ジンに使用される植物原料は、一般にボタニカルと呼ばれます。
代表的なボタニカルがジュニパーベリーです。
そのほかにも、コリアンダー、アンジェリカ、柑橘類の果皮、スパイスなど、さまざまな植物原料が使われます。
どのボタニカルを使用するかによって、ジンの香りや味わいに個性が生まれます。
③再蒸留などによって香味を付ける
植物原料をスピリッツに加え、再び蒸留することで、植物原料の香りをスピリッツに移す方法があります。
蒸留方法やボタニカルの組み合わせによって、仕上がるジンの香りは大きく変化します。
製品によっては、植物原料を蒸留液に浸す方法など、異なる製法が用いられる場合もあります。
④加水してアルコール度数を調整する
蒸留したジンに水を加え、商品として販売するアルコール度数に調整します。
ジンは比較的アルコール度数が高い蒸留酒ですが、製品によって度数には違いがあります。
⑤瓶詰めする
アルコール度数や味わいを調整した後、瓶に詰めて商品として販売されます。
ジンの最大の特徴はジュニパーベリー
ジンを他の蒸留酒と区別するうえで重要なのが、ジュニパーベリーです。
ジュニパーベリーはセイヨウネズという植物の実で、ジン特有のさわやかで特徴的な香りを生み出します。
ジンを飲んだときに感じる、森林やハーブを思わせるような香りも、ジュニパーベリーによるものです。
ただし、ジンはジュニパーベリーだけで香りを付けるわけではありません。
さまざまなボタニカルを組み合わせることで、柑橘系、スパイス系、ハーブ系など、多彩な香りを作り出しています。
ボタニカルとは?
ジンについて調べると、「ボタニカル」という言葉をよく目にします。
ボタニカルとは、ジンの香りや風味付けに使用される植物由来の原料を指して使われる言葉です。
代表的なものには、次のようなものがあります。
- ジュニパーベリー
- コリアンダー
- アンジェリカ
- レモンやオレンジなどの柑橘類の果皮
- カルダモン
- シナモン
- その他のハーブやスパイス
同じジンでもボタニカルの組み合わせが異なるため、香りや味わいには大きな違いがあります。
ジンにはどんな種類がある?
ジンにはさまざまなタイプがあります。
ロンドン・ドライ・ジン
ロンドン・ドライ・ジンは、世界的によく知られているジンのスタイルです。
ジュニパーベリーを中心とした、キリッとした香りが特徴的なものが多く、ジントニックなどのカクテルにもよく使われます。
「ロンドン」という名前が付いていますが、現在ではイギリスのロンドン以外でも製造できます。
そのため、「ロンドンで造られたジン」という意味ではありません。
オールド・トム・ジン
オールド・トム・ジンは、ロンドン・ドライ・ジンなどと比べて、甘みを感じるタイプのジンとして知られています。
カクテルの歴史とも深く関係しており、クラシックカクテルに使用されることがあります。
プリマス・ジン
プリマス・ジンは、イギリスのプリマスで造られてきたジンです。
ロンドン・ドライ・ジンとは異なる個性を持ち、歴史のあるジンとして知られています。
ジュネヴァ
ジュネヴァは、オランダなどで造られてきた伝統的な蒸留酒です。
ジンの歴史を語るうえでも重要な存在で、麦芽由来の風味を感じるタイプがあります。
現在のジンとは製法や風味に違いがあるため、同じものとして考えるのではなく、ジンのルーツの一つとして捉えると分かりやすいでしょう。
ジンとウォッカの違い
ジンとウォッカは、どちらも蒸留酒ですが、最大の違いは香りや風味を付けるかどうかです。
| 項目 | ジン | ウォッカ |
|---|---|---|
| 種類 | 蒸留酒 | 蒸留酒 |
| 特徴 | 植物原料による香りが特徴 | 比較的クセが少なく、ニュートラルなタイプが多い |
| 代表的な原料・香味 | ジュニパーベリーなどのボタニカル | 穀類など |
| 代表的な飲み方 | ジントニック、マティーニなど | モスコミュール、ブラッディ・メアリーなど |
簡単に覚えるなら、ウォッカはベースとなるスピリッツのクセを抑えたもの、ジンは植物原料による香りを楽しむ蒸留酒と考えると分かりやすいでしょう。
ジンの代表的なカクテル
ジントニック
ジンをトニックウォーターで割る、代表的なカクテルです。
ジンの香りとトニックウォーターの甘みや苦味、炭酸が組み合わさり、さわやかな味わいになります。
マティーニ
ジンとドライベルモットを使った代表的なカクテルです。
シンプルな材料だからこそ、使用するジンによる香りの違いも楽しめます。
ギムレット
ジンとライムジュースなどを使ったカクテルです。
ジンの香りとライムの酸味を楽しめます。
ネグローニ
ジン、カンパリ、スイートベルモットを使ったカクテルです。
苦味や甘み、ジンの香りが組み合わさった、個性的な味わいが特徴です。
ジンはどんな人におすすめ?
ジンは、さまざまな香りを楽しみたい人に向いているお酒です。
- ハーブやスパイスの香りが好き
- 柑橘系のさわやかな香りが好き
- カクテルを楽しみたい
- 同じ蒸留酒でも香りの違いを比べてみたい
特にジンはボタニカルによる香りの違いが大きいため、複数の銘柄を飲み比べると、それぞれの個性を感じやすくなります。
ジンは熟成する?
ウイスキーやブランデーでは樽熟成が大きな特徴ですが、一般的なジンは、樽熟成を目的としたお酒ではありません。
ただし、樽で熟成させたジンなど、一般的なジンとは異なる製法の商品も存在します。
そのため、「ジンは絶対に熟成しない」と考えるのではなく、一般的なジンは透明な状態でボタニカルの香りを楽しむものと覚えておくとよいでしょう。
ジンのアルコール度数
ジンは蒸留酒のため、ビールやワインなどの醸造酒と比べると、一般的にアルコール度数が高くなっています。
商品によってアルコール度数は異なるため、飲む前にはラベルを確認しましょう。
また、カクテルにすると飲みやすく感じる場合がありますが、使用しているジンそのもののアルコールがなくなるわけではありません。
飲みやすさだけで判断せず、アルコール度数や飲む量にも注意しましょう。
まとめ
ジンは、蒸留酒をベースに、ジュニパーベリーなどのボタニカルによって香りを付けたお酒です。
ジンの最大の特徴は、ジュニパーベリーを中心とした独特の香りです。
さらに、コリアンダーや柑橘類の果皮、ハーブ、スパイスなど、さまざまなボタニカルを組み合わせることで、銘柄ごとに異なる香りや味わいが生まれます。
ロンドン・ドライ・ジン、オールド・トム・ジン、プリマス・ジン、ジュネヴァなど、歴史や製法の異なるさまざまなタイプがあります。
また、ウォッカも蒸留酒ですが、ジンはボタニカルによる香りを楽しむ点が大きな特徴です。
ジンを選ぶときは、アルコール度数だけでなく、どのようなボタニカルが使われているのかにも注目すると、自分好みの一本を見つけやすくなります。

